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【スキマ小説】太郎系男子~三太郎会合~ショートショート

──とある居酒屋のカウンター。

日本昔話界の三大レジェンドが、静かに酒を酌み交わしていた。

「で、なんで俺たちが呼ばれたんだ?」

桃太郎が腕を組みながら、目を細め──

「おうおう、こんな薄暗ぇ場は肌に合わねえんだがな!」

金太郎がまさかりを床にドンッと叩きつけ、酒をあおると──

「まあまあ、落ち着きたまえ」

浦島太郎はその場を和まし、煙管(きせる)をくゆらせた。

──そう、今夜の議題はひとつ。

『結局、誰が一番強いのか』

「戦力的には俺がダントツだろ?」

桃太郎が団子を机に並べて続けた。

「こいつを食わせば、どんな動物でも仲間になるんだ!」

「へぇ」

金太郎が団子をひょいとつまんでじっと眺めた。

「……で、これ食ったら強くなるのか?」

「いや、ただ仲間になるだけだ」

「仲間になるだけかよ! だったら雑魚が増えるだけだろうが!!」

金太郎が拳をボキボキ鳴らして机を軋ませる。

「まさかり一発でクマも吹っ飛ぶ俺の前じゃ、団子軍団なんざただの烏合の衆だ」

「ふむ」

浦島がゆっくりと笑った。

「力業か……単調だな。私は玉手箱ひとつで“時間”を操れるのだ」

「いや、玉手箱ってじいさんになるだけじゃね?」

桃太郎が箸を止めずにツッコむ。

「違う。戦略的に使えば、敵だけを老衰させることが可能なのだ」

「……つまり?」

「敵を一気に、50年分老衰させることができる」

「え? ちょっと待て。お前がそれを鬼ヶ島で使ったら……」

「鬼、全員おじいちゃん確定」

「戦わずに勝てるじゃん……」

桃太郎が唸ると、浦島は煙をふっと吐いてドヤ顔をキメた。

「時代は知略だよ、諸君」

「いやいやいや!! 結局お前ジジイになってんじゃねーか!!」

金太郎がかぶせ気味に叫ぶと、

「わしは老いてなお強いわい!」

「急なジジイ口調やめろって! キャラブレるな!!」

「……お前は逆にブレねーな……ずっと脳筋」

桃太郎が大袈裟にため息をついた。

「お前、クマと相撲しかしてねぇじゃん」

「うるせぇ! 結局、勝つのは気合とパワーなんだよ!!

……で、脳筋ってなんだ?」

「いやそこ引っかかんな!!」

すると、浦島がふたたび微笑む。

「まぁまぁ、そんなに熱くならんでもよかろう?
実際、戦う場面なんてそうそうないんじゃし。……力を誇示するよりも、“三太郎同盟”でも結んだほうが得策だと思わんかね?」

三人に沈黙が流れる。

「……ありじゃね?」

桃太郎が賛同すると、

「団子で仲間を増やし、金太郎のパワーで蹴散らし、浦島が時間操作すれば……」

「天下取れんじゃねえか!!」

金太郎が豪快に笑った。

「よし、今日から三太郎同盟だ!!」

「では、乾杯じゃな!」

三人が杯を掲げる。

「天下統一に向けて──」

「かんぱーい!!!」

──こうして、日本昔話界に新たな伝説が生まれた。

……はずだったが、

三太郎たちの“会合”は、毎回ただの飲み会と化し、天下を取るどころか、居酒屋の常連になったらしい。

──今日もまた、”とりあえず一杯”の夜が更けていく。

めでたしめでたし。

* * *

📚こちらの作品をエピソード0とし、TALESにて連載小説──
「三太郎の異世界覇道戦記」
を書き始めました。もし、よろしければ一度読んでみて下さい😊


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