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通院日記069_地域病院_通院62日目   昨夜は僕も妻もぐっすり眠れた。 おまけに、2人とも起きるのは6時半くらいになった。早朝のブラインド越し・・・

20250521(水) 地域病院 通院62日目

 
 付き添いの23日目。

 昨夜は僕も妻も、ぐっすり眠れた。
 おまけに、2人とも起きるのは6時半くらいになった。
 早朝のブラインド越しの太陽の光ぐらいでは、目覚めるに足りない。
 昨夜から、10時間くらい眠った事になる。
 モーニング・ルーティン。
 朝の看護師に、電気毛布のカバーを替えてもらった。
 新しいカバーは、留めの紐が全て取れていて、電気毛布をカバーに突っ込んだだけの状態になった。
 特に問題はない。
 張りのあるカバーで、清潔な感じが戻った。

 10時からソーシャル・ワーカーと打ち合わせをする。
 僕達が、近くの緩和病院へ転院する意向だという切り出しになっていたので、僕の方から話を振り出しに戻す。
 回復の見込みがある場合は、対処してほしいこと。
 近くの緩和病院は、ここと同等の対応をしてもらえると聞いているので、候補に挙げていること。
 「そういうことは、緩和病棟では行わないのですが。どういうお話になっているのでしょうか。」
 そう聞いてきたので、緩和ケアの看護師から聞いていることを話し、担当医師との面談でも、同様の事を伝えている事も話す。
 選択肢は3つだと説明されたことも確認する。
 在宅か緩和ケア病棟への転院か、ここにも緩和チームがいるのでここで対応するか。
 とはいえ、近くの緩和病院で、まったく同じ処置は難しいところもあるだろうから、対処できる内容をすり合わせて決めたいと思っていて、僕達としてはそれを確認してから、転院を決めたいということも話す。
 全て、こちらから伝えている内容だ。
 「では、こちらも確認してみます。またご連絡します。」
 機嫌をそこねていたのは、仕方のないことだと思う。
 病院の意向と、僕達の考えが摺りあわされていないまま、ソーシャル・ワーカーへ、手続きを進める仕事がやって来たのだろう。

 部屋に戻って妻に報告する。
 「いろいろ伝わってなかったみたいだから、全部説明し直しておいた。」

 そもそも僕たちは、この病院で緩和ケアを受ける返答をしているつもりなのだ。
 けれど、どうもそれは難しいような動きではある。
 急性期病院だから、それを行うことができない、というのであれば言い直してもらってもいい。
 近くの緩和病院なり他の病院なり、可能な対応を確認してから転院するような話も、妻とはしているのだから。 

 水と氷が無くなってきたので、補充をしに買い出しにでる。
 廊下で日勤の看護師に呼び止められ、緩和ケアの看護師が、面談を希望しているというので面談室で待った。
 事前に義姉から、看護ショップでばったり緩和ケアの看護師に会った時に、家族のケアについて話がしたいようなメッセージをもらっていたので、その件だろう。
 緩和ケアの看護師が入ってきた。
 内容は、ほとんどこれまで通りのことを話す。
 近くの緩和病院での処置について、看護師が言う。
 「私達としては、そんな話はしていないのですけど。」
 いや、あなたがそう言ってたんですけどね、とは言わなかった。
 けれど、こんなことを言われると信頼することができなくなる。
 「輸血もその病院では、やってもらえると思いますよ。」
 担当医師からは、輸血はもうできないと聞いていた。
 「輸血に関しては先生から末期の場合はできない、法律で決められていると聞いています。末期とする状態にもよるのだそうですけど。」
 これは妻には言えていない。
 緩和ケアの看護師は、これには答えなかった。
 緩和ケア病棟への、転院の日限を切ることがあるということだ。
 概ね今までのケースでは、1週間以内と区切る場合もあったそう。
 転院できる状態でなくても、そうするのだろうか。
 「例えば、半年でもここにいるつもりですか?」
 この問いにはちょっと驚いた。
 条件によっては、妻は半年くらいは生きるのだろうか。
 妻からよくよく言われていたので、終始笑顔で対応したつもりだ。
 それに細かいことでは、その看護師から有用な事も聞くことができる。
 担当医師との面談ではあまり聞けなかった、胃がんの患者がこの後どんなふうに推移していくのか聞いておく。
 もちろん、ケースバイケースでわからないという答えだけれど、経験上の事は聞けた。
 「また、病室の方にお伺いします。」
 「はい、よろしくお願いします。」


 戻ってくると妻は洗髪の最中だった。
 この時は本当に気持ちの良さそうな顔をする。
 ヘルパーさんと妻が、旅行の話をしている。
 今日のヘルパーさんは旅行好きで、松本へ行った話で盛り上がっていた。
 お城のライトアップの時に行ったそうだ。
 「綺麗でした?」
 「なんか、すごく寒かったです。」
 中央線沿線だと、あずさは便利だと盛り上がる。
 鉄道好きらしい。
 すでに僕が手伝うことはほとんどなくて、ベッドに落ちた髪を取るべく、コロコロを持っているのが、ヘルパーさんにプレッシャーをかけてしまったようだ。
 「すぐに終わりますので。」
 いらない気を使わせてしまった。
 ドライヤーをする段になって、ブラシ、と妻に言われ慌てて取り出す。

 
 洗髪の前には、リハビリの看護師が来て、立ち上がることができたという。
 バンビ状態だったらしいが。
 「見たかったな、それ。」
 「また来るって言ってたよ。」

 
 その後、緩和ケアの看護師が部屋にやって来た。
 妻の様子を確認していく。
 点滴に、ノルアドリナリンが入っているのを見て言った。
 「これはもう、入れてないって聞いてましたけど・・・。こういう状態では、転院はできないですね。」


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