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心が限界だった自分が、認知行動療法に救われ、アプリを作るに至った話

こんにちは。Joです。Peacefulという認知行動療法アプリを開発しました。(現在はチーム開発)

認知行動療法が私の人生にどれほどの効果を与えたかを振り返った時、この体験は発信する価値があると感じたので、記事にしてみることにしました。

新卒の営業職で病みかけた

2020年、新卒で都内のメーカーに営業として就職しました。上下関係が厳しい古い社風もあり、上司や周りの期待に応えるべく頑張っていました。しかし今振り返ると、前向きに頑張るというより、「期待に応えられなかったらどうしよう」という恐怖に突き動かされていた感覚でした。

頑張れば頑張るほど、周りの期待も高まり、2年目の若造にも部署異動や海外出張も経験させてくれました。しかし期待が高まるほど、不安も強くなりました。その頃から朝食が食べられない、出勤時に駅で吐き気を催す、不安で眠れないなどの症状が出始めました。

恥ずかしい話ですが、地方出張の際は「ポジティブになる方法」みたいな動画を社用車で流しながら運転していました(笑)。 逆に言えばそれくらいしかできることはないと考えていました。今振り返ると相談したり病院に行くべきでしたが、当時はその選択肢すら頭に浮かんでいませんでした。

当時よく閲覧していたYouTubeチャンネル

仕事自体が辛いなら、最終的には自分で稼ぐ力をつけなければと思い、プログラミングの勉強を始めました。プログラミングが向いていると感じた私は、ITエンジニアになる決意をして、転職が決まるより先に営業の仕事を辞めてしまいました。当時のことを思い出すと、彼女(現在の妻)に、「エンジニアになりたいのか、今の仕事を辞めたいのか、どっち?」と、自分の決意が「挑戦」なのか「逃げ」なのかを問われたことが当時の葛藤と共に強く記憶に残っています。未経験ながらもとある企業とご縁があり、無事にエンジニアとして転職することができました。営業経験は丸2年でした。

エンジニアになっても問題は解決せず

ITエンジニアは自分に合っていました。プライベートでの勉強も苦ではなく、成長が楽しい時期が続きました。

しかし、責任と周りの期待が大きくなってくると、事あるごとに「失敗したらどうしよう」「能力の低いやつだと思われたらどうしよう」という不安が止まらなくなりました。週末もグルグルと思考してしまい、だんだんと気力の低下を感じるようになってきました。

業種をガラッと変えても、以前の問題が解決したわけではなかったのです。

認知行動療法との出会い

営業職時代と同じように、また「ポジティブになる方法」などを検索するようになった頃、早稲田メンタルクリニックの益田先生の「自分でできる認知行動療法」の動画に出会いました。これが1つ目のブレイクスルーでした。

なんと、「うつになりにくい自分」になるための確立された方法が存在し、しかもそれはうつになる前から、一人でも実践できるというのです。心がどん底の人を立ち直らせるほどの効果があるわけですから、日頃から実践できれば精神的に健康で充実した人生に繋がるだろうと強い希望を感じました。

それからは認知行動療法のフォーマットに従い毎日整理してみました。難しいものではありません。精神的に強いストレスがかかったと感じたことを下記の流れで整理していくだけです。

当時実践していた思考の整理方法

当時は以下の手順でGoogle Spreadsheetにフォーマットを作って記録をしていました。

  1. 出来事を書く。例:「作業の進捗が遅い」

  2. 感情とその強さを書く。例:不安 8/10

  3. 自然と浮かんだ考えを書く。一瞬湧き出ているはずの感情を生み出す思考を捕まえます。例:「能力がないと思われる(→ だから不安)」

  4. 反論をしてみる(反証)。例:「それだけ複雑なことに取り組んでいる証拠!」「実際に誰かに『遅い』なんて言われてないでしょ!」「納期に間に合わないなら早めに調整すれば良い」

  5. バランスの取れた考え方と感情の強さの変化を書く。例:「頑張りつつ、納期が厳しそうなら相談する」不安 4/10

  6. (おまけ)認知のゆがみと呼ばれる、「完璧主義」「白黒思考」などのうつに繋がりやすい思考10パターンが隠れていないかも自己判定します。

私が実際に整理したもの

思考パターンへの気づき

上記の手順を繰り返していくとだんだん、毎回同じ思考パターンに陥っていることに気づきました。それは、「相手を失望させると最悪な事が起きる」という思考でした。この気づきが2つ目のブレイクスルーでした。

例えば、「この機能の開発、何日でできる?」と聞かれ、エンジニアの私が「10日」と答えたとします。すると頭の中では、「長いと思われる」→「能力がないと思われる」→「失望される」→「何か最悪な事が起きる」→「不安」という流れで、相手の思考を決めつけ不安を作り上げていたのでした。

