逆転劇の裏に潜む課題と収穫。J2基準を問う琉球戦:100年構想リーグ第2節 鹿児島ユナイテッドFC対FC琉球
ユナサポ:仙太郎さん、明治安田J2・J3百年構想リーグ地域リーグラウンド第2節、鹿児島ユナイテッド対FC琉球の一戦を振り返っていきたいと思います。よろしくお願いします。
仙太郎:よろしくお願いします。

序盤の暗雲と「助けられた」展開
ユナサポ:仙太郎さん!琉球戦、逆転勝ちで熱い試合でしたね!でも開始1分での失点には肝を冷やしました。
仙太郎:そうだね。早い時間帯での失点は、昨年からの悪い流れを引きずっているようで気になった。琉球は鹿児島の高いディフェンスラインの裏を徹底的に狙ってきたね。鹿児島としては琉球がショートパスを繋いでくると予想していたんだろうけど、完全に対応に苦慮していた。
ユナサポ:先制された後も、ロングボールで押し込まれ続けて……正直、追加点を決められていてもおかしくなかったですよね?
仙太郎:その通り。琉球が決定機を決めきれなかったことに助けられた面は大きい。あそこで2点目を奪われていたら、試合展開は全く違うものになっていただろう。先週の宮崎戦では、その追加点で苦しくなったわけだから、そこは相手のクオリティに救われたと言わざるを得ないね。

試合の転換点:琉球の「謎」の戦術変更
ユナサポ:でも、前半15分を過ぎたあたりから急に鹿児島のペースになりました。何が変わったんでしょうか?
仙太郎:不可解なことに、琉球が上手くいっていたロングボールを止めて、ショートパスでのビルドアップに切り替えたんだ。リードしているから自分たちで時間をコントロールしたかったのかもしれないが、これが完全に裏目に出た。
ユナサポ:おかげで鹿児島得意の「前からのプレス」がハマり始めましたね!
仙太郎:そう。琉球はボールを運べなくなり、無理に繋ごうとするからロングボールを蹴ってもセカンドボールを拾えなくなった。時間が経つにつれての疲労もあって、押し上げができなくなったんだね。これで鹿児島がセカンドボールを拾って押し込み続け、前半終了間際の同点弾に繋がったわけだ。
そして後半は、DFラインを下げたことで安定してロングボールを跳ね返すことができた。ただその分、ライン間にはスペースができたので、時々琉球の選手がライン間でボールを受けると、前進されたけど、早く攻撃されたので助かったかな。琉球は押し込まれていたので、前線には選手が少なく、崩されなかったしね。ボールを保持して押し込まれた方が、鹿児島にとっては嫌だったかもね。

失点シーンと選手たちの動きを分析
ユナサポ:あの1失点目、細かい動きで見るとどう分析しますか?
仙太郎:いくつかの要素が重なったね。山田が前に出てクリアしたが、相手に当たって、こぼれ球をダイレクトでDFラインの裏へ蹴られて、その戻りが少し遅れて、最後は全力だったが、初動が遅れた分、間に合わなかったね。
そして青木が、そのカバーに入ったことで中央が空いてしまった。シュートコースは限定されていたから、そこはGK川上に任せて、中央のスペースを埋めてもいい場面だった。
そのGKの川上はポジションが1、2歩前過ぎたかな。そのせいで右に振られた時に、動く距離が長くなり、対応が遅れたね。ただそれでもゴールを防げていたかはわからないけど、少なくともゴールになる確率を下げられたと思うな。
ユナサポ:なるほど……。でも川上のポジショニングについては、本人のミスというよりコーチの問題だと仰っていましたね。
仙太郎:そうだね。これはGKコーチがしっかり指摘して修正すべき課題だ。ただ、それ以降は被シュート数も少なかったから、この試合だけで彼を評価するのは難しいかな。

光った選手達の力:福田、河村、稲葉、嵯峨
ユナサポ:同点ゴールと逆転ゴールの福田、凄かったですね!
仙太郎:見事だった。河村が右サイドを縦に抜けた時、本来河村について行くはずの琉球の選手のマークが甘くなって正確なクロスが上がった。それを福田がバックステップを踏みながら強いヘディングで叩き込んだ。後ろに動きながらあれだけ強いシュートを打つのは難しいよ。
ユナサポ:最初、右にいた福田は途中から左サイドに移って、さらに躍動していました。
仙太郎:2点目も河村がニアに動いてできたスペースに、絶妙のタイミングで少し遅れて入ってきて、相手SBの前で触ってのゴールは見事だった。
最初からのプランなのか監督の指示か、それとも選手同士で話し合って決めたのかは不明だが、明らかに左の方がやりやすそうだったね。結果2得点の大活躍だ。
ユナサポ:他の選手はどう見ましたか?私は稲葉がすごく効いているなと感じたのですが。
仙太郎:稲葉は今日も良かった。昨年までは攻撃面で物足りなさがあったが、今年は違うね。彼がどっしり構えることで、吉尾が高い位置でプレーできている。それと河村だ。

ユナサポ:河村、アシスト以外でも貢献度高かったですよね?
仙太郎:ライン間で受けて前進を助けるし、2点目ではニアに走ってスペースを作り、3点目では起点となるポストプレー。昨年はチャーリーやアンジェロッティに任せていた「組み立て」の役割まで広げている。それから新戦力の嵯峨が活躍したね。
ユナサポ:嵯峨もインテリジェンスを感じさせるプレーでした。
仙太郎:ドリブルで運んで相手を引きつけ、味方のためにスペースを作るパス。ライン間でボールを受けて、得点こそなかったが、ゴール前での決定的な仕事もできる。山口移籍の穴を埋める、彼の特徴がこの試合でよく見えてきたね。

ユナサポ:中山もプロ初ゴールを決めました。
仙太郎:新卒で鹿児島へ来てくれた、中山のプロ初ゴール自体は嬉しいよね。ただ今回は自分でマークを外してフリーになったというよりは、ボールが目の前に転がってきた面もあるので、手放しでは喜べないな。もちろんそれでも、あの場面でゴールの真上にゴールを突き刺すのは、簡単ではないけどね。
ポストプレーやサイドからのセンタリングなど、随所にいいプレーは見せてくれているが、自分でマークを外して、フリーにならないと長いシーズンで得点を量産するのは難しいからね。

昇格への「実感」と今後の課題
ユナサポ:逆転勝利で勝点3を積み上げましたが、仙太郎さんはまだ厳しい表情ですね。
仙太郎:勝ったことは素晴らしい。でも、琉球がなぜか自滅気味に戦術を変えてくれたことに助けられた部分は否定できないからね。
ユナサポ:J3では通用しても、その先を見据えると……ということですか。
仙太郎:その通り。J2のクラブと互角以上にやり合えるレベルにならないと、本当の意味での「昇格」は見えてこない。勝って兜の緒を締めよ、だね。

ユナサポ:厳しい!でも、だからこそ次節も楽しみです。
仙太郎:逆転勝ちで気分のいいサポーターの皆さんには、申し訳ないけど、この試合で勝つのが目的ではなく、このリーグ戦で優勝し、次のシーズンで昇格するのが最終目標だからね。
ユナサポ:仙太郎さん、ありがとうございました!
それでは最後に、全員でご唱和ください。
全員: 「チェスト、鹿児島ユナイテッド!」
※選手名の敬称は省略させていただきました
写真提供:あかつき。さん(@akatsukikk)
