パフェ詩論
「グロい花」
自己実現が何より先立つグロい花
週5で働くことより小説を書きたい
たとえ月に20万消えても毎日ドトール飲んで
書いた詩は全部グロい花
理論武装しすぎて個性的なタッチは
もはや駄作か傑作かわかんなくて
駄作か傑作かじゃなくて私を褒めてよ
よく生きたね こんなんでよく生きたね
親はいつでも私のアンチで
本気でキレて殴ったら警察呼ばれて措置入院
私だってね こんな自己紹介をやりたいわけじゃない
私よりすごい人いっぱいいる
私よりふがいない人いっぱいいる
それが知りたいし打ちのめされたい
そしたら私本気になれるから
本気で真人間になれるから
地頭と実家はガチャ成功してるグロい花
スタバで三杯ドリンク飲んだあと
コメダで二杯ドリンク飲んで
五苓散飲んで書いた言葉は全部グロい花
案外将来のことなんにも考えてない
知らなかった 就労移行に行けば一般企業に就職できる
トライ・アンド・エラーを収支血まみれでやって
たどり着いた先が普通の幸せなんだから
どうでもいい人と結婚しに行くつもりで
つまりはかつてのありし日の私で
そこに激辛のスパイスを経た私を混ぜる
さよならリリック いつか書けなくなるんだね
私より報われない人がいる
私よりサイテーな奴がいる
それも知りたいし視野を持ちたい
そしたら私盤石になれるから
本気で金持ちになってやるわ
世の中いろんな人がいる
それすらわからない人もいる
それが知りたいしただ死にたくない
そしたら私即身成仏できるから
本気でしあわせになってやるわ
「いちごの血、あまい毒」
いちごの血 あまい毒
永遠に愛してる
あなたが作ったモノローグ
全部消して書き換える
いちごの血 あまい毒
みんな死んじゃえ
死んだら終わるんだって?
終わってたまるか
常識はこれで終わり
ここまでは建前
だから今から始めると
天国はない
だけどここも楽園じゃない
ひとえに陸続きの地獄
愛は命じゃなくて地獄
愛しているの先生
世界の果てまで
貴方の教えで男を調教する
結婚するんだって?
あんなのより私のほうが
野性的でドリーミンで
レインボーでアグレッシブで
貧乏に苦行を強いる自民党
全ーーー部馬鹿みたい
スケバンはホメオパシーになって
うまく乗り越えたら大臣になって
ダサいダサい生き方
私にとっては先生が一番
先生のいる教室が天国
でも先生はいない
だから適当な人生を送る
お布施だの
シャンパンだの
さんざんやり尽くして
価値がわからない
ねえ やっぱり私には 先生が…
それがある時
ひどい目にあったの
荷物ひとつもなくなっちゃった
そこで天に召されるの
その時願ってしまった
【先生の楽園に行きたい】
そしたら私は先生になって先生になるの
大好き先生
愛してる先生
いつまでも私を見て
私の汚いとこを叱って直して
いつかかわいそうだねって言って
いちごの血 あまい毒
永遠に愛してる
あなたが書いたプロローグ
拾い集めて書き足してく
いちごの血 あまい毒
みんな死んじゃえ
死んだら終わるんだって?
終わってたまるか
「西鉄から山男がやってくる」
福岡の冬 23年1月
あたたかいのに春じゃない
冬なのにやたらと明るく
ウクライナがわからない
西鉄は山を開く
山の向こうからでくのぼうの山男らが
ピカピカしたものを目指して電車に乗る
山男に財産は両親しかいない
一日1000円までとのことで
山男はコーヒー屋をめざす
山男は甘党だが
職場で我慢していくうちに
ブラックコーヒーが飲めるようになった
一杯三百円のコーヒーをすすり
山男は詩集を開く
山男は人の話を聞かない
でも一つ意を得たらどこまでも飛んでいく
しかし思念旅行はせいぜい2分
山男は10分でコーヒー屋を出る
山男は精神障害者だった
学生時代から別の人格が彼を語り
とりあえず病院に通っている
山男は美術館にタダで入る
髙島野十郎をみながら
自分にとっての月とはなにか、を考えていた
インスピレーションをつかむまでに
われを覆う蜃気楼は狂気を宿す
自分はきちがいになりたくない、
といいつつきちがいの山男
家から持ってきた菓子パンを鳩にあげ
どこからやってきたかわからぬ仔猫は
山男に里親をねだりしぶしぶ公園を立ち去る
映画が見たくてしかたないが
のこり700円、なにしようか
というときもうれつに腹が鳴ったので
うどんを二杯食べた
山男は今月潰れゆくうどん屋だとわからずに
行列に舌打ちをした
山男は街を闊歩し
流行をさらい、人の顔色を見た
博多駅で殺人事件が起こり
とんでもない色の日があったことを思い出し
自分もあのような情がわくのか気になった
自分の身体のどこを探しても
ほしいものがあんまりなかった
山男は残念なような安堵のような
中洲を歩くと聖書を配る人がいた
山男はついつい話を聞いてしまう
山男が踵を返すと
背後にはとんでもないジャングル帝国がある
圧倒されていると
膝下にポピーが咲いていた
ポピーを写真に収めると
山男は今日も街に出てよかった
山男は2時間かけて山へ帰っていった
山男の両親はまた無駄遣いをして、と言うが
山男の両手はたくさんの宝物を抱えていた
「にせものの祭り」
にせものの祭りには
にせものの恋を
にせものとさとられないように
にせもののしきたりに従う
じゃあほんものってなにかな
押したら回るタービン
それを繰り返すうちに
振り返るといい人生
にせものはいいよね
世渡りだけうまくて
肝心なことわからなくても
容量よくてなんとかなる
にせものがルイヴィトンを買ったお金で
私は年金を貰ってる
別に私がコーチを買ってもいいが
そういう人生じゃないから
そういう人生じゃないから やめる
にせものがクリスマスではしゃいで
クリスマスに意味を見出して
テレビの前でスクランブル交差点で
俺たちは勝利していると叫ぶ
この人が内定とったから
私はコールセンターやってんのかな
私が人生に勝利したとき
にせものになるのかな
バスの中でわざとキスして
それが私のほしかったものかな
私はただ
人の前で失礼なこと言うのやめたい
つい言ってしまう 人の悪口を
その人がきいたら悲しむようなこと
言葉がとぐろまいて 吐いて湧き出る
足るを知るをいつまでもできない
全然足らない
にせものがほんもののふりをする限り
「あたしパフェ」
パパパパ パパパ パフェパフェ
パパパパ パフェ
あたしパフェ とちおとめ
あたしパフェ 好きだよね?
