毎月の収支を可視化してわかった“本当の余裕”|#74(第4章)
FIRE生活が始まってからではなく、その前から、ずっとどこかに引っかかっている感覚がありました。
資産は順調に増えている。
収入も積み上がってきている。
それでも、「安心しているか」と聞かれると、少し違う。
黒字であることは間違いないはずなのに、どこかで「本当に大丈夫だろうか」と考えてしまう。
そんな状態が続いていました。
今振り返ると、その原因はシンプルです。
「なんとなく大丈夫」という状態だったからです。
私は、不動産の家賃収入と、債券からの配当金によって、サラリーマン時代とは比較にならないほどのキャッシュフローを毎月手にしており、それを生活費として使っています。
収入としては十分すぎるほどある。
それでも、感覚としてはどこか曖昧さが残っていました。
収入はある。
支出もコントロールできている。
でも、「この状態が続くのか」という問いに対して、明確に答えられない。
ここに違和感がありました。
そこで、「しっかり可視化しよう」と思ったのがきっかけです。
私は以前から、銀行口座を6つ、証券口座を2つ使っています。正確には融資を受けている銀行等が複数あるため、使わざるを得ないという状況です。
資産の分散や管理という意味では合理的ですが、全体像を把握するには若干工夫が必要です。
その点、マネーフォワードのような家計簿アプリは非常に便利です。
すべての口座を連携して、残高や資産状況はリアルタイムで確認できます。
今いくらあるのか。
どこにどれだけあるのか。
ここまではすぐに分かります。
ただ、それだけでは足りませんでした。
「残高」は分かる。
でも、未来の「収支」が分からない。
ここが大きなポイントでした。
今後、毎月どれだけ入ってきて、どれだけ出ていくのか。
それが見えていかないと、安心にはつながらない。
そこで、エクセルで徹底的に可視化することにしました。
作ったのは、かなり緻密な管理表です。
ここは少し余談ですが、会社員時代に培ったエクセル操作のスキルが、こういうところで活きています。
自分ではわりと「エクセル操作の魔術師」くらいにはなっていると思っています。
ちなみに、資料作成で使っていたパワーポイントについては、それ以上で、「熟練のパワポ職人」と言ってもいいレベルだと勝手に思っています。役員が発表する際に表示する資料や、IRで使う資料など、色々と作成をしてきました。
こういうスキルは、会社員をやっているときは当たり前のように使っていましたが、FIRE後の資産管理でもそのまま役に立っています。
特徴としては、単なる予測ではなく、各項目ごとに過去の収入や支出の実績をベースにして、未来の数値を組み立てている点です。
家賃収入、債券の配当金、生活費、外食費、融資返済、税金の支払い、その他の支出など、それぞれの項目について、過去の実績を踏まえながら、直近2年先までを月単位で細かく入力しています。
そのうえで、毎月の収支がどうなるのか。
トータルで見たときに、どの程度の余裕があるのか。
さらに、現在の残高と照らし合わせて、乖離がないかどうかも確認できるようにしています。
いわば、「未来の資金繰りを先に見える化している状態」です。
この管理表を作ってから、感覚は大きく変わりました。
それまでの「なんとなく大丈夫」が、「数字で大丈夫」に変わったからです。
そしてもう一つ大きかったのは、未来に対する安心感です。
先の収支が見えている状態だと、「この先どうなるか分からない」という不安がかなり減ります。
今だけでなく、数ヶ月先、1年先、2年先までの状態が見えている。
この状態を先に作っておくことが、安心感につながっていると感じています。
ちなみに、生活費や外食費については、あえて余裕を持たせた数字を入れています。
実際よりも少し多めに見積もっているイメージです。
そのため、計算上は多少余るような設計になっています。
実際に生活してみても、そこまで使うことは少なく、結果としてさらに余裕が生まれます。
そして、その余裕がそのまま残高にも反映される。
この一致が確認できると、「この設計で問題ない」という確信が持てるようになります。
このエクセルは、パソコンでもスマホでも確認できるようにしています。
エクセルのアプリを使えば、外出先でもすぐにチェックできますし、修正もその場で可能です。
ここまで整えておくと、「管理している」という感覚はほとんどなくなります。
むしろ、見るだけで状況が分かる状態です。
感覚で判断していない分、無駄な心配が減ります。
「大丈夫だろうか」と考える時間自体が少なくなりました。
結果として、安心感が増えるだけでなく、自由な時間も増えています。
少し意外だったのは、「しっかり管理する方が、結果的に時間がかからない」ということでした。
最初に仕組みを作ってしまえば、あとは確認するだけ。
日々の細かい判断に時間を使う必要がなくなります。
このあたりは、仕組み化の大きなメリットだと感じています。
なお、お金の管理といっても、すべてを自分でやっているわけではありません。
確定申告や法人の決算については、月々の記帳も含めて、顧問の専門家にすべて依頼しています。
自分が時間を使うべきところと、任せるべきところをしっかり分けることも重要だと考えています。
自分は「判断」と「全体の把握」に集中する。
それ以外は任せる。
この分け方ができると、時間の使い方は大きく変わります。
資産額がいくらあるか。
これはもちろん重要です。
ただ、実際の安心感に直結するのは、「毎月の収支がどうなっているか」でした。
余裕とは、感覚ではなく構造です。
そして、その構造は、可視化しないと見えてきません。
ここが見えるようになってから、ようやく「本当に大丈夫だ」と思えるようになりました。
次回(第75話)は、
働かなくても生活できると人はどう変わるのかについてお話しします。
この連載は100話まで続く予定です。参考になったら「❤️スキ」や「👤フォロー」をして、続きを読んでいただけると励みになります。
📌今回の内容を踏まえて、皆さんはどちらに近いと感じますか?
A:細かく可視化して安心したい
B:ある程度は感覚で管理しても問題ないと思う
どちらに近いか、理由もあればぜひコメントで教えてください。(コメントには必ずご返信させていただきます)
今後の発信や資産形成の参考にさせていただきます。
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