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Web審理は民訴法87条の2で明確に認められている―「裁判所」を「裁判体」と読み替える実務の問題点

■ 1. 導入:この記事を公開する理由

本記事は、筆者が控訴審において Web 審理を希望したにもかかわらず、裁判所から「相当ではない」とのみ告げられ、理由が一切示されなかった という事実を契機として作成したものである。

さらに、書記官からは次の説明があった。

「条文の“裁判所”とは“裁判体”の意味です」

東京高裁書記官との電話にて

しかし、民事訴訟法87条の2を含む法令の文言は、 「裁判所」と「裁判体」を明確に区別している。 条文に「裁判所」と書かれている以上、それを「裁判体」と読み替えることはできない。しかも、イトウマコトとかいう権威者その他大勢がそのように解釈すると言っているらしい。それが真実であれば、権威、権力に法が犯されている証拠であり、あってはならないことである。

このように、

  • 条文の文理解釈

  • 実務現場の説明 が一致していない状況は、制度運用上の問題であり、 当事者の手続保障に直接影響する。

本記事では、一次情報である条文を確認し、 Web審理の法的位置づけ、 「裁判所」と「裁判体」の区別、 そして実務運用上の問題点を整理する。

■ 2. Web審理の法的根拠(民事訴訟法87条の2)

以下に、一次情報として条文を掲載する。

【民事訴訟法87条の2(全文)】

(映像及び音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等) 第八十七条の二 裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、 裁判所及び当事者双方が映像及び音声の送受信により相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、 口頭弁論の期日における手続を行うことができる。

■ 3. 条文から導かれる結論(事実のみ)

条文のポイントは以下の3点である。

● (1) 「裁判所は、相当と認めるときは」

条文に書かれているのは 裁判所(institution) であり、 裁判体(panel)ではない。

  • 裁判所:東京高裁・大阪地裁など組織としての裁判所

  • 裁判体:その中の合議体・単独体

法令上、両者は明確に区別される。

「裁判所」と書いてあるものを「裁判体」と読むことはできない。

● (2) 「当事者の意見を聴いて」

当事者が Web 審理を希望した以上、 裁判所はその意見を踏まえて判断する義務がある。

● (3) Web審理は正式な法定手続である

条文は「できる」と規定しており、 Web審理は例外措置ではなく、正式な制度である。

■ 4. 書記官の説明「裁判所=裁判体」は成立しない

書記官の説明は、法令の文理解釈として成立しない。

ただし、実務上は「裁判所としての統一方針が存在しないため、裁判体が代替している」という現象が起きている可能性はある。

しかし、それは制度上重大な問題を含む。

■ 5. 裁判所が方針を示さず、裁判体ごとに判断が異なる場合の問題点

● (1) 裁判所が本来の役割を果たしていない

条文が「裁判所」と規定している以上、 裁判所としての統一的判断基準が必要である。

● (2) 裁判体ごとに判断が異なる=事実上「別の事業体」

同じ裁判所内で判断がバラバラなら、 制度としての一貫性が失われる。

● (3) 運用が“ガチャ化”する

  • A裁判体 → Web審理許可

  • B裁判体 → Web審理拒否

  • C裁判体 → 理由すら示さない

これは司法の平等性に反する。

● (4) 三審制の前提が崩れる

三審制は「法の全国的統一」を前提にしている。 裁判体ごとに判断が異なるなら、 三審制では統一性を担保できない。

■ 6. 現代の常識:Web審理は標準である(MINTS導入)

2026年5月21日から MINTS(民事裁判書類電子提出システム) が導入され、 裁判所自身が以下を制度目的として掲げている。

  • 郵送費の削減

  • 時間の削減

  • 当事者負担の軽減

  • DX推進

つまり、裁判所は自ら デジタル化・効率化を推進する立場 にある。

この状況で、Web審理を希望する当事者に対し、 理由を示さずに拒否することは、裁判所自身のDX方針とも整合しない。

■ 7. 結論(条文と制度に基づく技術的結論)

  • 民訴法87条の2は Web審理を正式に認めている

  • 条文は「裁判所」と規定しており、「裁判体」と読むことはできない

  • 裁判所が理由を示さずに拒否することは、裁量権の逸脱・濫用の疑い

  • 裁判所が方針を示さず、裁判体ごとに判断が異なるなら制度として問題

  • MINTS導入後の現代において、Web審理拒否には合理的理由が必要

■ 8. 最後に(筆者の立場)

このまま裁判官が理由を述べないのであれば、裁判官忌避を検討せざるを得ないと考えている。

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