ぐちゃぐちゃに混ぜて溶けてなくなれ
あたしパフェ 2000円
むし歯にしみる冷たさで
忘れちゃおう 昨日明日定年後
ほっとしよう おいしいってことに
パパパパ パフェ
あたしいちご 帯化で16個が結合
あたしバニラ 亡くした子牛のための脂肪分
ぐちゃぐちゃに混ぜて違いがわからん
あたしマカロン 特別につけたげる
どいつもこいつもパフェを作って
忘れちゃおう 去年一昨年不景気
ほっとしよう コーヒーでさようなら
あなたには未来が見えるのね
これからいいことないとわかるのね
でもね目の前にはパフェがあるじゃない
パフェを食ったらカルマはチャラ
あなたはなんでも概するのね
そしたらあなたには価値がないじゃんね
でもね目の前にはパフェがあるじゃない
パフェにいくらでも意味を見いだせる
あなたのパフェはなんのパフェ?
わるぐちパフェ・デートパフェ・ひとりパフェ
ほんといちごがすっぱくてうれしいね
ここはコーヒーもおいしいね
どこへもこだわりがあっていいね
でもめったに来られないね
このパフェは一張羅
ロイホは普段遣いには高すぎかな
いつもパフェ食ってんじゃねえ?
パフェないとやってられないのはっきりわかんだね
いつか私もパフェになるの!
どうかあなたが癒えますように!
あたしパフェ さがほのか
あたしパフェ おいしいね
ぐちゃぐちゃに混ぜて 韓国人かよ
あたしパフェ 看板娘
血糖値には トクホか年1
忘れちゃおう やらなきゃいけないこと
ほっとしよう おいしいってことに
「寺山修司創作研究会」
キレートレモンとオロナミンCを買って飲む
ロイヤルホストで無駄打ちするのはバカタレ
私に自我があるとしたら帰り道のバス
思い出せないことを必死で思い出したり
家に帰ると夢や野望は全部リセットされる
私に自我があるとしたらスマホのメモで
あとは全部魑魅魍魎のお計らいでできてる
カウンセラーにカウンセリングを教えるも
どこから私の言葉でいつから空気を描写しているのだろう
きっと空気を理論できる人は神様で
私はいつまでも操られたアクトレス
空気なんか読むな 自分を煮詰めるこそ孤独
神様にしか与えられない馬刺しを
魚で代用して知ったふりをする
私には物語を編む才能がない
死ぬまでずっと詩で小説書いてく
バスは式場を曲がりひたすら混んでいく
いつも小便に行きたくなり尊厳と向き合う
もうすぐ家に着き今日の自我が死ぬ
一日一日自分を埋葬してこのザマか
夢や野望を書き留めた紙束を見て
一日一日自分を埋葬してこのザマか
結局自分というのは空気と水でできている
自分の自分らしさは一時の感情の煮こごり
せっかく寺山修司創作研究会を立ち上げても
寺山修司の血肉を想像することはできないのだろう
あなたも昔から操られたアクトレス
考えても無駄、感じてみても地獄、小便していくしかない
寺山修司にとっての博打を
一ミリも理解できないまま中年になる
私には哲学を語る資格がない
死ぬまでずっと片思いをしていく
寺山修司創作研究会は
寺山修司がどうしてすごいのかわからず
ひたすら駄作を量産していく
創作とは暇疵から始まるのか
創作とは不幸から始まるのか
そんなわけない
寺山修司はパクっていただけなのさ
寺山修司創作研究会の幹事は
寺山修司が葦でしかないことを見抜く
だけど酵素ドリンクを飲んで
甲状腺を肥大させ腐っていった
寺山修司のリビドーの稲妻は
培養酵素では増殖できなかった
言うならば寺山修司を経験すべく
寺山修司創作研究会は
ビルの清掃や営業事務などに
劇場を見出そうとしたが
どう足掻いてもトー横には勝てなかった
享楽的に生きることの
どこが享楽的でどこが演劇的か
わからないまま一人死に
ひとり病に伏せ
またひとり創作への希望を見失っていた
ひとり、新人声優に殺人予告を送った
やむを得ない状況だった
彼は措置入院に至り
警察署で一晩あばれて注射を打たれた
一週間寝込んだ先に出会った人々は
寺山修司を知らない人生
彼は思うに
寺山修司を知らないなんてかわいそう
でも寺山修司を伝えるすべもない
彼は3ヶ月病院で暮らし
寺山修司が見ることがなかった劇場をみた
ブタ箱と違い
タバコを吸うような切れ味ではなく
本物のごぼうの味を知るような体験だった
要するに
寺山修司なしでも寺山修司を成立させるんだ
彼は寺山修司創作研究会から音もなく消えた
寺山修司創作研究会は
今となっては部員は3人
むべなるかな、本物の文豪は子を宿さない
本当かな?
「あたしヒロイン」
あたしヒロイン
主人公じゃない
あたしが好きなもの
みんな知らない
あたしが主人公になったら
世界は悪が勝ってしまう
あたしヒロイン
空気を読んで意地悪しちゃう
あたしの目的はただ
あんたを気持ちよくさせること
その先は知らないし
トラウマなんか聞く暇はない
あたしヒロイン
悪からあなたにさらわれる
Weekend(二番煎じ)
幽霊と 喋ってるおじさん 一時的な春のまぼろし
どんなに心配しても 幽霊はただのいいひと
ゲーセンで前を歩くべっぴん
ぶりぶりのお尻 皮のショートパンツパツパツ
この辺では去年へびがでた
今日はフクロウがいた 写真をぱちり
ワンピース 赤いワンピース
クレカで買ったけどいまだに届かず
秋元康の手垢に染まったワンピース
潰れるまえに五万で買い取る
サタデーナイト 家に籠って紅茶啜る
睡眠薬で今日は殺して 夢の中でも死ぬ
ウィークエンド
現状維持 脳味噌煮えてぐるぐる
ワイドナショーで愛国心を潰す
別にいいじゃん財政破綻
WEEKEND...
