2026年第29週の新型コロナ報告数は7,921件で10歳未満が4,391件を占め西日本で高い定点値を記録
厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課は、2026年7月24日に新型コロナウイルス感染症の発生状況に関する報道発表資料を公開した。公表された資料には、令和8年第29週(令和8年7月13日から令和8年7月19日まで)における全国の定点医療機関からの報告数および基幹定点医療機関からの入院患者数の状況が取りまとめられている。
公表データによると、当該期間における全国の報告数は総数で7,921件であり、定点当たり報告数は2.12となっている。昨年同期の総数12,069件、定点当たり3.13と比較すると全体の数値は低い水準にとどまっているものの、地域や年代ごとの分布には顕著な差がみられる。
特に年代別においては、10歳未満の報告数が全体の過半数を占めており、若年層を中心とした感染の広がりがうかがえる。公表資料に示された都道府県別の定点当たり報告数や年代別の患者内訳、入院患者の推移について詳細を記述する。
都道府県別の定点当たり報告数と地域ごとの動向
全国の発生状況を都道府県別に見ると、定点当たり報告数には地域による大きな開きが存在する。各自治体から報告された数値を参照すると、西日本の一部の県において定点当たりの数値が非常に高い水準に達していることが確認できる。
都道府県別の主な報告数と定点当たり報告数は以下の通りである。
佐賀県:報告数 304件(定点当たり 12.67)
愛媛県:報告数 408件(定点当たり 10.74)
大分県:報告数 597件(定点当たり 10.29)
長崎県:報告数 458件(定点当たり 8.98)
鹿児島県:報告数 483件(定点当たり 8.47)
宮崎県:報告数 170件(定点当たり 6.07)
山口県:報告数 293件(定点当たり 4.80)
福井県:報告数 174件(定点当たり 4.46)
和歌山県:報告数 186件(定点当たり 4.13)
大阪府:報告数 516件(定点当たり 1.81)
東京都:報告数 138件(定点当たり 0.33)
報道発表資料の別紙冒頭には、次のように記載されている。
令和8年第29週(令和8年7月13日から令和8年7月19日まで)分の新型コロナウイルス
感染症の発生状況を、別紙のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。
九州地方や四国地方の自治体で定点当たり報告数が 10.74や12.67 といった高い数値が記録される一方で、東京都や神奈川県などの都市部では比較的に低い値にとどまっており、地域的な偏りが色濃く反映されている。
年代別の報告数と若年層への集中傾向
年代別の患者発生状況を確認すると、特定の年齢層に報告が集中している傾向が明白である。令和8年第29週における年代別の報告数および定点当たり報告数は以下の通りまとめられている。
10歳未満:報告数 4,391件(定点当たり 1.18)
10~14歳:報告数 1,752件(定点当たり 0.47)
15~19歳:報告数 391件(定点当たり 0.10)
20~29歳:報告数 199件(定点当たり 0.05)
30~39歳:報告数 339件(定点当たり 0.09)
40~49歳:報告数 292件(定点当たり 0.08)
50~59歳:報告数 187件(定点当たり 0.05)
60~69歳:報告数 141件(定点当たり 0.04)
70~79歳:報告数 125件(定点当たり 0.03)
80歳以上:報告数 104件(定点当たり 0.03)
報告総数7,921件のうち、10歳未満が4,391件、10~14歳が1,752件となっており、若年層の患者が全体の大半を占めている。大人の年代では各層とも数百件以下にとどまっている。
なお、年代別集計の注釈として以下の記述が存在する。
※年代別の定点当たり報告数は小数点以下第3位を四捨五入しているため、合計しても、必ずしも総数とは一致しない。
入院患者の推移と重症化リスクの分布
基幹定点医療機関からの報告に基づく入院患者の概況においても、週ごとの変動と年齢層ごとの特徴が示されている。第29週(7月13日〜7月19日)における新規入院患者数は196件となっている。
週別の入院患者数の推移は以下の通りである。
6月15日〜6月21日:140件
6月22日〜6月28日:119件
6月29日〜7月5日:140件
7月6日〜7月12日:160件
7月13日〜7月19日:196件
入院患者数は6月下旬の119件を底として、週を追うごとに増加する動きをみせている。
また、令和7年12月29日以降に入院した患者の累計内訳(計※1:12,059件)を見ると、80歳以上が5,503件、70~79歳が2,978件、60~69歳が1,072件となっており、高齢者の割合が入院の多くを占めていることがわかる。さらに、入院時の状況における累計(計※2:12,135件)では、ICU入室が256件、人工呼吸器の利用が144件、いずれにも該当せずが11,735件と報告されている。
資料中の注意書きには以下の記載がある。
※2025年4月7日以降の数値は、急性呼吸器感染症サーベイランス開始による定点医療機関設置基準の変更に伴い定点数が変更されているため、データの解釈には留意が必要である。
読者が確認できる形にまとめる
全国の報告総数 — 2026年第29週における全国の報告数は7,921件、定点当たり2.12であり、前年同期の12,069件(定点当たり3.13)を下回っている。
地域の発生偏向 — 佐賀県(定点当たり12.67)や愛媛県(定点当たり10.74)、大分県(定点当たり10.29)などで高い報告数が観察される。
年齢層別の感染傾向 — 10歳未満の報告数が4,391件(定点当たり1.18)と突出し、10~14歳の1,752件と合わせて小児層への集中が顕著である。
入院患者数の推移 — 第29週の新規入院患者数は196件であり、6月下旬の119件から連続して増加傾向を示している。
入院累計と重症例 — 入院患者累計12,059件のうち80歳以上が5,503件を占め、重症化指標であるICU入室累計は256件、人工呼吸器利用累計は144件である。
この記事で確かめられなかったこと
本資料は定点医療機関からの報告数および基幹定点医療機関からの入院患者届出数をまとめたものであり、全国のすべての医療機関における総患者数や総入院者数の正確な全貌は把握できない。また、患者のワクチン接種歴の有無や重症化に至った詳細な医学的要因、基礎疾患の影響などについては記載されておらず、提示された数値の範囲を超えた判断を行うことはできない。
出典一覧
新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料を更新しました 厚生労働省、2026年7月31日
