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なぜ妻は昔のいやなことを蒸し返すのか

夫婦げんかのパターンの一つに、妻が夫の過去を責めて、夫は「過ぎたことだろ」「今更そんなことを言われても」と反論し、妻はその反論に対して、「反省していない」「開き直っている」と怒る、というものがあります。

このような場合について、夫としての対処法についてご紹介します。

僕もよく、ケンカの際に、妻から過去のことをほじくり返されます。
例えば、こんな感じです。

「あなたは、私が父親の看病で子ども連れながら通院していたときも、父親の葬式のときも全く知らん顔だったよね。ホントあんたって冷たい人よね」

確かに、僕は仕事人間だった会社員時代、妻のことをサポートしようという気持ちが乏しかったです。

ただ、変えられない過去のことをネチネチ言われるのは、ホント嫌な気持ちになります。

余裕があるときには受け流せるときも、余裕がないときにはイラッときて、
「過ぎたことをネチネチいうなよ!」
「お前だって、あの時助けてくれって言わなかったじゃないか」
と反論して、その後、言い合いになるというパターンになります。

なぜ、妻は過去のことを蒸し返すようなことを言うのでしょうか。

精神科医で、対人関係療法の専門家である水島広子さんによると、

相手の過去を責めるというとき、私達は過去のことそのものを責めているように見えるのですが、実際は違います。

え、そうなんだ!では実際はというと・・・

相手の過去が許せないという気持ちが「いつ」から強くなったのか、最も多いのは、同様のパターンが起こったときから、というものでしょう。たとえば、かつて何らかの無責任さを感じさせるような出来事がおこれば、「やっぱり」という気持ちになります。

確かに思い返してみると、過去の自分の十分にサポートできなかったエピソーのことを持ち出されるのは、たいてい、妻が困った状況で手伝いを僕に求めてきたときに、大して妻の事情を聞きもせず、「仕事だから無理」といった対応をしたときでした。

数年前のベストセラー『妻のトリセツ』では、脳科学者の中野信子さんが、以下のように述べています。

女性は、感情に伴う記憶を長期にわたって保存し、しかも「みずみずしく取り出す」ことが得意な脳の持ち主だ。日常生活で起こる感情が、さまざまな色合いを帯びており、その感情の色合いごとに体験記憶が収納されているのである。こころが動くと、その「感情の色合い」と同系列の引き出しに収納された過去の体験記憶が数珠つなぎにたって、一気に引き出される

以上のことを踏まえて、夫としてどう対処すればいいのでしょうか。

まず理解すべきは、過去の問題が蒸し返されるのは、過去の経験と同様の感情を今この瞬間、妻が感じたからだ、ということです。

この構造が分かっていることで、過去を蒸し返されたことへの理不尽さや怒りが少しは和らぐのではないでしょうか。

その上で、対処すべきは、過去の問題ではなく、今起こっている問題だということを認識すべきです。

再燃した過去の問題のやり取りではなく、現在に焦点を向け、「今、妻が困っていることに対して、自分は何ができるだろうか?」と問いを立てて、取り組むことが必要なのです。

簡単なことではありませんが、共にがんばりましょう。

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