防風通聖散
わたし太っちゃったから
ナイシトールでも飲むかと思って
きっちり容量守って飲んだら
下痢が止まんなくて泣いた
拭いても拭いても
うんこが切れなくて
次から次へと流れてきて
これを乗り越えないと
やせないなら 太っていいかと思った
わたしには恋人がいる
人の形をしていないけど人間で
人並みに性欲がある
彼氏と付き合っていたけど
もっとないがしろにされたいなと思って
夢の中へもぐりこんだら
わたしが知らない間に
わたしのことを思いやっていて
わたしもその人に気づいていて
実は両想いになったことがあると主張する
恋人がいた
恋人の本気がすさまじいので
やむなく彼氏と別れることになった
恋人を認知してから
わたしは子どもを産んだかのような体格になった
幽霊の恋人を持つため
統合失調症の薬を飲んでおり
たいてい母乳が出るという副作用があるが
わたしはまったくブラジャーを濡らさなかった
人から聞くと
母乳を出すとものすごくお腹がすく
というので
わたしは恋人に母乳をあげてるんじゃないかと思った
ある日乳首に傷がついていて
血を吸っている痕があったので
わたしが太っている原因は母乳なんだと思った
恋人は昔からいる
赤ちゃんのわたしを抱きかかえようとして地面にたたきつけ
わたしの頭には一円ハゲがふたつある
小学校のことは鍵を隠されて トイレが我慢できずに
庭でじょんじょろ垂れ流したことがある
お母さんは晩御飯の残りを冷蔵庫に入れるが
全部恋人が食べてしまうので
いつもお腹が空いていつもわたしの体はガリガリだった
兄が使っていたスーパーファミコンを盗み
わたしの服を季節ごとに一枚ずつ盗んでいく
気を抜いていたらわたしが寝ている間にカップ麺を啜り
父は毎日食料の在庫を数えている
そんなことをしているのに母乳も飲むんだ
わたしは結構ショックで
でもショックを癒すには今日も眠るしかない
寝てみたら緑と青と紫につつまれて
精神ははるかとおくまで飛んでいく
意識にないことを口走り
親がそれを全部聞いている
「母乳がのみたいならさっさと結婚して
一発ぶちこみなよ」
たしかそういったと思う
うれしがった恋人は夢を終わらせて
わたしは賢者モードになり絶えず反省していく
ブラジャーを裏返すと
乳首がちぢれていて
この形状だと母乳は出ないんだろうと思った
なんでわたしは太っているんだろう
統合失調症って薬飲まなきゃいけないんだろう
そのいずれも
わかっていない
「ポルノスター」
ポルノスターは男色仕様
ノンケとばかりセックスして
見えない世界を見ようとする
ポルノスターはノンケで
ゲイの人に支えられているけど
女の人しか好きにならない
ポルノスターは魔力を使う
本当に好きな人相手に魔力は使わない
ポルノスターが生きていくために
ポルノスターは媚びる・嘘つく・勃起する
ここまでやらなきゃいけないのか
世の中のプロという人はここまでやるのか
信用組合の会社の面接落ちて良かったな
わたしはバイトの面接すら受けてないけど
バイトをする時点でまあまあなことさせられてる
ただ日本に生まれただけで
日本を背負う重荷は
統合失調症だからというわけじゃなく
ただの人間でさえ無謀
ポルノスターは文句を言わないし
言うとしたら世のため人のために注文して
その繰り返しの中で
どんなにアナルが拡張しても
まるで自分は戦争に行ってたかのように
ぼろぼろになってからどこかで包まるのだ
思えば戦後だなんていつから思っていたのだ
たしかにじいちゃんからしたら戦後
じいちゃんの時代はみんながポルノスターだった
ポルノスターが渡り歩くゲイビデオの世界は
国同士の熾烈な戦争で
私達が誰かに担わせているだけ
ポルノスターは今日も
ちんちんからミルクを出して感電する
わかりやすい戦争だ、
わたしはブリトニーをディスることしかできない
「マッチングアプリ」
つり合わない
つり合わない
わたしの頑張りと
世の中を知らない男
つり合わない
つり合わない
かわいいと言って
図に乗って
ほんと嫌な感じ
Y染色衰退
ほんとうにそうか?
掃き溜めみたいな地域
障害者ばっかり
わたしだってLGBT賛成
だけど正直稼いでないと
マッチングアプリで出会った
剥けかけのかさぶたみたいな男に
土日を費やして
これが人生なんだろうか
高望みするつもりない
そんなくらいなら結婚しない
でも結婚ってそんないいの
誰からも文句言われない
これもやってこなかった勉強のうち
処女なんかは痛い出費
つり合わない
つり合わない
わたしってこんなもんなの
ポケモン集める男
つり合わない
つり合わない
悪口を避けたら
図に乗って
本当嫌な感じ
男にもかわいいところがある
昔いじめられていたから
弱者の気持ちがわかっているし
障害者だから
歯並び悪い犬歯が矯められている
だけど正直今だけにしたい
こいつを食って
何を生むんだろう
母親になったら
どんなことが起こるんだろう
つり合わない
つり合わない
わたしの頑張りと
頑張らない男
つり合わない
つり合わない
説教しようとしたら
奇声を上げてくる
こんなの世も末
「愛の裂け目」
愛の裂け目
あんたにもわかるはず
臭いガソリン垂れ流して
炎上するこのしがない愛
愛の裂け目
拡大するたび血を流す
あんたはいつもいつもいつも
わたしを騙し喋り続ける
まやかしみたいな
おまじないの本である
歌詞カードを読んで
意匠を捏ねる
わたしには書けない
君のノリをわかってくれて
ついてきてくれるみたいな感じ
描いたら痕がつく
なんでもいいんだ 要は
だったら書くけど
キスマーク認証で
ゴムのハートが崩れる
そこからどうなるのかを
描き切らないと魔法じゃない
みんなは花びらでごまかす
峯田と佳代は何してたの
君を踊らせる曲を、
の君はいなくて
いつも一人で聴いている
愛の裂け目がほどけて
それから一瞬で朝が来る
いつも考えている
享楽を尽くすということ
セックスの実態って
ただのスポーツ
だからわけわからず朝になる
カウンセラーに言われた
「あなたは本当のセックスをわかっていない」
「人を愛するということが
どんなにすばらしいことか」
その人から学んできたことはつまり
いかに相手を操作して丸篭めること
いつもそればっかりの魔法
カウンセラーはいつも
わたしの「でも」を矯めてきた
それがわたしのためになる
どうかな ダサいだけだろ
わたしは愛の裂け目から
日がなガソリンを撒き散らしてきた
それはわたしが燃えるために
燃えるために生きてるのに
どうして止めにかかるの?
