妬いてよ
犬の散歩で時々出会う、おじいさんに連れられたパピヨンくんが、とても可愛いのです。
すごいヤキモチ焼きなのです。
おじいさんがうちの犬を撫でようとすると、前脚で腕にしがみつき、阻止しようとワンワン大騒ぎです。
それはもう必死です。
「あの子を撫でちゃダメ!」
「こっちを見て!」
「ぼくだけを可愛がって!」
「お願い!」
という心の叫びがはっきりと聞こえます。
「こんなにヤキモチ焼きで困ったやつだ」
と言いながら、おじいさんの目尻はデレデレ下がり、とてもうれしそうです。
うらやましいぃぃ~!
私がパピヨンくんを撫で、うちの犬をチラッと伺うと……
──無。
両腕でパピヨンくんを抱きしめてチラッ……
──無。
おじいさんは苦笑いです。
もぅ!ちょっとくらい、妬いてくれてもいいんだよ?
