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Take-39:映画『フル・モンティ(1997)』は面白かったのか?──“くっだらね〜(←褒め言葉です)”とは何か?

【キャッチコピー】
『男6人失うものは何もない。やるっきゃない……』

【作品の舞台・時代背景】
イギリスはイングランド、シェフィールド。かつては鉄鋼業で栄えていたが衰退。不況により多くの失業者を出したことがこの作品の重要な軸となっている。

【原題】
『The full monty』
 英俗語であり、この映画の場合だと「全裸・すっぽんぽん」の意味となる。

 また「full monty」には、他に「全てのもの、全部、一切、何もかも、何から何まで、全体」の意味もある。

 語源としては「full amount」(全額、満額、これ以上ない)という意味とイギリスのコメディ・グループ「モンティパイソン(Monty Python)」の「Monty」をかけあわせた表現。

 ちなみに「Monty Python」の「Monty」は第二次世界大戦中、西方戦線でロンメル将軍と闘った、英国陸軍元帥バーナード・ロー・モントゴメリーの愛称。 これにニシキヘビの意、「Python」をくっつけている。 メンバーがジョン・クリーズの家に集まって、男性崇拝的な感じの名前はないか……と考えた結果だそうなw
 さらに言えば、IT用語、プログラミングの「Python」は開発者がモンティパイソンが好きだったのでそう名付けたという。


※こちらは随分と前に書いたものに「やや修正」を加えた記事であります。
 ペイザンヌの感想(もはや感想ですらない)史上最もくだらない回かもしれませんので駄目な方、ごめんなさい。
 しょーもないこと書いてんなぁ……と苦笑しつつ読み返してみましたが、考えてみるとペイザンヌの口癖「くっだらね~(褒め言葉)」についての哲学(?)のようなものが一番出ている回かもしれないなと、この辺りで一度載せておくことにします。

【上映時間:91分】

 𓃠まずは皆さま、2025年、明けましておめでとうございます。昨年はたいへんお世話になりました。
    皆様、よき映画ライフをお過ごしでしょうか?
    N市の野良猫、ペイザンヌです。
『どーでもいい時間』がやってまいりました。ホントにどーでもいいんで、どーでもよくない方はすぐにでもやらなければならないお仕事に戻ってください。特に今回、後半などはや「感想」ではないので、そこまでして読む価値はこれっぽっちもありません。今回は画像も貼ってません。はい、めんどくさいからですw

    今回はお正月の厳かな雰囲気をぶち壊してやろうと……もとい、お正月なら少々くっだらね〜こと書いても許されるのではなかろうか(いや、むしろ許してほしい)などと思い、こちらを選びました。

 その昔、映画のタイトルの語尾に(全裸で)をつけてみようという「くっだらね〜」お題が某SNSで立ち上がったことがありました。が、なにげに自分としてはこの「くっだらね〜」って、ある意味最高級の褒め言葉でもあるわけでありまして。
 そうなるともう思わず分析せずにおれない自分がいるわけです。
 が、しかし、

 このお題の主旨をよく理解していない方が多いのか、なんでもかんでも映画のタイトルに『全裸で』をくっつけりゃ面白いというわけではない──そのことに気付くのにさほど時間はかからず、ん~ではハタシテ何をもって「おもしろい」と感ずるのか? と、真剣に悩んでみたところ、

「全裸」とは「哀愁」である 

 という、これまたど〜でもいぃ真実にボクは気づいてしまいました。これは後半に実技(実技?)で検証してみることにします。

 哀愁──それはまさに映画『フル・モンティ』で失業者たちが生活のために「男性ストリップ・ショー」でひと儲けしよう! と悪戦苦闘するあの姿にも似てるのではないかということに気づいてしまったからです。

 この『フル・モンティ』を観たのが今は無き名館〈日比谷シャンテ・シネ〉だったことを今でもよく覚えております。

 そしておそらくなんですが、私の中の“とある“No.1”のひとつなのです。それは、

「見ている間の体感スピード」No.1
 つまり「あっという間の90分間」
 ということ。
 ちなみに「見ている間の体感スピード」No.2は個人的にリーアム・ニーソン主演の『96時間(2008)』ですね。それに続くのが何気に昨年公開された『パスト ライブス/再会(2023)』であります。

 この『フルモンティ』まあ、上映時間93分というのは決して長い上映時間ではないのですが、同じ一時間半でも「長いな……」と時計が気になるような映画はやはりあるわけで。

 ボクの体感時間に直すと半分の「42分」くらいに感じましたね。

 もう一度検証するために最近見直してみました。やっぱ速いんですよ。
「えっ? もう、終わり?」みたいな。まさに『まだ観てない人がいたら本当に羨ましい』映画の一本です。これを生きてるうちに観ないなんて大損でありまする。