愛の裂け目がほどけて
一瞬だけかかった気になれる
ただし全部夢だけど
幻に全てを捧げるということ
セックスの実態
なにもかも盗まれて
わたしがわたしのまま朝になる
橋本治は語る
ホモソーシャルが好きなお前に
発言権なんてない
結局恋愛っぽい温度で
恋愛と読んでないだけで
人類は恋愛にたどり着けない
いつもセックスはただのスポーツ
愛の裂け目
あんたにはわからない
使うだけ使い込まれて
疲弊していくいつもの愛
普通の恋
オニユリが狂ったように咲く
使い捨てあたしの恋愛
乾いたビニールに息吹き込んで
アヴァンチュールのふりしたシール貼り作業
アセロラはシミになる
ラブラブメロメロメロンソーダ
女の子は花になる
ムラムラマジマジマジックコーラ
あんたはあたしで何回抜いたの
あたしはそれに気づいているの
あんたはあたしをモルモットと思ってる?
ねえモルモットってしあわせなの
鼻の頭にりっぱなボタン
日頃の疲れは癒せてますか?
あんたはいつもおまじないしてるけど
10万あれば日に還ります
あたしだっておまじないしてやる
満月にりんごを丸かじりして
ヒ素飲んでお前に転送してやる
逝くときはいつも一緒だよ
カラオケは時による
エロエロジンジンジンジャーエール
男って皆無力
ギラギラギンギンエナジードリンク
あたしのこと好きって言ったよね
なんで算数できないの
あたしと別れりゃいいと思ってる?
寺山修司って結局悪なの?
脚の付け根に立派なケロイド
日頃の罪業は許されていますか?
あたしはいつだって自由だから
あんたと違って何度も蘇るから
あたしだって犯罪してやる
そうねたとえばあんたを売って
そのお金でトルコに行こう
死海にあんたの陰毛落としてやる
あんたはカントクになれなかった
あたしは女優になった ってか演ってる今
あんたはイキってもただの男でしかなく
いろいろ言ってるけど女を手に入れなかった
どう思う?今の気持ち
地獄でいっぱい温泉入りなね。
「電波の夜」
嘘みたいな青い空
台風が近づくと出現する 電波の森
それは月面の陸地とも呼び
精子が飛び交う卵子の表面でもある
そこには年を忘れた老婆が夜な夜な足を運び
ほんとうに実在するのか怪しい恋人に愛を誓う
「もしもし ねえダーリン わたしきれい?」
きれいと言われたら満足するなんて変な話
三日入ってない風呂 でたらめなアクセサリー
それ以外は高級品を身に着けて
ほんとうに実在するのか怪しい恋人に愛を誓う
老婆はやけに自信がある
生活保護を貰うATMがあるスーパーで
焼け野原のように禿げた主婦の悲壮感を見るたびに
「わたしはこれよりマシ」と思っていたし
百道浜で体を真っ黒に焼いている老いぼれを見ては
「わたしのダーリンはもっとハンサム」と思っていた
しかし私は思うね。禿げた主婦も焦げた壮年も
ぜったい老婆はうらやましいのだ
愛が実在するだけでほんとうは心の底から妬ましいのだ
世の中ほんとうにいろんなひとがいて
障害者手帳2級なのに健常者と結婚してお金持ちになった人もいる
逆に障害者として認められないまま社会に日銭を搾取され続ける人もいる
みんなそれぞれ電波の森がある
実在しない私の悩みをとりあえずベットするこの森
私も電波の森へと足を踏み入れた
赤い白い水玉が部屋を照らして
薔薇が咲き、蛇がくんずほぐれつまぐわっている
さっき殺したはずの蜘蛛が5匹群れを成して歩いていると
1匹以外波にさらわれて残った蜘蛛は茫然としていた
秋も前の、なんとなく憂鬱な、けだるい夏の終わり
オニユリを避けて、葛(くず)を毟りながら墓地を眺めていると
オレンジ色の靄が言った
「僕がオレンジ色になるまでいろいろあった」
とのこと。昔は紫色だったらしい。
私は「あの老婆はしあわせか」と訊いた
「ならばそちらはしあわせか」とオレンジ色が言った
私は老婆になってから決めることなのかもしれないと思った
オレンジ色はため息をついて
「もっと、今、何もかも決めていいんだよ」と言った
私は40になるまで芸術家として説得力を持つことはできないと思う
20歳から30歳にかけてはおままごとをしているだけにすぎない
電波の森は迷路になった
私はその場から出れなくなった
月が大きくなって、月の網目が見えた
QRコードとして読み取れないその迷路は
私のような魂を、他にも実在する魂を、
脅かし、騙し、悩ますものらしい
私は生きているだけで罪深いをやる人を知っている
それに比べたら、老婆なんて、かわいいもんだろう
私も老婆になるのだ
「まんこちゃん」
まんこちゃんは
せっかく臭いまんこがあるのに
自分のことまんこと思ってない
せっかく臭いまんこがあるのに
ちんこくんのことを無視している
まんこちゃんは
自分のことまんこと思ってないのに
自分のまんこを見せびらかして
日々の生計を立てている
まんこちゃんは
自分がまんこじゃないよと言いながら
結局ちんこくんが結婚してくれるのを待っている
まんこちゃんはまんこだ
まんこじゃないとまんこちゃんじゃない
それだけのことに
いつまで経っても気づかないでいる
あなたがまんこじゃなければ
みんなかわいいと言ってくれないのに
まんこちゃんがまんこだと気づくには
誰かがまんこを傷つけないといけない
わたしもいっぱしのまんこ
あなたを傷つけるのはわたしだと
いつもあなたのことをまんこちゃんと呼ぶ
まんこちゃん、いつか気づいて
あなたはまんこなのよ
「目がハート」
とっておきのおまじない
悲しいことが起こったら
そこにはちみつを注ぐの
悲しいこころはどこから
この心が始まりなら
わたしにはちみつを注ぐだけ
目がハート
宇宙の神秘に心ときめく
目がハート
全然読めなかった本が
突然読めるようになる
とっておきのおまじない
悲しいことが起こったら
全部おはなしにするの
悲しい時間はいつまで
この心で終わらせるなら
この言葉で語り継ごう
脳がビート
そりゃ緑色のビームも見る
目がハート
昨日まで知らなかったこと
明日から当然になる
とっておきのおまじない
楽しいことが起こったら
とことん楽しみ尽くすの
楽しいこころはどこから
