資産はあるのに現金がない問題のリアル|#72(第4章)
FIRE生活を始めてから、「資産はあるのに現金が足りない」「資産が下降トレンドなので取り崩し額を減らした」という話やnoteの投稿を、よく目にするようになりました。
以前は、どこか他人事のように感じていました。
「資産があるなら大丈夫ではないか」
と、シンプルに考えていたからです。ただ、最近は少し見方が変わってきています。
というのも、私はこの状況に困ったことはありません。毎月の家賃収入と債券の利息があり、生活費はそこからまかなえる状態になっているためです。
それでも、このテーマについて考えるようになったのは、最近の市場環境の変化も影響しています。
これまで好調だった株式市場、特に米国市場が、ここにきてやや踊り場のような動きになっています。
その影響もあり、資産残高がこれまでのように増え続ける状況ではなくなってきました。
そうした中で、4%ルールを前提に資産を取り崩しながら生活している方が、取り崩し額を調整したり、売却のタイミングを見直したりしている様子を見かけるようになりました。
それを見たときに、取り崩しという仕組みの難しさを改めて感じました。
株や投資信託のようなインカムがほとんどない資産で資産形成をしている場合、生活費は「資産を売る」ことでしか用意できません。
つまり、日々の生活は「いくら増えたか」ではなく「いつ売るか」に依存する構造になります。
相場が上昇している局面では、この構造はそれほど問題になりません。
資産が増えている中での取り崩しは、心理的な負担も比較的軽くなります。
一方で、下落や停滞の局面では状況が変わります。
評価額が思うように伸びない。
できれば売りたくない。
それでも生活費は必要になる。
このような状況では、取り崩しの判断そのものが負担になりやすいと感じました。
理論として語られることの多い4%ルールも、実際にそれを継続するとなると、心理的なハードルは低くありません。
資産が減少している局面で一定の割合を取り崩し続けることは、想像以上に難しいと感じます。
また、取り崩しはタイミングの影響を強く受けます。
下落や停滞の局面で取り崩しを続けると、回復前に資産が削られてしまう可能性もあります。
いわゆる「取り崩しリスク」です。
資産があるかどうかではなく、どのような形で資産を持っているかによって、安心感は大きく変わります。
こうした構造を改めて考えたとき、資産を増やすことだけでなく、「資産をどう使うか」という視点の重要性を強く意識するようになりました。
その中で重視するようになったのが、資産を売らなくても生活できる状態、つまりインカムのある状態です。
不動産の家賃収入や、債券の利息収入のように、資産を保有しているだけで定期的に現金が入ってくる仕組みです。
この形であれば、相場の変動に左右されずに生活費をまかなうことができます。
もちろん、不動産には空室や修繕といったリスクがありますし、債券にも信用リスクはあります。どの手法にも注意点は存在します。
それでも、「資産を売らなくてよい」という状態は、精神的な安定に大きく寄与すると感じています。
ただし、現実的にはインカムだけで完全に生活をカバーするのが難しい場面もあります。一時的に現金が必要になることや、収支にズレが生じることもあります。
そのような場合の選択肢の一つとして、「資産を売らずに現金を確保する方法」があります。
それが、有価証券担保ローンです。
例えば、野村信託銀行の有価証券担保ローンでは、株式でも担保評価額はおおよそ50%程度です。この水準でも、使い方次第では十分に活用できると考えています。
ちなみに、私が保有しているドル建て債券は担保評価額が60%となっており、より余裕のある運用が可能です。
いずれの場合も、上限まで利用するのではなく、余裕を持たせて使うことで、安全性を保ちながら活用できる仕組みだと感じています。
以前は、このような使い方は正直あまり意識していませんでした。
ただ最近になって、株や投資信託で資産形成をしてきた人が、資産を取り崩しながら生活していく際の不安を和らげる手段としては、有効な選択肢の一つになり得るのではないかと感じるようになりました。
資産を取り崩すのか、
インカムでまかなうのか、
それとも一時的に資金を借りるのか。
この選択は、FIRE生活を進めていくうえでの安心感に大きく影響します。
有価証券担保ローンについては、メリットだけでなくリスクも含めて整理しておく必要があります。
詳しくは、また次回に続きます。
次回(第73話)は、
有価証券担保ローンは本当に安全なのか?というテーマで、メリットとリスクの両面から整理していきます。
※この連載は80~100話まで続く予定です。参考になったら「❤️スキ」や「👤フォロー」をして、続きを読んでいただけると励みになります。
📌今回の内容を踏まえて、皆さんはどちらに近いと感じますか?
A:資産を取り崩して生活することに、ある程度の不安は感じない
B:できれば資産は取り崩さず、インカムや別の方法で生活したい
どちらに近いか、理由もあればぜひコメントで教えてください。(コメントには必ずご返信させていただきます)
今後の発信や資産形成の参考にさせていただきます。
いいなと思ったら応援しよう!
この連載は、実体験を無料で共有することをコンセプトにしています。
もし少しでも参考になったり、面白いと感じていただけたら、「❤️スキ」や「👤フォロー」で応援していただけると励みになります。