ミステリー小説に対する抵抗
ミステリー小説は好きではあるが、正直なところ少し抵抗、というより苦手意識がある。だって怖いもん。
家族が寝静まった後にリビングで読む事が多い為、どうにも殺人系は臨場感にバフがかかってしまう。
クローズドサークル系は特に苦手だ。私は"高所"も"暗所"も平気だが"閉所"だけは精神が持たない。
小学生の時に体育館の分厚いマット間に落ちてしまった時の身動きが取れず叫び散らかした記憶が未だに鮮明に残っている。
おそらくこれが『トラウマ』というものなのだろう。身動きが取れない状態で拷問をされるとなれば私は二つ返事でどんな機密情報も流暢に話してしまうだろう。
なるべく秘密は話さないで欲しい。
閉所の定義が"身動きが取れない"だとクローズドサークルは全く関係がなくなってくるが、"閉じ込められる"であるならば当てはめられる。
「無茶苦茶だな」と思うだろうがこれは"苦手だと思う意識"を理論的に分析した結果である。「ただビビってるだけだろ」とは思わないで貰いたい。自尊心に傷が付く。
クローズドサークルでもう一つ苦手な要素がある。前提として私はハッピーエンドが大好きである。読後感はなるべく"ほんわか"したいのだ。余韻に浸れるような、登場人物全員が幸せになるようなオチを好む。
対してクローズドサークルは先ずハッピーエンドはほぼあり得ない。なんせ閉ざされた空間で人が死ぬからだ、次々と。そして登場人物の中に必ず犯人が潜んでいる。どう足掻いても"ほんわか"した気持ちにはなれない。
「じゃあ読まないんだな」と思う、確かに。
速攻で持論を覆す。
"どんでん返し"が大好きなのだ。
叙述トリックに対してかなりの関心がある。
映像を各々が独自に想像するにも関わらずその文章だけで騙してくる。そしてまんまと騙される。その感覚が堪らなくゾクゾクする。
その感情欲しさについ読んでしまうのだ。そして読後に後悔する。「え、怖っ…」と。
「どひぇー!」という時もあり
「ぅえええ?!」という時もある。
「はぁー!ええ!」という時もあり
「えぇ………………」という時もある。
"十角館の殺人"を読んだ時は「ぅえええ?!」だった。全身の鳥肌が立ったのを覚えている。あの一文を夜中に見てしまったが故、"答え合わせ"をしなければ絶対に安眠できない。結局朝方まで読み尽くしてしまい、衝撃から抜け出せずに安眠どころか睡眠ができなかった。
もうクローズドサークルミステリーはやめよう。毎回読んだ後にそう思っては結局読んでしまう。まるで後ろめたいセフレのようだ。
なんだかまた読みたくなってきた。
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