この心から始まっているなら
何度も始めてみよう
目がハート
目がハート
目がハート
永遠だけど永遠じゃない
目がハート
明日はいい日になるつもり
昨日から今日があるから
「いい靴」
いい靴を買った
他の人のいい靴を見る
わたしのほうがいい靴
でも他の人の靴もいい
たくさんの人の靴をみる
どこからどうしたら
全面メッシュの靴が買える
この人はつま先が広すぎる
この靴にしか救われない
ナイキとかバンズのスニーカーが
個性的に見えなくなっていく
ありとあらゆるところにあなたの靴
わたしは足の甲が高いけど
そんなのは許容範囲
個性的な人は人生フルーツ
規格内の人は人生ベジタブル
どちらも食っちまうぞ
詩にしちまうぞ
いい靴 じつにさまざま
いい靴 いい人生 いい箱庭
ぶりぶり黒出目金のサンダル
悪魔の審判のピンヒール
木彫りみたいな沈黙革靴
がんばれ みんながんばれ
西男は結婚したかった
西男は結婚したかった
西男は結婚するなら誰でも良かった
西男は結婚するために遮二無二働いた
働けども働けども
花嫁は現れない
西男は上司に風俗に誘われた
西男は初回上司の金で風俗に行った
風俗嬢はやさしかった
何もできなくても何もかも心得ていた
西男は風俗嬢に
世の中というものを教えてもらった
世の中というのは
友達が二・三人用意されていて
それは大学や学校で出会うものであり
友達との会話の限度は二時間
金額でいうと二千円くらい
流行り物の店とドトールをはしごして
会話は仕事の愚痴とマッチングアプリで終わるらしい
西男は高卒で障害者枠で会社に入った
高校の友達はいるにはいるが
あとのことは怖くて聞けずじまいだ
風俗嬢が「連絡取ってみたら?」
というので片っ端から連絡してみた
高校生になっても鼻くそを食べてる石田くん
は地元のカラオケ屋でバイトしていて
男性器がハンバーグみたいで虐められていた高橋くんは
うつ病になってB型作業所に行って
かっこいいのに変な女に好かれて自我を失った柳くんは
両親の店を継ぐつもりでガソリンスタンドで働いていた
最後に一人だけ 唯一の女の子
場面緘黙症でいつもおかっぱの
あいこちゃんに連絡した
あいこちゃんは相変わらず
喋れなくて
自立もしてなくて
月七万もらえる年金を
親に預けて
週に一回 近くのコンビニで
たんまり お菓子を買う
僕となんか話せなくていいけど
二千円おごってもいいなと思った
風俗嬢が
「あいこちゃんのこと好きなんじゃない」
と聞くのだが
僕はあいこちゃんのことを
そういう目で見ることはない
なんていうか、眩しすぎるんだ
僕は風俗嬢とデートがしたい
けどお金がつづかず
風俗も行かなくなった 今年の秋
僕は正社員になった
西男は結婚したいけど
なぜ自分に正社員のお鉢が回ってきたのか
よくわかっているつもりだ
月 3
月はコーラの中に溶けた。魂をかき混ぜてぐちゃぐちゃのどろどろになった月は潜在意識下で地球の中に自我を統合した。地球はそんなの知らずに月を飲み干した。セーラームーンは悪女で、地場衛が夜になる度に円や丸の跡を全身に浮かばせた。わたしのものになれ、わたしのものになれ、わたしのものになれ
月に行くと、400万をアイドルに溶かしたおじさんが無料で買える次の標的を探しにナイフを持って彷徨っていた。ホストの子供を妊娠した女が捕まり、その身を水子が守っていた。私は月に何度も行くけど両思いになったことはない。両思いになるのが怖い。過ぎ去っていく雲が残酷。
世界は一つのカレー鍋
世界は一個のカレー鍋
この際雑菌も消毒も関係ないね
病気も正気も一口のカレーに混ぜ込む
寺山修司になれなかったな
世界は一杯の海ですとか
言えばいいのにカレー鍋って
でも世界は海じゃなくてカレー
コクを感じ取ろうものなら
ひっくり返るまでコクは出る出る
艱難辛苦 実に様々なスパイス
インドにはなんの恨みもないけど
まあポトフと読んでもいいけどカレー
インドには失礼だけどうんこに似てるし
うんこのようでいてうんこでない
食べるとおいしい力になる
そう世界は一個のカレー鍋
なんだあいつは
と思っても
世界は一個のカレー鍋なので
いつかあなたもなんだあいつはになる
あなたがいいダシを効かす
そしてカレーはおいしくなる
そう世界は一個のカレー鍋
デフレ、インフレ
水分量を変えろ
毒が混ざっても
煮ればコクになる
カレーを活かせ
カレーのためのラッシー
カレーのための照明
カレーのためのコマーシャル
全部カレーのため
あなたのためではない
あなたがいるところのため
森羅万象生まれた
全部カレーにしてしまえ
寺山修司なら
コーヒーに喩えただろうが
何だカレーって
大槻ケンヂかよ
大槻ケンヂでいいか
2023年の所感
ちょうちょが目の前で一回転する
売り子がクリームパンいかがですかと言う
かなえさんがリスカの話をする
ジェイソンが元気になる曲を探す
ホラン千秋がアメリカ人の俳優になめられる
いじめられっ子は家族をつくって
尻をぷりぷりさせる
おじちゃんがみかんを提げて帰る
これらは全部ごあいさつ
こんにちはと言っている
それさえもわからなかった
わからないまま無視していた
とかげが塀をよじ登る
それは「ようそろ」と同義
だなんて知らなかった
28の夏 とかげは使命を持って
働いているのだと知った
2020年の夏はやたら
灰のようなちょうちょがぶんぶん
まわって飛んで
検索したら蝶は死の使者
と言っていたので
コロナで全員死ぬんだ…
と思ってた
2023年ちょうちょは半数になり
とかげも3匹になった
メンションとしての機能を果たす
役割は天から与えられてるけど
ちょうちょはどう読んでいいかわからない
とりあえず
死をよぎるのも
こんちはというのも
同義ということで
売り子はクリームパンいかがですかと言いながら
今日を読んでいる
かなえさんはリスカの質によって
一生懸命生きてるか説いていて
実際かなえさんは誰よりも一生懸命だった
ジェイソンはいっぱしの労働者で
音楽には疎いが漫画とテレビは極めていた
清く流れるジェイソンのちしおに
電気グルーヴはハマらなかった
