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二十九、三十

#創作大賞2024
#オールカテゴリ部門

クリープハイプの「二十九、三十」がリリースされたのは2014年。
ちょうど10年前。私が20歳の時か。
当時、この曲のラスサビ前の歌詞にどっぷり共感して、
自分が30になる時はもっともっと現実味を帯びるのだろうと思っていた。

嘘をつけば嫌われる
本音を言えば笑われる
ちょうど良い所は埋まってて
今更帰る場所もない
現実を見て項垂れる
理想を聞いて呆れかえる

何と無く残ってみたものの
やっぱりもう居場所はない

もしも生まれ変わったならいっそ家電にでもなって
空気清浄機とかなら楽してやっていけそうだな
何も言えずに黙ったまま空気を読んだ振りをして
遠くから見てるだけの俺みたいだし

二十九、三十/クリープハイプ

基本的に、多くの人に好かれるより誰からも嫌われたくないと思ってきた人生だった。
でも、どんなに気を付けていても無意識に人を傷つけていたし、逆も然りで。
大切な人が突然、目の前から居なくなる経験を何度か重ねた。
もしかしたら、もう”出会い”よりも”別れ”の方が多くなっていて、
誰かと別れたことにも気付いてないんだろうな。

小学生の頃、似たような服を2日続けて着て行ったら、
「先生、この子昨日と同じ服着てるー。」と言われたことがあった。
大人になった今、洗濯もせずに本当に同じ服を着ていたとしても、
(特徴的なデザインでない限り)誰も気付かないんだと思う。
それくらい人は他人を見ていない。

社会人2年目くらいの時に上司が言っていた。
「同じチームメンバーでずっと働けることは殆どないんだよ。」
その上司も数年後、遠くの街に異動になった。
優秀な人が抜けたって、組織は回り続ける。
居場所なんて、初めから無い。

これはとてもマイナスのことのようだけど、それで良いんだって気付いた。
人の目を気にして自分の居場所は此処だと過信するより、
そんなの気にせず自分のやりたいことをやって、
自分が今過ごしたい人と時間を共にすれば良いんだ。

勿論、無闇に人を傷付けたり迷惑掛けたりは、やっぱりしたく無いけど。
人から「気にしすぎだよ」という言葉を幾度と掛けられてきた自分としては、
だいぶ変わったと思う。

前述した歌詞の鬱屈した気持ちはあるにはあるけど、
30になった今、20歳の頃の胸にツンと刺さる感覚とは違う。
だから、「前に進め」と歌ったんだな。それがやっと分かった。

これからもきっと自分の思考に絡まるだろうし、
また新たな環境になったら周りのエネルギーにやられることもあると思う。
私は前に進めるか、未だ分からない。

それでも、”自分でいる”ことを続けられたらと思う。


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