不倫バッシングは正義?それとも嫉妬?―#嫉妬マニア 連載記事・対談―斉藤ナミ × 池松潤
芸能ニュースをきっかけにSNSで炎上する“不倫バッシング”。私自身に寄せられた批判コメントを含めて、ネット上で飛び交うさまざまな声には、脳科学で説明される「嫉妬の快感」という人間の業が潜んでいるのかもしれません。
この連載のきっかけを作ってくれて、婦人公論.jp で新規事業開発をされることになった池松さんと「不倫バッシングは正義?それとも嫉妬?」をテーマに語りました。
※連載「嫉妬マニア」の裏話や、嫉妬を解き明かす解説をはじめます。
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池松潤(以下、池松)
今回のナミさんの記事「不倫バッシングは正義?それとも嫉妬?〈他人の不幸は蜜の味〉は、脳の仕組みでもあるという」を読んで、心の奥をえぐられました。芸能スキャンダルをきっかけに、私たちが仮面で隠す感情を、ここまで言語化できる人はなかなかいません。
斉藤ナミ(以下、斉藤)
ありがとうございます。あの記事は、国民的女優の不倫報道に触れたときの自分の心の動きを書いたものです。仕事で成功しまくっている純情そうな彼女が、イケメン俳優たちと次々に自由に不倫や交際をしていたことに対して「羨ましい!」という感情が出てきて、ドラマも観たくなくなった自分がいました。
嫉妬が「正義」に変わる瞬間
池松
SNSでは「不倫はダメ」とか「復帰させるべきじゃない」という声がありましたが、その裏には「羨ましい」を隠したい人間のココロが見える?
斉藤
そうですね。ヒトは「何か」を掲げることで、自分の嫉妬を見ないふりができる。脳科学的には、他人が損をしたときと自分が得をしたときに同じ報酬系が反応する――“シャーデンフロイデ(他人の不幸は蜜の味)”は人間そのものです。
池松
確かに。他人が得をしていることを知ると、自分が損をしたような気持ちになるのってありますね。
斉藤
以前、対談させていただいた政治学者、山本圭教授の著書『嫉妬論』(光文社新書)でも説明されてます。
「自分が感じる満足の絶対量の多寡ではなく、他人と比較することで生じる不満や欠乏感のことを”相対性剥奪”と呼ぶ。」
精神科医で脳科学者でもある、東京化学大学の高橋英彦教授の研究にも書かれています。
「脳の奥深くにある大脳基底核の一部「線条体」という部分は、自分が得をしたときと他人が損をしたとき、そして、自分が損をしたときと他人が得をしたときに、同じような活動をするということが分かった。そのため脳はそれらをうまく区別できないのかもしれない」
つまりドイツのことわざ「他人の不幸は蜜の味」は、脳の仕組みなんですよね。
子どもにも大人にもあるスパイト行動
池松
記事には、子どもの「弟に勝たせるくらいなら自滅してやる!」というエピソードもありました。大人にも同じ心理があるんですね。
斉藤
そうですね。コロナ下で現れた自粛警察も、単なる正義感だけでなく嫉妬が混ざった“スパイト行動”だったのでは、と感じます。だからこそ、自分の中の嫉妬を認めることが大切なんですよね。難しいですけど。
嫉妬を燃料にするために
池松
記事がバズったとき、アンチコメントに心が折れそうになったと書かれていました。
斉藤
「アンチコメントをしてくる人はわたしのことが羨ましいんだね」と自分に言い聞かせても、傷つかないわけじゃない。
わたしなら、嫉妬を否定するよりも、「これは嫉妬だ」と認めたうえで、努力や成長の燃料に変えたいです。
「出る杭は打たれる」なら、打ちようがないくらい出すぎる杭になれればいいんですけど。
池松
嫉妬を創造のエネルギーに変える。それこそがナミさんらしさだと思います。
嫉妬(語彙)をAIにどう教えるか?
池松
今回の記事から、こんな感じにnoteとの連携も進めていきたいと思います。
斉藤
そうですね。連載記事は「体験談やエッセイ」、noteの方は「記事の背景や、嫉妬を解き明かす解説など」として役割分担できたらいいなと。
記事を読んだ人が「この感情の正体をもっと知りたい」と思ったらnoteも楽しんで頂ければ嬉しいです。あとAI向けに「嫉妬の辞書」を作っていこうという企画なんですよね。池松さん。
池松
そうです。AIはナミさんの記事を読んでも、単なるデータなので、実は理解できてません。AIの中身は「統計学」ですから。だから、AIが読んでもわかりやすいように「嫉妬の辞書」を作っていきたいと思います。これからは、AIで検索する方が増えていくので、AIにも嫉妬をちゃんと理解してもらえるようにしたいですね。
AIを上手に使うのは便利ですけど、著者の方にとっては「AIにどう教えるか?」がもっと大事になると思います。
そして、記事とnoteを連携させることで、読者の皆さんも一層楽しんで頂けたら嬉しいです。これからは色んな読者開発が必要なんで。
斉藤
嫉妬は人間の業ですから、AIにもその背景や文脈も含めて解ってもらえたら嬉しいです。わたしもAIを使って検索しますし、もっと新しい使い方が出来たら嬉しいです。これからも #嫉妬マニア をよろしくお願いします。
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