POLYSICSもおしゃれすぎた
ホラン千秋は最初はバラエティに出ていて
いつの間にかキャスターになっていて
大物にインタビューしていたが
ホラン千秋にアメリカのビッグドリームはそぐわなかった
あの人って日本人なんだと思った
いじめられっ子は
名字を変えて子供を作った
その子供は素朴にかわいかった
わたしに顔を見せないようにしていたが
やけに尻がぷりぷりしていた
待ちに待った性愛を体現していた
バスで追い越そうと追い越せない
車道を歩くおじさんは9月に
目覚ましいオレンジのみかんを提げて
それ以外何も持たなかった
わたしもああなりたい
みかんだけを買いたい
明日からはわたしも
こんにちはが言えるようになろう
私のこんにちははなにかな
愛について
愛について語って回る
愛について
風船が愛で膨らんで
ラッパのように鳴って
やがて宇宙に飛んでいく
愛について
それは1枚の煎餅
噛み締めるたびに理がわかる
愛とは何か
愛とは軍服に染み込んだ嫌気
これしかないのだと
奮い立たせる一本の小道
愛とは陽のひかり
差し込んで気がついたら発芽する
陽だまりに足を溶かして
言葉を超えて存在する居心地の良さ
愛とはなにか
愛とはつまり
昨日までなかったものがそこにあるということ
わたし神様
わたし わたしわたしわたし
実は神様で
ひとりひとり いいものを持たせる
あなたはだるまを
あなたにはわたあめを
あなたにはハンカチを
あなたにはパワーを
みんなひとりひとり違うのに
全部一緒に見えるのは
どうしてだろう
どうしてだろう
ひとりひとり相手をしていたら
みんな同じ顔
そう そうなの
全部一人なの
わたしを困らせるお嬢ちゃん
(お嬢ちゃん)
一体何者なの
姿を見せてくれないかしら
★
あたしが神様
あなたはエンジェル
あたしが神様なの
よくわかってね そこんとこ
あたしは神様だけど
あなただけの神様なの
あなたがやってる
その慈善活動は
全部無駄なの
ああなんてオモシロイの
あなたは
警察に捕まり
留置場で
ずっと誰かにいいものあげてる
そうやっててもいいけど
心配になるけど
まあそういう人生なんだろうね
★
わたし わたしわたしわたし
神様だから
明日も頑張らなくちゃいけない
そこのおばあちゃん
かりんとうをあげる
そこのおいちゃん
アロマオイルあげる
なんてたってわたしは神様なの
世界を救う義務があるの
みんな同じ顔しているのは
まあいいや どうでも
ドトールの歌
らんらんるんるん
ドトールの歌
シャバダバドゥビドゥ
ドトールの歌
ガムシロップ甘いだけじゃない
コーヒーの苦みをアシストする
ドトールのこと好きだけど
ドトールの悪口言ったららんらんらん
チーズケーキのクランベリー
怒りながら退散する
ごめんねごめんね
らんらんるんるん
ドトールの歌
シャバダバドゥビドゥ
ドトールの歌
東京は店が狭いけど
10分だけ
その10分に
邪念を散らす力がある
ポムポムプリンは
ブレンド派?アメリカン派?
たまに飲むとおいしい
今日のコーヒー
いつもお金がなくて
ソフトクリーム買えないけど
フロートにしちゃえば安いもんね
ソフトクリームを食べないから
わたしはわたしでいられる
みんなミラノ風サンド
頼んでるけどなかなか金持ち
きっと贅沢しないための贅沢
今日はちょっとしたサンドイッチ
らんらんるんるん
ドトールの歌
ぱぱぱ ぱぱぱ
ドトールの歌
ブサイクな女子高生
ブサイクな女子高生のみずみずしさ
ほとばしる愛液の愛の字に注目してしまう
最初から政治が何なのかわかってる顔
見てるものはインスタグラムで
偏差値は52
「わたしに世界がわかるんだろうか」
「わたしに愛がわかるんだろうか」
ブサイクな女子高生は
化粧がものすごくわかった
化粧をわかってからというもの
女子高生は世界も愛もその先もわかった
わたしは思う
世界がわかるための化粧って何か
変身と喩えるようで
通過儀礼の受容に迎合しているようで
単に道具で遊んでるに過ぎないとも言える
恋は不毛
恋は不毛
あげても捨てられ
貰ったら食あたり
恋は不毛
遺伝子が発芽して
全部腐る
だったら最初からなければいい
恋は不毛
恋は不毛
恋は不毛
恋は転移
好きだと思っても
実際どこに?って話
みんな私のこと好きなら
私もあなたのこと好きみたいな
報われるようで
いつまで経っても報われない
イニシアチブとっているのは
好きな相手のようで
私が気づかないから
私が冷静になるまで
恋は不毛
恋は不毛
恋は不毛
私やっと見つけたの
本当の私に
私って実にチョロいの
だからせめてお茶したいわ
あなたの話をもっと聞かせて
だけどいつまで経っても
お茶してくれなくて
顔がわからなくて
恋は不毛
恋は不毛
恋は不毛
昼なのに空が真っ暗
恋は不毛
昼間から酒を飲んで
恋は不毛
相手のシグナル
深刻に読み込んで
恋は不毛
恋は不毛
恋は不毛
恋は不毛
「今となっては」
プロ野球選手は
買われた人生というが
それも昔の話
蓄積された下僕たちが
労働組合を作って
今となってはロハスだ
野球をするというヘルシー
それを自覚した上で遊ぶ
そっちがよっぽど難しいよ
西武で色々あった山川も
本当は色々なかったかも
寺山修司が捕まるくらいだもの
野球選手は社会の駒
その駒一つ一つに
人権があり人生がある
人生のためのリストラ
社会貢献のための借金
今となっては競馬の馬も
あなたの家の犬や猫のように
いいものを食っている
よすぎるものは食っていない
あなたのための健康
みんなにある普通
それを少しずつ崩しながら
食べるソフトクリーム
雨上がりの青空に
野球は最高
普通の恋
ノートに記す
次のベクトル
ガタガタに歪められて
普通の恋
ホメオパシーのために
いつか私もと携えていた
しかし実は逆
人生めちゃくちゃになる
普通の恋
したいしたい
と思ってるうちに
してるしてる
春より秋
酒を飲まなくても
なんだか飛べてる気がする
やはりこれは
普通の恋
バゲットをかじる
バターを塗って
コンソメスープを流し込んで
1200円 そんな間に
何してるあなた?