実際には、長いと言われたわけでもなく、そもそも依頼者に開発難易度が判断できるわけもなく、むしろちゃんと理由を説明できれば信頼を得る機会にもなり得るにも関わらず、です。上司との会話でも、前向きな話が多いにもかかわらず、欠点を指摘されるのではと怖くて毎回汗びっしょりでした。

これは妄想ではなく、「世界はこういうものだ」「他人はこういうものだ」という無意識の信念のしわざでした(スキーマと呼びます)。真面目や責任感が強い人は、逆にそうでなければ何か最悪な事が起きるという思考に脅され突き動かされているとも言えるかもしれません。このような無意識の信念は幼少期の体験によって形成されることが多いようです。

心が元気な新しい自分

それに気づいてから、パソコンのモニターに「勝手に不安になるな」と付箋を貼り、思い出せるようにしました(恥ずかしい)。思考パターンに陥り不安が強くなる瞬間にそれを見て、はたしてその思考は現実に即して考えても本当に「ふさわしい」と言えるのか?と考えるようにしました。

効果は抜群でした。問題が起きても現実的に考えて対処をすれば良いので、恐れていることは一度も起きませんでした。悲観的過ぎず、かといって楽観的でもない現実的な考えに納得するたびに、心がスッと軽くなるのを感じました(本当に物理的な感覚で)。気力も回復し、生産性も上がり、日々が充実してきました。心が元気であるということは、副次的にも様々な効果を生み、人生の幸せにも直結するだろうと感じます。

陥りがちな思考パターン以外にも、様々な場面で応用が効くこともわかりました。ある出来事の捉え方を複数思いつき、適切なものを選ぶ。結果、必要以上にストレスを感じなくなる。これが「柔軟な思考」という事だと思いました。そしてこれはもはや「スキル」とも言えるものであり、私以外の多くの方にとっても有効で価値があるはずだと感じました。

思考パターンに陥らないようリマインドする付箋

既存の認知行動療法に関する学び

このような体験の再現性を高めれば、多くの人の役に立てるかもしれないと思った私は、まず認知行動療法への理解を深めました。すると、対面式の認知行動療法はハードルが高すぎる問題に気づきました。30分以上の面談を16-20回以上行う、保険診療で行う病院が少ない、自費のカウンセリングだと1回3,000円~8,000円と経済的負担が大きい、気力が低下しやすい中でやる気を継続させる必要がある、カウンセラーと信頼関係を築くのに時間がかかったり、相性が悪いケースもある、などです。

私は、もっと多くの方にとって有益な形があっていいのではと思いました。もっと、こう、、、

  • 病気になる前の予防や心の豊かさを目的として、

  • ひとりで、いつでもどこでもできる形で、

  • 日記のように日々に取り入れることができ、

  • 気力がなくても楽しく継続できる工夫満載で、

  • 最新AIを活用し効果的で、

  • そして対面式より格段に安く

日常的に取り組みやすい形を作る

それを再現すべくPeacefulというアプリを開発しました。多くの方にお使いいただき、AppStoreで1270件のレビューで4.7/5 という際立って高い評価を頂いています。 (2026年2月時点)
ぜひ、皆様にも体験して頂けると嬉しいです。

Peaceful iOS版 (iPhoneをご利用の方向け)

Peaceful Android版はこちら

予防や心の豊かさを目的として、認知行動療法を手軽にした方法で日頃から心のケアを行う。この普及を通して日本の心の健康に貢献できれば、これほど嬉しいことはありません。
広めるにあたり何か良い言葉ないでしょうか(笑)。何か、「⚪︎⚪︎活」みたいにもっと短く、むしろ心のケアをすること自体が「えらい」とか「スマート」な印象を与えられるような言葉を探しているところです。そして心のケア自体をそういうポジティブな印象で広めていきたいです。

チーム開発へ

個人的な体験がきっかけにはなりましたが、チームで開発していく体制を整えました。心理士にも意見を頂きながら進めています。

注意

ただし、認知行動療法は万能ではありません。特に下記には注意してください。

①症状があるなら病院に
気力の低下、食欲の減退、通勤前に頻繁に体調不良が発生するなど、症状があるのであれば、まずは医療機関にきちんと診断をしてもらうことが重要です。もしすでに何かしら症状があるなら、まずは医者など専門家に相談して治療に集中してください。そして、回復の手段として、認知行動療法を勧められたら取組むようにしてください。

② 現実の問題が厳しい場合は適さない
ストレスや気力の原因があなた自身で制御できる範囲を大きく超えている場合、認知行動療法だけであなたの心身の体調を改善することは難しい可能性があります。例えば、パワハラ、貧困、いじめ、激務など現実の問題が厳しい場合は、問題を解決する方が優先されます。各分野の専門家、または医療機関に相談してください。

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