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【Season2 第6回】食とグローバリズム。「生命・健康」と「帳簿の辻褄」を秤にかける愚~(3)

■供給能力網の重要性


前回迄で、主食農業を民営化した国の惨状を、質屋のルーペで暴いた。

主食農業とは我々の健康と命に直結している。

しかし、政府は主食農業より外国を優先している始末だ。

外務省のデータによれば、2025年の1年間で円換算のODA(政府開発援助)実績は「2兆4,273億円」。

世界4位の支援額だ。




確かに、ODAには発展途上国を支援し日本へ資源を輸入する際のインフラを整備する等、間接的に安全保障に資する側面はある。

26年7月22日現在、アメリカとイランの停戦合意が終了し、ホルムズ海峡が再封鎖された。

日本は長年、UAE等の中東湾岸諸国にODAを支出し、輸入依存度8割のナフサ等の原油資源の安定調達のため、港湾インフラ等を整備させてきた。

一方、国内に目を向けるとナフサを農業資材や重機用油脂として使用する、米農家等へは何もしない等、一貫した安全保障の視点が致命的に欠けている。

供給能力の網は、目詰まりから瓦解する。

従って、ODA以上に国内の米農業へは投資をし、一体として守る事が重要なんだ。


■最先端スマート農業のコストはODAの約1/3


では、日本の取るべき道は?

以下に、地動説(正しい貨幣観)に基づき、農業の効率化・経済成長と安全保障の両立の具体策を提案する。


2025年農林業センサス確定値によれば、日本の水稲作付農家数は「53万8,000経営体」だ。

この全農家をDX技術で一斉に効率化する方法として、「共同シェアリングモデル=高額機器は地域JAや営農単位で保持し、自動水門や水位センサー等は各農家に設置する」方法を示す。

その場合の農家1世帯あたりの平均コストは約150万円。

53万世帯×150万円=約8,070億円。

ドローンや自動水門、水位センサー、営農タブレットを一斉導入する初期費用は、1回限りで「約8,070億円」で済む。

毎年の通信・維持費は「約807億円」だ。

ODAの1/3の額で、米農家達がスマホ一つで自宅から水を管理でき、世界最先端のハイテク水田を未来に遺せるんだ。

※機器類の単価は主要メーカー(DJI等)の市販実効価格を基に算出。

※スキームは農林水産省「スマート農業総合推進対策」及び、農研機構(NARO)『スマート農業実証プロジェクト』が推奨する「支援サービス体・地域共有型モデル」に基づく。

■日本版BISSと『肥料・種子』の完全自給化



更にこれを進め、米農家の赤字を一掃し、種や肥料の100%自給化を達成する「日本農業復活プラン」も提示する。

これは100%国債発行で賄う、年間総予算「約2.59兆円」のプランだ。

内容は3つ。

1 直接所得補償(日本版BISS)としてコメ10aあたり3万円、麦・大豆5万円を給付する(年間約1.89兆円)。

※各数値は農林水産省の資料に基づく

給付条件として上記のスマート技術導入を義務付け、分散錯圃の非効率を克服する。

2 「公務員型」若手就農者育成制度として、目標10万人の若者に5年間、年300万円を支給する(年間約0.30兆円)。

主要農業を半公務員型の安定した職業と位置づけ、後継者の確保・維持を徹底する。

3 主要農作物種子法を復活させ(1,000億円)、下水からリンを回収する「再生リン抽出プラント」を全国整備する(年間約3,000億円)。

農業用種苗や、肥料の原料たるリン等、周辺の必須資源も日本国内で賄うための施策も合わせて行う。

ホルムズ海峡の封鎖にも動じない、供給能力網の完成だ。


この年間総予算2.59兆円は、2025年の海外ODA総額とほぼ同額。


つまり、すぐ実行可能な策だ。

■ネットの資金需要−5%に宿る真理



今回の2.59兆円プランは、第5回後編で示した「コメ農家・農業の所得補償: 約2.0兆円」の発展版だ。

「消費税5%への即時減税(15.3兆円)」、さらに介護や保育等の所得底上げを同時に行っても総額28.31兆円で済む。

これはネットの資金需要の適正上限である年間30兆円(GDP比−5%)の枠に収まる。


この枠に収まる限り、過去の日本の高度経済成長期の如く、ハイパーインフレ等は起き得ない。

お金は無から生み出せるが、コメ等の資源は無からは生み出せない。

この実物資源の供給能力を守る事こそが、日本が再び経済成長するための絶対条件だ。

妨げとなる「JA株式会社化」は絶対に行ってはいけない。

豪、墨、マのグローバリズムに食を蹂躙された歴史を繰り返してはいけない。

日本のお米や稲作は、受け継いで行くべき日本の宝なんだ。




地動説に基づけば、上のプランの実現は可能だ。

その結果、日本の農業が再び経済成長に向かう頃、金は天下を回り出す。

その時、縁の質蔵に眠る「農業資材」を、元利金を頂戴し持ち主の元にお返しする。

その光景の実現を私は心から願う。


農業資材のイメージ



次回、第7回では「円安とリユース業界・為替グローバリズム」と題し、日本の円安の根本的な原因を、質屋のルーペで暴きます。


稲穂は曲がれど蔵にゃ入らぬ。神代の宝は帳外の品さぁ。


※次回はコチラ!

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