 主演は『トレインス・ポッティング(1996)』のバグビー役でブッ飛んだ演技を見せてくれたロバート・カーライル。

 集まってきた6人の失業者。しかもデブにネクラにオッサンやジイサンなど肉体的にもダンスのセンスもダメダメな連中ばかり。

 最初の方は見てるこっちが恥ずかしくなるくらい。で、最後にめちゃめちゃダンスが上手くなるのかっていうと別にそうでもないんですよね。
 ダメ・チームが最後に優勝する『クール・ランニング(1993)』とか、いじめられっこが最後に強くなる『ベスト・キッド(1984・2010)』とか、そういう映画とはまたどこか違うわけです。

 彼らの目的はただひとつ。「お金が必要」なんです。大金とかではないのです。普通に養育費や生活費なんですよ。そのために、ホンっトにバカバカしいことを「真剣」に「練習」してる姿がたまらなく胸に染みるんですわ。

 6人が職業安定所の順番待ちしてる時に流れてきたドナ・サマーの曲『ホット・スタッフ』に釣られ、思わずステップを、しかもちょっと申し訳無さそうに、踏み始めてしまう場面は今見ても可っ笑しくて。そんながっちり笑えるポイントも随所に散りばめられています。

 ただ……
 不思議なんですよ、この映画、なんか。

 どう考えても笑うべきところなのに鼻の中心あたりがなんかもうね、ツーンときたり。

「なにやってんだこいつら」と思いつつも、いつの間にか目の淵がじわっと濡れてたり。

 後半30分なんてずっとそんな『痛じょっぱオモロ感動』とか、『グッとじわ辛、爆苦し涙』とか、なんかそんな辞典に乗ってないようなよくわからん感情が上半身全体にモニャモニャッて感じがずっと居座ってるんですよ。わかりますかねw

 これ、ぜひ体感してみてほしいなっていうのあります。

 ブロードウェイでロングラン・ミュージカルになったというのも頷けます。日本でも以前何度か舞台になっており主演の山田孝之さんが主演でハマリ役だったとのことですがそちらも見てみたいものだな、と。(のちに村西とおる監督を描いた『全裸監督』の主演もした山田さん、彼もなかなか全裸が好きとお見受けしますな)

 で、せっかくですので最初に述べた「映画の語尾に(全裸で)をつけてみよう」というのもまとめてみましたので載っけておきます。

 世の名作映画をFullMontyすっぽんぽんにしてやりましょう。

 哀愁を感じてください。
 ここから先はR15指定です。
 よい子は寝ましょうね♪
 ( ´∀`)
 作家さんなら創作に戻りましょうね♪
 ( ´∀`)

 まず、当時も書き込みが多かったオーソドックスなところからせめてみましょう。例題みたいな感じですね。
 やや古いタイトルが時代を感じさせます。「あ~こんな映画あったな~」とノスタルジックにお楽しみいただければ幸いです。

世界の中心で愛を叫ぶ全裸で

 哀愁ですね。
 詩的でとても美しいと先生は思います。平井賢のテーマソングがよりいっそう引き立つことでしょう。

 続きまして、
それでも僕はやってない全裸で

 ん~、なんかおしい!──って気もしますが、力強さは感じますねぇ。そこまでして言われると情状酌量の余地は充分あると思われます(ねーし)。少なくとも陪審員たちにインパクトを与えることだけは可能だと先生は思います。

いま会いにいきます全裸で

 若気の至りってやつですねぇ。
 先生にもこういう時代があった気がします。
「ありのままの俺を見てくれ!」という真心が痛いほど伝わってきますね。

 これなども非常にシュールでよいかと。

僕の彼女を紹介します全裸で

 そこにどういった意味があるのかを考えさせらずにはいられないってのもありますが 、そもそも「全裸」なのが〈僕〉なのか〈彼女〉なのかというところがミステリアスでいいかなと。まあ、それは映画を観てからのお楽しみってとこなんでしょうねぇ。 将来性を感じます。

 続きましては皆様よく御存知のエディ・マーフィー主演、

星の王子ニューヨークへ行く全裸で

 バッカバカしいですねぇ。
 ナンセンスにもほどがありますね。
 ほとんど意味不明です。

 わりかしシンプルなものも先生は好きです。
 巨匠、小津安二郎の
生まれてはみたものの全裸で

 気持ちいいくらい、そのまんまですねぇ……
「ん~ボクちゃん? まだ、悩むにはちょっと早い年齢かな~?」とツっこまずにおれません。

 対して黒澤明。こちらも大御所。近年カズオ・イシグロさんの脚本でリメイクも公開されました。

生きる全裸で
 もはや誰にも止められないといった決意を感じさせます。 とてもカッコいいです。

 対してダンカンさん脚本主演のこんな映画もありました。

生きない全裸で

 普通の人はそれが一番いいと思いますね〜。こちらは同タイトルの映画が2023年にも公開されましたね。

 また、その応用を用いることも可能です 。

いまを生きる』 全裸で

 まあ「いま」だけだったら、いいんじゃないかなとどこか許せますね、先生は。

 そう考えると「全裸」には邦題がよく似合うのかもしれませんね。かのスティーブ・マックイーンの名作も一言つけくわえるだけで趣が出るというものです。

 誰もが知っている古典名作。

大脱走全裸で

 これもやはり「全裸」になることにどういった意味があるのかを考えさせられます。「別にならなくてもいいのにね」といったところがウマ味なわけですね。 深いですね。 おそらくきっと誰にも止められないことでしょう。

