見出し画像

「わかっているのにやめられない」その苦しさを責めないで

精神科訪問看護をしていると、「どうしてもやめられないこと」を抱えながら生きている方と出会います。

ある日、お話を伺った方は、こんなことを話してくださいました。

「頭ではわかっているんです。体重を増やした方がいいことも、今のままでは心にも体にも良くないことも。でも、どうしても数字や見た目にこだわってしまうんです。」

さらに、その方は続けます。

「でももし、自分が他人だったら、こんな生活は絶対に止めると思うんです。」



「わかっている」のにできない

私たちはつい、

「わかっているなら、やればいいのに。」

と思ってしまうことがあります。

でも、心の世界はそんなに単純ではありません。


この方は、気づけている。

友達と以前のようにランチへ行けなくなったこと。

比較ばかりしてしまうこと。

「周りのみんながキラキラして見える」と感じること。

就職活動をしているのに、「採用にならないでほしい」と思ってしまうこと。

つきまとう、相反する気持ち。

他者ならきっと止めるだろう、ということも、

どれも自分で気づいているのです。

だからこそ、苦しい。



私はこんなお話をしました。

「今までそうすることで、ご自身を守ってこられたんだと思います。だから、どうか責めないでほしいんです。」

すると、その方は少し驚いた表情をして、

「まさにその通りなんです。それで自分を守ってきたんです。」

と話してくださいました。

その瞬間、その人の人生が少し見えた気がしました。

完璧でいようとすること。

人と比べてしまうこと。

数字に安心を求めること。

それらは決して「好きで選んだ性格」ではなく、その時々を必死に生き抜くための方法だったのかもしれません。


しかし、それらが、今は苦しさになっている


寒い冬に暖かい衣類を着ることは必要です。

でも真夏になっても脱げなかったら、とても苦しいですよね。

心も同じなのだと思います。

完璧主義も。

人と比べることも。

「痩せていなければ価値がない」という思い込みも。

その頃は自分を守るために必要だった。

でも今は、その鎧が重たくなり、生きづらさにつながっているんですよね。


気づいていることは、大きな力

私はその方のお話を聞きながら、希望も感じていました。

「昔は友達と行くランチが楽しかった。」

「何でも食べていた頃は、心も豊かだった。みんなと手を繋いでいる感覚があった。」

その、記憶が残っていたからです。

人とのつながり。

食べる楽しさ。

「おいしいね」と笑い合えた時間。

その方の中には、今もちゃんと残っている。はっきり覚えているそうなんですね。



もし今、「わかっているのにできない」と苦しんでいる方がいたら、ぜひ自分に問いかけてみてください。

「私は何を守ろうとしているんだろう。」

そしてもう一つ。

「その方法で守られてきたものと、失ってしまったものは何だろう。」

責めるためではありません。

背景を理解するためです。

心は理由もなく苦しみを選ぶことはありません。

必ず、その人なりの背景、理由があります。

それらを知ることが、回復への第一歩なのだと思います。


自分を絶対に責めないこと。

「私は今まで、本当に頑張って自分を守ってきたんだ。」

そう認めてあげること。

そこから少しずつ、

重たい鎧を脱ぐ準備が始まるのだと思います。


ちなみに彼女は、厳格だった母親との関係が影響しているかもしれないと話しています。おそらくそうでしょうと私も思っています。

しかし、今の彼女にはそれに向き合うエネルギーがありません。

今まさに37kgを熱望し、徹底した四毒抜きの実践をするなど、新たにルールを作っては身動きができなくなっているんですね。

こだわりが強く出ている時に、過去を振り返るというのは、あまりにもしんどい作業。

心理士からカウンセリングを止められている状況なんです。

人生レベルのテーマを扱う時は、それに向き合うための心の準備が必要ということですね。💛

訪問看護では引き続き、お話しを伺いサポートをしてまいりたいと思っています。

今日も最後までお付き合いくださり、
ありがとうございました🙂‍↕️🎈🌹🐾


以下、
今週ご縁をいただいたクリエイターの皆さまです😊🎈💛

いつも貴重なスキやコメント、フォロー、マガジン追加、紹介ありがとうございます🥹

大変嬉しいですし、大きな励みになっています。
今後ともよろしくお願いします🤲😃🐾🌹

本当にありがとうございました!
💛😃💛🌹🙂‍↕️🐾

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集