第2章:薬のこと(内服・調整)2021 レドパ製剤について ~レボドパの体内旅行~
2021年の秋、
パーキンソン病の会の冊子で、
パーキンソン病歴40年以上の
医師の対談を読みました。
その中で印象に残ったのが、
「パーキンソン病治療の基本はレボドパ製剤である」
という言葉でした。
私も長年レボドパ製剤を内服していますが、
同じ量を飲んでも効く日と効かない日があります。
その頃の私は、薬の量よりも
「どうすればレボドパを
しっかり効かせられるのか」を
考えるようになっていました。
2021-10-24
パーキンソン病の治療薬には
さまざまな種類がありますが、
治療の中心となるのはレボドパ製剤です。
現在はレボドパ単剤ではなく
吸収効率を高めるために
DCI製剤との合剤が主流になっています。
私自身もイージードパールや
スタレボを経験しましたが、
同じレボドパ製剤でも
体感には微妙な違いがありました。
ただ、どの薬にも共通していることがあります。
それは、
レボドパはいかに小腸まで届けて吸収させるかが大切
ということです。
レボドパは小腸で吸収されます。
口から入った薬は食道を通り、胃を経て小腸へ向かいます。
順調なら20分程度で小腸へ到達しますが、
食事内容や胃の状態によっては
1時間以上かかることもあります。
私はこれを勝手に
「レボドパの体内旅行」
と呼んでいました。
毎回無事に小腸へ到着するとは限らず、
その日の体調や食事内容によって
大きく左右されるからです。
私なりに気をつけていたこともあります。
まず、内服時にはできるだけ
しっかり水分を摂ること。
そして食事内容を意識することです。
特に食後すぐの内服は効くまでに
時間がかかったり、効かなかったり
することもありました。
逆に空腹に近い状態では
比較的早く効いてくることが多く、
同じ薬でも条件によって
大きな差がありました。
また、食べ過ぎた日や胃の調子が悪い日は、
ガスモチンを併用すると
効き方が改善した経験もありました。
さらに見逃せないのが便秘です。
パーキンソン病では便秘に悩む人が多く、
私自身も排便状態には気を配っていました。
便秘は生活の質だけでなく、
薬の効き方にも影響します。
そのため、自分に合った便秘対策を
続けることも大切だと感じていました。
薬を飲み始めた頃は、
「何か食べてから飲むように」
と指導されていました。
薬効の波を穏やかにするためです。
しかし数年が経ち、
薬の切れ方が早くなってくると、
理想通りにいかないことも増えてきました。
食後に飲んで穏やかに効くことよりも、
まずしっかり効いてくれること。
その方が大切だと感じる場面が増えていったのです。
レボドパ製剤は単純に量だけの問題ではありません。
食事、胃腸の状態、便秘、内服時間。
さまざまな条件が重なりながら
効果を発揮する薬なのだと実感していました。
★★★
こうやって振り返ると、5年前も今も、
程度の差はあれど同じことで
悩んでいることがわかります。
そう考えると、
この5年であまり成長していないのかもしれません
けれど、このときの経験や気づきがなければ、
今の自分にはたどり着けなかったとも思います。
パーキンソン病と付き合いながら生活していると、
薬が増えていくことへの不安は常にあります。
主治医から「増やしたらどうですか」と
言われるたびに感じていた違和感。
その理由は当時はうまく説明できませんでした。
でも今振り返ると、量の問題というより、
薬の吸収や効き方の問題を
体が先に感じ取っていたのかもしれません。
