【仕事術#7】『選ばれ続ける』仕事術 ~現役の3Dディレクターが語る本音①~ #ゲーム業界 #3DCG #仕事術 #キャリア #クリエイター #有料記事
春になるたび、まぶしい才能に出会う。
「こいつ、天才か」と思わせるような
若手が毎年この業界の門を叩く。
そして数年後、その多くが静かに
荷物をまとめて去っていく。
ゲーム業界で働き始めて25年になる。
3Dデザイナーを経て、
3Dディレクターになって10年が経った。
この四半世紀で、ツールは魔法のように進化し、
下からはとんでもないセンスを持った
若い世代が突き上げてくる。
完全な実力主義の厳しい世界だ。
そんな激動の中で、
なぜ私は「使い捨ての作業者」にならず、
今日まで生き残ってこられたのか。
答えは残酷だが、とてもシンプルだ。
「絵が上手いこと」と
「業界で長く生き残り、評価されること」は、
まったく別の技術だからである。
私はこれまで面接や現場の評価で、
数え切れないほどのクリエイターを見てきた。
そこで痛感する明確な違いがある。
技術は高いがなぜか評価されず消えていく人と、
技術はそこそこでも出世していく人だ。
技術書を何冊読んでも、
チュートリアルを何百時間こなしても、
絶対に手に入らないものがある。
それは「評価する側の生の声」だ。
このnoteでは、
私がこれまでの過酷な現場経験で生き残り、
何百人ものクリエイターの生死を見てきて
確信した「生存戦略」のすべてを明かす。
・ポートフォリオを開いた瞬間、
私が「不採用」の烙印を押す決定的な理由
・「ただの作業者」で終わる人間と、
「ディレクター」へ昇格する人間の残酷な境界線
・「こだわり」と「納期」の板挟みで
潰れないための、したたかな処世術
・クリエイターの命である心身を守り抜く
「戦略的な休む技術」
・「またこいつと仕事がしたい」と思う
最大の要因である「素直さと修正力」を説く
・「また次もお願いしたい」と名指しで
呼ばれるための即効性のあるノウハウ
綺麗な精神論は一切語らない。
ここにあるのは、キャリアの停滞期を力技で
突破するための、生々しく泥臭い
ノウハウだけだ。
「言われたものをただ作るだけの
都合のいい手足」として、
この先も消費され続けるか。
それとも、替えのきかない
「選ばれ続けるクリエイター」として
自分の価値を証明するか。
本気で現状を打破する覚悟がある者だけ、
この先の扉を開けてほしい。
第1章 採用・評価の裏側にある「データの美学」
面接官である私たちが、
ポートフォリオのどこを一番見ているか。
それは、データ構造の「綺麗さ」だ。
パッと見のクオリティは素晴らしいが、
いざデータを開くとアウトライナー
(階層構造)が「pCube1」から「pCube999」
まで名無しのまま羅列されている。
不要なヒストリが溜まりまくり、
少し動かしただけでクラッシュする
「地獄のジェンガ」のようなデータを
作る人間がいる。
見た目を良くするために無駄なポリゴンを
割りまくり、リギング担当(骨入れ)が
「こんなのウェイト塗れるか!」と
泣き叫ぶ構造。
断言しよう。
ゲーム開発は「チーム戦」だ。
ひとりの天才が作る重くて複雑なデータより、
仕様の制約をきっちり守り、
他人が引き継いでも絶対に壊れない堅牢な
データを作る人間。
現場はこういう人間を最も重宝し、
決して手放そうとはしない。
だから、ポートフォリオには完成画だけでなく、
必ずワイヤーフレーム(ポリゴンの割れ目)や
制作意図を添えること。
「なぜこのポリゴン数に抑えたのか」
「どうやって軽いデータでリアルな質感を
表現したのか」。
そのロジックを語れるかどうかが、
ただの「作業者」と「クリエイター」を
分ける最初の壁になる。
第2章 脱・作業者のマインド。「点」から「面」へ
「言われたものを、
言われた通りに作りました!」
若手からよく聞く言葉だが、
これに満足しているうちは三流だ。
ただのデザイナーからディレクターへと
壁を越えるには、視点を「点」から「面」へと
引き上げる必要がある。
自分の担当箇所(点)しか見えていないのが
作業者。前後の工程やプロジェクト全体(面)
を想像できるのがディレクターだ。
プランナーがこのキャラに
どんな役割を求めているか。
アニメーターが剣を振らせる時、
肩のトポロジーはこれで破綻しないか。
プログラマーが実装する時、
処理落ちの原因にならないか。
もしデザイン画の装飾が
あまりにも重そうなら、黙って作るのではなく
「ここの揺れモノ、処理負荷が高いので
テクスチャで表現しませんか?」
と提案できるか。
全体を見渡し、他部署の都合を
理解しようとする「越境する姿勢」。
それこそが、あなたをAIにも海外の
アウトソーシングにも負けない
「替えのきかない存在」へと押し上げていく。
第3章 処世術とジレンマ。「80点」の勇気を持て
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