 さかのぼってモノクロの時代にも、

女だけの都全裸で

 誰ですか、こういうのを書いたのは? 
    こういった自己欲求を書くのはよせと先生あれほど言ったでしょう。こういう居酒屋でオヤジがニヤつきながら言うような下ネタはダメです。嫌いな人はホントに嫌いです。引かれます。フェミニズムが大きな社会定義となってる現代では単なる炎上をもたらすセクハラ発言です。なにより「哀愁」がありません。名作が台無しです。

ええじゃないか全裸で

 よくはないでしょう。
 開き直るのは先生よくないと思うぞ。

 続いてフランスから、フランソワ・オゾンの、

8人の女たち全裸で

 聞いてます? 全っ然わかってない気がしますね。面白くもなんともありせん。これを書いた人、あとで職員室にくるように。

 では、誰かビスコンティを脱がせられる人、手をあげて。

ベニスに死す全裸で

 ようやく単なるセクハラ発言から脱却してきましたね。でもロイター発、ただの変死体発見の速報ですね。 猟奇的なものを感じます、怖いです。まあ、場所がベニスであろうと東京湾であろうと意味的になんら変わりはないと思います。もうひとひねり頑張りましょう。

 失敗例も上げておく必用がありますね。

裸の銃を持つ男全裸で
裸のランチ全裸で

 これはさすがにあいたた……みたいな、やっちゃった感があるのは皆もわかりますね。
「かぶる」ものはダメです。補習です。

 相手にイメージを浮かばせることが最も大切だと以前教えましたね。

めまい全裸で

 いいと思います。ヒッチコックですね。
 考えてみると結構コレ大変な状況ですからね。
 とりあえず服を着るべきか、救急車を呼ぶべきか考えさせる作品だと思います。『大地震』なんかも同じ活用法が使えます。

手錠のままの脱獄全裸で

 いいですねぇ、先生こういうのけっこう好きなんだな。
『大脱走』とはまた違い、脱いでから手錠をはめたのか、はめてから脱いだのかとっても気になるところですからね。 手錠をはめてから脱いだのであれば結構イリュージョンだと思います。イマジネーションが沸きます。

 ハンフリー・ボガードだって脱がせようと思えば脱がせられることも忘れないよう。

必死の逃亡者全裸で

 結構、逃げる人々には全裸がよく似合います。 それが「必死」であればあるほど滑稽だから不思議なものです。

 もちろん逃げる者に似合うならば当然追う者にだって似合います。

 今度はジョン・ウェインを脱がせてみましょう。

勇気ある追跡全裸で

 まあ、勇気いるでしょうね。
 で、最終的には、

追い詰められて全裸で

 まさに絶体絶命ですね。

 また、時に全裸であることには意味があるケースだってあります。そりゃあ誰もが皆、意味もなく好きで脱ぐわけではありません。

寒い国から帰ってきたスパイ全裸で

 まあ……暑いんでしょうね。
    寒いのに慣れちゃってますからね。
 たぶん飛行機の中まではちゃんと服を着てたんだと思います。

死ぬまでにしたい10のこと全裸で

 これは思わず先生も指折り考えちゃったな。でもね、三つくらいで充分だと思うぞ、先生は。
 そんなにしたいことないだろ、全裸では。

男の争い全裸で

 非常に醜いですねぇ。

大人は判ってくれない全裸で

 判ってもらおうとする前にまずやるべきことがあると思うぞ、先生は。この少年は根本的になにか間違っていると思います。 

何かが道をやってくる全裸で

 こうなると逆に人間でないことを祈ります。

 そして、最後に選んだのは、

ユー・ガット・メール』全裸で

 はて?

 と、先生も一瞬思ったわけですが、これはあえて投稿者の全文を載せておきましょう。
「なんか『お風呂から上がったらメールが届いてた』みたいな感じしません?」

 とのこと。
 素晴らしいです!
    ははぁ~。なるほどねぇ。
 数あるほとんどが、単なるウケ狙いだったため、この作品には先生は思わず感動してしまいましたね。ここまでくると万葉集のようです。とても文学的です。誰しも経験あるその情景が浮かんでくるようではないですか。素直に感心しました。

 さて、綺麗にしめましたところで、この『どーでもいい時間』もそろそろ終わりに近づいてきました。

 もし、ここまで読んでくださった奇特な方がいるとすればそれは本当に本当に意味のない時間でした。とても残念でしたね。

 もし先生が最後にひとつだけ意味のあることを言えるとするならば、人間というものは所詮、裸で生まれてきて、裸で死んでいくという、その一言につきるのではないでしょうか。

 そして皆、最後に笑ってこう言おうではありませんか。

素晴らしき哉! 人生』 全裸で


『フル・モンティ』 [Blu-ray] 



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