「ピタゴラス」の絶妙磁力が、子どもの潜在能力を引き出してるって確信した『ピートラ』Vol.97
機ちょーまさとです。
社員から、ピープル商品の中でSNSの話題になるNo.1は「ピタゴラス」だ、という話を聞き、Xなどで検索してみると……ほんとだ!
そんな中で商品へのギモンもたくさん。特に多いのは「磁力が弱い」。
うぬぅ……
今スグこの疑問にお答えしなければというアツい想いが急に沸いて予定変更、キーボードをたたき始めました。商品を作った側の人間としてはもちろん、いちユーザーの父としてピタゴラスへの実体験を交えて、ピタゴラスを語ろうと思います。
ピタゴラス誕生のキッカケは、算数の教材
ピープルが把握している限り、ブロック状のものに磁石を仕込んで造形遊びをするおもちゃは、このピタゴラスが元祖(1992年発売。30年以上前!)です。
元々この平面に磁石を仕込む商品アイディアは、ある学校の算数の先生が図形の展開図を説明するための教材として手作りされていたものを、おもちゃに使ってはどう?と持ち込んでくださいました(今本題とズレるのでこの詳細は後日)。
このアイディアが満たす好奇心はなんだ?
ピープルとして重要なのは、このアイディアが子どものどんな好奇心を満たすのか、です。当時、色々な年齢の子ども達に徹底的に遊んでもらって検証した様子が記録に残っています(普通はギミックとしての面白さを大人が検証するんだと思います)。
1.5~2歳ごろから、つみきやブロックなどを使って何かカタチをつくり、「見立て遊び」みたいなことをする子が現れ始めます(もちろんタイミングは個人差があります)。しかし、まだこの頃の身体能力では思ったようにくっつけたりしてカタチをつくれず、癇癪を起こしがち。
そんな子ども達にピタゴラス(の試作)を渡してみると、磁石の力で直感的にくっついてカタチをつくれるのがうれしいのか、驚くほど熱中していつまでも遊んでいる姿が見られました。また子ども達は遊びをどんどん発展させます。最初くっつくことそのものが楽しい→2パーツで見立て遊び→見立て遊びのパーツ数が増えるが平面的な作品→立体造形→……と放っておいてもどんどん進んでいきます。
もちろんもっと大きな3~6歳の子ども達、小学生、大人……と遊んでもらって十分な反応が得られましたが、ピープルでは ピタゴラスの使命は、1.5歳からの小さい子の「つくりたい!」という好奇心に応え、子どもたちのポテンシャルを引き出すことだ!と定義しました。
そこまでやるのか!ピープルものづくりプロセス
仕様のキモは「1.5~2歳くらいでも遊べること」。形、大きさ、重さ、磁力、壊れても中から裸の磁石が出てこないこと、などなどの条件を、ものすごい時間をかけてたくさん試作して、全部子ども達に遊んでもらって検証、「これならすんごい遊んでくれる!」仕様に落ち着きました(もちろん機械による強度テストもしてます)。ピープルのパイセンたちすごい……狂気を感じる。
磁力が弱いからピタゴラスは最強
さて、SNSでピタゴラスの磁力の弱さが良くも悪くも話題になっていました。後発の他社さんの磁石入りブロック商品が、元祖のピタゴラスに対して差別化のために強くしたんだと思われます。
しかし、「磁力強い」はピタゴラスにとって試作の段階で通り過ぎた道。一応、他社さんの商品を買ってテストした記録も残っていますが、うちの長男がピタゴラス最強を裏付けてくれました。
彼が2歳当時、例のごとく会社に連れてきて、いろんな試作やら現行品を遊ばせている中に、ピタゴラスと他社磁石入りブロック(以下商品A)が含まれていました。ぼく自身、2歳は商品Aをどう遊ぶのか見てみたかったんです。
しばらくは両方遊んでいたのですが、気が付くとピタゴラスだけになったので聞いてみました。「商品Aで遊んでみてよ。」
長男「だってこれ(商品A) いっぱい くっついちゃうんだもん」
!!……文章をしゃべりよった……!!
まだ頑張って2語文までしかしゃべれなかった長男が、いきなり文章を口にして父ちゃんびっくりしました。ものすごい気持ちがこもってた。
実際は、磁力が強いと部品同士がバチバチっと強力にくっついてしまって、パーツ一つだけ取ろうと持ち上げるとぞろぞろ要らないパーツがついてくるし、それらを分離させるのも彼の力では重労働になって、作品をつくるどころではなくなってしまう様子が見られたんです。
あ、この商品は2歳を対象にしてないな。
結論。なぜピタゴラスがこの磁力なのか?
・力の弱い子でも自在にくっつけて離せる絶妙な磁力
・安全のため、適度な高さで崩れるようになっている。磁石のせいで重たいので、積み上がり過ぎると崩れる時に危なくなる。
もっと言うと、5~6歳くらいまでの子ども達にはこの方が安全で、楽しく遊びやすいからです。子どもの好奇心にグサッと刺さって、驚くほど遊ぶモノづくりには、こういう絶妙な加減がキモなので、開発時間のかけがえがあるんですよね。
またその後もいろんな研究や検証によって、この絶妙磁力が発展的な遊びも促すことがわかりました。
●ある程度以上に積もうと思ったら磁力に頼れなくなり、強度の構造的理解が必要になる。小学生以上になると、いつの間にか「はすかい」や「柱」などを自分で編み出して、組み込んで、超大作をつくり始める
現在小学5年生の長男は、まさにそうやって遊んでます。「でかいのつくりたい!」好奇心が、子どもを成長させたことを感じて、なんだかものすごく納得しました。
大人が遊ぶなら、商品Aを含め他社さんのものの方が良いと思いますが、子どもが遊ぶならピタゴラスが最強、と自信をもってお伝えします。
以上、2,000文字をかけてピタゴラスについてじっくり語ってみました。急に書き始めたので当時の写真が見つからなかったんですが、見つけ次第こちらにアップしていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
