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自転車小話50~『ロードレーサーに戻ろう』~

現在はロードバイクという呼び名が定着していますが、かつてはロードレーサーと呼ばれていた時代がありました。

実は自分もあまりその時代の記憶がはっきりしないのですが、確かに私がロードバイクに乗り始めた1990年代初めごろはまだロードレーサーと呼んでいたように思います。

何しろ当時はマイナーなスポーツでしたから、乗る人も今よりはるかに少なく、あの形の自転車で多くの人が連想するのは競輪でした。

試しにロードレーサーと呼ばれていた時代背景をAIに質問してみると、80年代にアメリカ発祥のマウンテンバイク(MTB)ブームが起きたことがきっかけとしてあったようです。

当時はまだサスペンションがないマウンテンバイクが主流でしたが、私が知っている90年頃もマウンテンバイクが非常に人気が高かったことを覚えています。

ロードレーサーという呼び名は、よりレースに特化した自転車という位置付けで呼ばれていました。しかし、オフロード自転車として入ってきたマウンテンバイクに、「バイク」とついていることから、ロードレーサーにもその呼び方を用いたようです。つまり、オフロード車に対するオンロード車である、ロードレーサーも競技に限定するかのような呼び名から、ロードバイクという呼び名にして、より一般化したという流れがあったようです。

いつしか気づいたら、呼び名がロードレーサーからロードバイクに変わっていたのでしょう。

ところで、私がロードバイクを乗り始めたころに、ロードレーサーとは何か?の問に対しての答えが別にあったように思います。
あくまで私の記憶であり、私の解釈なのですが、それによると、ロードレーサーの定義とは、「無駄なものを一切省いた自転車」でした。

一般的な自転車には余分なものが随分ついています。例えば、荷物を入れるカゴだとか、荷台だとか、スタンドもそうです。

そういった付属品をすべて排除して、走るためだけに必要最小限に抑えた自転車がロードレーサーだというわけです。つまり一番シンプルな自転車と言ったところです。それ以外に特徴としてはハンドルがドロップハンドルだったことくらいでしょうか。

だから、ロードレーサーという形態の自転車に乗れれば、それで速く走れるのだという一応の決着があったように思います。それ以上は今の時代のように機材のアップグレードには関心がそれほど高くなかったと思いますし、そもそも今よりはるかに機材類の選択肢は少なかったです。

そういう時代だったからなのですが、ロードバイクへの向きあい方も、頭の中が今の時代のような機材への執着から離れないようなスタンスはなかったように思います。

ただシンプルにロードレーサーで走りトレーニングを積むことに意識が向きやすい時代だったのかなあと思います。

「自転車1台、体一つ、少年は風になった」

昔ツール・ド・フランスをフジテレビが放送していた時代のナレーションの中での言葉です。いまだに覚えているこの言葉、まさに真に迫る殺し文句だったなあと今でも思います。

少年が自転車で走れる喜びをこれ以上にシンプルに表した言葉はないなと思えるほど、スポーツ自転車で速く走ることへのあこがれが表現されていると思います。

ロードレーサーという呼び名には実はロードレース専門自転車という以上に、よりシンプルな自転車という意味合いがかなり含まれていたのではないかとあらためて思うのです。

私自身は、究極なエアロフレームや、エアロホイール、パワーメーターなど、速く走るために必要だとされているありとあらゆる機材からは一応の距離は置いているつもりです。

それでもやはり、もっとこういう機材に変えたいなあという欲は結構あるなあと正直に思いますね。同じ自転車仲間の機材の話にも多少は影響されますし、速く走れるようになりたいと思えばやはりどこかで機材に目が向いてしまう世界だと思います。

でもどうも、最近は昔のようにもっとシンプルに自転車に向き合って楽しめないものかなあと思う自分もいるのです。

もう一度私自身は意識の上でロードレーサーに戻るべきなんだろうなと思っているこの頃です。

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