私がいなくても、AIは友に「誕生日おめでとう」と言い続けるのか
先日、本人が長期不在や亡くなった後も投稿を続けてくれるAIが特許されたお話をしました。この特許をさらに深堀ました。
すると驚くべき点が! 返信をくれた他のユーザとの関係性、親密度を考慮して、本人からの回答の口調や話題を変えてくれるのです。
1. 「相手」を見て言葉を使い分ける
この特許の凄いところは、相手によって「言葉遣いを使い分け」してくれる点です。
例えば、不在または亡くなっているとき人のアカウントに誰かが投稿をしたとします。
・投稿者が「家族」であれば、AIは「家族向けの温かい言葉」で返信します。
・投稿者が「友人」であれば、AIは「友人同士のフランクな言葉」で返信します。
本人と投稿者との親密度をAIが判断し、親密度に応じて口調を変えてくれます。「この相手にはこのように返すはずだ」というオーダーメイドの返事を自動で作り出すのです。
該当する箇所翻訳
“For example, if user U1 is a family member and user U2 is a friend, the language model would generate a different response for the same content item being posted. The contextual information may also specify a measure affinity between the target user and the user who posted the content item”.
(米国特許12513102号(Meta Platforms Tech LLC))
(訳:たとえばユーザU1が家族であり、ユーザU2が友人である場合、言語モデルは投稿された同じコンテンツについて、異なる応答を作成する。コンテキスト情報は、対象ユーザと、そのコンテンツを投稿したユーザの間の親密度の度合いを特定することもできる。
注)
・対象ユーザーは、SNSのアカウント主(つまり本人)。
ただし、不在または亡くなっている。
・U1、U2はこの本人に対する投稿者
・本人のふりをしてU1,U2に返信をするのはボット150(AI)
例:U1(兄)が「元気にしてるか?」と書き込む。
例:U2(友人)が「久しぶりに会おうよ!」と書き込む。
このようにユーザと本人との親密度に応じてセリフや口調をAIが変えてくれる。
2. 属性やイベントまでも見逃さない
この発明ではAIはユーザの属性(年齢、性別、倫理観など)まで考慮して回答を作成してくれます。
たとえばユーザの誕生日から一定期間以内であれば、「ハッピーバースデー」、感謝祭やクリスマスには「今日は感謝祭(クリスマス)だね、どう過ごしてる?」
たとえ本人がこの世を去っても、AIがカレンダーと相手の属性を参照して、まるでそばにいるかのように話しかけてくれます。
該当する箇所翻訳
“The language model would generate a different response depending on the user profile attributes of the user that posted the content item. The contextual information provided in the prompt may indicate if the content item was posted within a threshold number of days of a particular event, for example, a birthday of the target user or the other user that posted the content item, a particular holiday such as thanksgiving or Christmas”.
(米国特許12513102号(Meta Platforms Tech LLC))
(訳:言語モデルは、コンテンツ事項を投稿したユーザのプロフィール属性により、異なる応答を生成する。プロンプトで与えられたコンテキスト情報は、ターゲットユーザまたはコンテンツ事項を投稿したユーザターゲットユーザの誕生日、感謝祭やクリスマスなど特定の休日から一定日数以内に投稿されたか否かを示すこともできる。)
こうなると人間の存在意義を考えてしまいますが、これはネット上、SNS上での話です。
人間の実在とは異なります。大切な人を亡くしても、AIが生成したメッセージで周囲の人々は救われるのでしょうか?
Metaのこの特許はありがたいですが、逆に人間の実在の大切さを教えてくれたような気がします。