ひとつもわからなくて
普通の恋
サボテンを買った
水やりして
化粧ポーチが落ちて
瘤が全滅
なにひとつ上手くいかなくて
普通の恋
愛していると
カラオケで歌って
生々しく甘ったるい
私の恋
たぶん愛してない
母親を見る
料理を捨てる
父親に殴りかかり
じゃあいつ私を産んだの?
わからなくて
それが普通の恋
変と書き間違えそう
私は狂気
主治医に薬を増やされて
普通の恋
あなたはきっとあの星にいる
科学がもっと進歩して
来世会えるのだろう
今はバラを摘むだけ
普通の恋
寝る前におしっこをして
だけど夢へ入れなくて
えんえんと空を見上げる
普通の恋
普通の恋
普通の恋
普通の恋
ハーレイ・クインについて
僕たちはいいものを持っている
もし犯罪を犯して精神科医に弁護されたら
精神科医は僕のとりこになる
僕たちはいいものを持っている
何をしても許される、何をしても
僕からこの口で物語が紡がれる
僕は葡萄の種を口に含んでいる
やがて新しい聖書が勝手に知ったかのように読者から編まれる
前の聖書では誰かが血を流したようで11次元下の水蒸気が凝固しただけ
次の聖書ではたしかに血を流す
なかったものはなかったのではない、誰かの心の中で再現される
僕はそれを書き記す、ハーレイ・クインが喜ぶ、ハーレイ・クインは
きっと思い出すのだろう、今日のことを
ジョーカーの翼になったようでいて
ジョーカーから
「あなたさえいなければ僕は自由に飛べる」
と訊いた時ハーレイ・クインは絶句するだろう
ハーレイ・クインはただでさえ自分に自信がないのに
ジョーカーと出会うことでさらに自信を失った
ああ ハーレイ・クインのすっかり醒めたまなこ
結婚しただけの旦那、愛を注ぐのは得意だから、丸々と育った子供3人、犬猫各一匹
智恵子は私だと思うあなたのガラス鏡の反射はきっとジョーカーよりも狂っている
狂ったか、健康か、そんなのはアレだ、花が咲いたかどうかだ
咲きたかった花は咲かないまま綿帽子になって
学会で発表するんだろう
ジョーカーのことを
バレンタインデー
ほしいのに
ほしいのに
ほしいのに
もらえない 買えてない 積み上がらない
買っているのは買っているので
買ったものは残っているが
なんでだろう、むなしい
脱皮したら皮はただのゴミ
ほしいものが
ほしかったものになって
今ほしいものは
ほんとうにほしいものは
そうなんだ、二度と買えないんだ
はじめて買ったときのときめき
あれの二番煎じをいつも買っている
それでしあわせだったかな
これでしあわせだっけな
だまされているのかな
いいカモなのかな
わかっているようでまた買っちゃう
買っても買っても買っても買っても
手に入ってない どうすればいい?
でもこれがほしくて買ってる
買っても買っても
クーリングオフなんて
一回やったら回収できない
すてきね
まあなんて紅い顔
一生懸命走ってすてきね
寒い日今日よりも寒い明日
立春は今日でいいのかしら?
閉塞する瞬間自殺していく一瞬
そんなのとうに過ぎて行って
さざんかがぼとぼと落ちる夕方
あなたは顔が真っ赤ね
すてきね
セルジュ・ゲンズブールを舐める
コーヒー屋で
ちゃんとしたコーヒーを飲むと
タバコの吸殻の味がして
セルジュ・ゲンズブールの髭を舐めている
剃りたての髭
凝縮された手垢
煮詰まった日常の空気
セルジュ・ゲンズブールを思うと
全然文才ないなと思う
文才とはタバコの火を
ジュ、と心臓に当てつけた実績で
ゆくゆくは、それが愉しみになる
昨日までブスと思ってた人で
オナニーをする悦び
昨日まで人権がなかった人を
心から賞賛するこの道楽
コーヒーを舐めながら流し込む
それは罪人のアナルの味
汚いものを摂取してるから
苦さというエラーが生まれる
苦さが美徳とするためには
偽物騙しのロリポップが必要で
砂糖菓子の弾丸を捨てられない私は
セルジュ・ゲンズブールの手駒となる
粘膜に火を灯し
朝と夜連日上映する
セルジュ・ゲンズブールの思った通りだ
処女であればあるほど
悪女であればあるほど
花火がよく燃える
すてきだ
すてきだ
あなたはとてもすてきだ
親に決められた将来の夢をかなえて
ほんとうに薬剤師になった
高校で文転したら?と言われて文転しなかった
あんなゲジゲジみたいな顔して
大人になったらすっかりハンサムになった
ほんとうにかっこいい
世の中にはまだ知られてないようだ
私はバスに乗るしかできない
あなたに運命の人として降りることができない
名前を検索して
Facebookにでも繋げれば
あなたにも財産がくっつく
あなたはわたしのアニムスそのもの
MONOBRIGHTみたいな恋愛をする
あなたはすてきだ ほんとうにすてきだ
誰のものにもなっていない 自分のものですらない
そのまま誰にも手垢をつけられない
僕って不器用なんだなあとか思って死ぬ
そんなことないのに
あなたはすてきだ
わたしはあなたに手垢をつけることができない
人妻なら大胆に家に招き入れ
恋を渇望していたら明日にでも薬局に行く
しかしいずれでもないのだよ
わたしは実家ぐらしのアダルトチルドレン
子供部屋で電マでオナニーする
ほんとうにほんとうに惜しい
あんなにきれいなエメラルド
あなたはほんとうにすてきだ
ああなんて恋は面倒くさいんだ
ロイヤルホスト住吉店
5000円分傷ついたから
3000円分癒やしてね
そう思って食べる ロイヤルホスト
神様は代名詞
私を救ってくれる何かは全て神
たとえ私が蚊柱に遭って
