北陸の郷土資料を読んでみた⑤講談社/千代芳子「こころ暦」

昭和を生きた作家のお一人、千代芳子(せんだいよしこ)さんの著書を少しずつ集めている。1926年(大正15年)に金沢に生まれた文筆家だ。
1986年(昭和61年)刊行の本書「こころ暦(ごよみ)」の奥付プロフィール欄には「郷土に息づく暮らしを愛情を込めて綴る随筆家として知られ、〝日常茶飯のドラマ”から生まれる作品は多くの共感を呼んで久しい」とある。
「こころ暦」は四季で分けて章立てされており「桜いろの春の日に」「水いろの夏の日に」「茜いろの秋の日に」「雪いろの冬の日に」の四章からなる。
めぐる金沢の四季の情景や、ささやかで楽しい行事、地域の食べものの話が滋味深く優しい筆致でつづられているものが多いが、私はなかでも、千代さんが太平洋戦争の時代に言及している「あの日の青い空」という題のものが心にとまった。
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