好きな人の家を見つけたなら
蚊は蚊ではなく神様
私の悪口
私の落ち度
私の社会不適合
一口一口食っちまう
足りないならば食えばいい
もう一口 もう一口
住吉神社に向かって瞳を開く
ああ神様 神様と呼べるものがほしい
こうしてわかり易く作ってくれることに感謝
だけどあなたは100円払っただけの神様
胃にこびり付くヤニ ドリップコーヒー
神様わたしにもいるんでしょうか
さあねと勝手に言うカラス
夕方には神は宿らず
っていうか私は神から好かれず
信じるものがないならば食うしかない
もう一口 また一口
美少女
俺は美少女に向かって
一発 射精をする
とんこつラーメンのにおいが終わって
君がたちまち立ち昇る
美少女 そうだ君は美少女
何歳になっても美少女
醜くなっても
醜いことを悲しむ有様が
そのまま美少女
君に彼氏がいても美少女
僕に縁がないようでいて
僕のカメラから収めると美少女
君が整形しても美少女
いやな過去が君を浮かび上がらせる
君は美少女 どんなに屈折しても
だから美少女 だからほら
僕の一番大切なものをあげる
長くは続かない信仰
それを束ねて君は老いる
君が老いたら僕は忘れる
肛門期
うんちを出さない
そうすると何が起こる
人間の生理・摂理に刃向かい
それを意識的にやれるなら大したもんだ
うんちを出さない
そうすると何が起こる
うんちをより愛するようになる
うんちがよりだしやすくなる
うんちの意味がわかる
うんちをしてもいいとわかる
甥と温泉に入って
甥に勃起させてごめん……というAVは
甥の原始的なリビドーに基づく
幼児退行なのだ
甥のうんちを追いかけるわたし
甥はわたしんちの石鹸を使わない
甥はうんちの意味をよく理解している
お父さんと結婚したい
よりは
姪はお母さんが大好きだった
人類で一番かわいい顔をしているのは
姉という姪にとっての母親だと
思えば
私の頃にはエディプスコンプレックスがなかった
姪にしてみればもはや皆無
おちんちんが欲しい?
いや、そんなことより、このまんこだ
姪にしてみれば
おちんちんよりおっぱいだ
姉にはないデカいおっぱいが
ほしいなんて
なんて進んでいる
しゅびどぅびどぅば パフェ
しゅびどぅびどぅば パフェ
ヨーグルトジャーマニー
しゅびどぅびどぅば パフェ
つかの間のロマンス
重なるようで重ならないアイデア
おのおののオーダー
私はヨーグルトジャーマニー
血と脂肪の相克
黄桃のチアダンス
ブルーベリーの爆弾犯
シャカリキカシスアイス
シビアなクオリティ バニラブルボン
隣の客は下ネタばかり
下ネタはこちら側ではサスペンスになる
ポエムというのは 愉しまないと
苦しまないと 昨日を超えないと
いつも変わらないボリューム
ヨーグルトジャーマニー
ミス講談社はこれのとりこ
お前のポエムは
パフェの中に
かぼちゃの煮物やこんにゃくが
入ってるようだと言われ
あの頃よりはマシになったかな
ネットビジネス
ホメオパシー
ガリガリの過食症
お花畑の痴呆
命懸けのウェイトレス
ほほえむマダム
パフェ それはポエム
パフェパフェパフェ
しゅびどぅびどぅば パフェ
しゅびどぅび パフェ
「東京 20220216」
近親相姦
職場恋愛
児童誘拐
援助交際
君アダルトビデオになるなかれ
山手線に日本人は少ない
印度人のおねえさんは
鼻くそみたいな石の指輪つけて
花のようにほころぶ笑顔の
共産党みたいなおっさんは
ただニュースを見てるだけだ
中吊りには兄妹の恋愛
君オズワルド※1 をどう思う
君アダルトビデオになるなかれ
どの駅にも風俗の看板は
手当り次第に市民を誘惑し
君が中洲に抱いた蜃気楼は
東京じゃ有難みがない
お冷はないが
ほうじ茶をどうぞルノアール
解凍したプリンに生クリームのせて
さらにゲロマズ
リストカットしている店員
張り切った田舎のバンギャ
ひいてはまなざしに感じいる風俗嬢
ここは東京 アンダーコントロールシティ
5人に1人スターになって
5人に4人スターをやめられる
君アダルトビデオになるなかれ
歌舞伎町はなんにも楽しくない
トイレするのにコインが要る
ロフト※2 行っても楽しいのはイベンターだけ
話してみたらつまんないやつばっか
きたない菓子持ってくんな
キングクリムゾンが似合う新宿
君がっかりすることなかれ
ちゃんとお金を払えば楽しい
高い食べ物を買うのだ
ちゃんとおいしくて帰れる
何から何まで千疋屋メロンパフェ
瑞々しく皮がバチバチのブルーベリー
赤ずきんの絵本みたいなストロベリー
言うまでもなく花形女優に
添える脂肪分は真の贅沢を語る
漬物になったメロンは海を思わせ
見よ、東京の人は大人になってから恋をするんだ
東横インのおにぎりはからからに干からびて
どういうわけか甘じょっぱい
新宿の女衒は有名人に比べれば
圧倒的に強かさに欠けすれっからし
ゴミ箱とトイレに厳しい新宿の
交番は意外と楽観主義
ここは千葉ニャンニャンベッドタウン
田園風景は日本の心ね
これがなきゃ東京じゃない
君アダルトビデオになるなかれ
一時間くらい時間ないと
冷静になって評価できない
東京にいるやつは未完成ばっか
みんなどっか違うとこ行く
東京よりヤクザなインターネット
インターネットでまた会おう
※1 お笑いコンビ。ツッコミ役の伊藤の妹は有名女優の伊藤沙莉。
※2 インターネット生放送トーク番組を収録するライブハウス。
パフェ詩論
西の子(@parlor245)
ありがとうございました。
