「おっさんパンツ」第2話【漫画原作部門】
よう。
さっき会ったか?
それともしばらく期間が空いたか?
ガハハハ!
正直どっちでもいいさ。好みは人それぞれだからな!
俺?俺はあれだよ………
おっさんだ。
あのボロボロペラペラパンツ、通称ボロペラに宿ったおっさんだよ。
ん?前回と立場が変わってるって?
そうだ。
今回は俺メインだ。
あのボロペラボーイ側の意見だけじゃ偏っちまうだろ?
これはお前達のためでもあるんだぜ?
公平にってやつだ。
現在はそうだな……1月6日だな。
俺がボロペラに魂宿してから大体5日くらい経ったか。
この5日でボロペラボーイのことも少しは分かってきたぜ。
ちょっとばかしおめえ達にも教えてやんよ。
ボロペラボーイ。
ボロボロペラペラパンツの持ち主。
大学3年生の21歳。
名前は………知らん。
しばらくはボロペラボーイていいだろ。
信じられないんだが、こいつは1月1日から1月6日まで全部バイトしてんだよ。
大学生だぜ?
もっと遊べよ!
はっちゃけろよ!
何、真面目に新年1発目からバイトしてんだよ!
って言ったらよ……
『最初の面接の時に年末年始もシフト入れるって言ったから』
だとよ…………真面目すぎるわ‼︎
大学生なんて嘘ついて楽してなんぼだろ‼︎(おっさんの偏見です)
衝撃の新年6連勤スタート。
そのせいでこちとら暇でしょうがない。
しかもあの野郎……気持ち悪いとかいう理由でこのボロペラを穿きたくないとか言いやがる。
俺が宿るまでは普通に穿いてたくせに……
俺はパンツから離れることが出来ないから、この5日間、あいつの部屋でほぼ放置プレイだわ。
痺れ切らして、何か暇つぶしのアイテムを要求したら、世界地図を置いていきやがった。
バイトから帰って来るまでに全ての国名を覚えておけって謎に因縁までつけられてな。
ただその時、初めてあいつが笑う顔を見たな。
ほんの少しニヤッとしただけだったけど。
どうやらこの家じゃあまり笑わないらしいな。
見てて分かる。
あまり居心地の良さは感じてないらしい。
家にいる時、風呂、ご飯、トイレ以外はずっと自分の部屋にいるからな。
ただ、母親が洗濯物を部屋に置いてたり、ご飯が用意されてたりするから、別に虐待とか受けてるわけではないみたいだ。
明日はあいつもバイト休みらしいから、その辺について軽く聞いてみようかな。
別にあれだぜ?
家族関係で説教たれるわけじゃないぜ?
そんなもんは人それぞれだからな。
ちょっくらどんな感じか聞いてみるだけさ。
おっ……帰って来たな。
「よう。おかえり。暇すぎるぞおい」
『世界地図渡したでしょ』
何か最初は敬語で話してきてたのに、いつからか完全にタメ口なってる。
別にいいんだけど……
「アホか。こんなんで時間潰せるか。もう全ての国も覚えたわ」
『次は国の首都を全部覚えたら、別のアイテムあげるって言ったじゃん。ここ何日間、間違えまくってるから、そろそろ全問正解といきたいところじゃない?』
「やかましい。はよ問題出せ」
とりあえず今のところ、日課がこれだ。
俺が暗記、こいつが問題を出す、そして俺が答える。
改めてだが、何じゃこの日課は……
「ガーッハッハッハッ!俺にかかればこんなもん余裕よ!」
『やっとのくせに……』
「さぁ!次のアイテムをよこしな!もう暗記モノはごめんだぜ⁉︎」
『うん。考えとくわ』
「何だ。何すんだお前」
『うーん?YouTube』
「おい。何見んだ。俺にも見せろ」
『えっ嫌だよ』
「何でだよ!見せろ!見せねえと、また夜お前が寝てる時にひたすら騒ぐぞ」
『すぐそうやって脅すのやめろよ』
ほーう。
お笑い芸人のYouTube観てんのか。
あれ……結構こいつ笑うじゃんか。
何だ。こういうの観たら普通に笑うのか。
「ん?もう観るのやめんのか?」
『疲れた……風呂入って飯食って寝る』
まぁ6連勤だからな。
そりゃ疲れるわ。
翌日。
1月7日。
ボロペラボーイはバイトが休み。
「お前休みの日何してんの?」
『ゲームかYouTube、映画、漫画………かな』
「めちゃくちゃインドアだな」
『スーパーインドアだね』
「外とか出かけねえの?」
『友達に誘われたら……あと髪切るとか行かなきゃいけない時にしか家出ない』
家があまり居心地良い感じじゃないのにインドアなのか……変わってんな。
「家族で出かけたりは?」
『へっ……?まさか……』
「前に家族と仲悪いって言ってたけど、どのくらい悪いんだ?」
いっちょ踏み込んでみるか。
嫌そうな顔で答えたら、引こう。
『うーん……家族仲が悪いというよりは、俺が一方的に嫌ってる感じかな』
なるほど。
こいつは浮いてんのか……家族の中で浮いてる存在らしい。
「何で?」
『まぁ色々あるでしょ』
「まぁ……それはそうだな」
『服は洗濯カゴに入れたら、洗って返ってくる。家に帰ったらご飯が用意してある。大学も奨学金なしに行けてる。そういう家』
「最高じゃねえか」
『うん。めっちゃ上からの物言いになるけど、親としては良いと思う』
「ここまで聞いてたら嫌う要素があまりねえけどな?」
『家族とかそういう前に1人の人間として嫌い』
ははーん………なるほど………
これは中々と………深くてややこし〜い問題っぽいな。
「兄弟は?」
『いるよ。男3人兄弟の末っ子』
「末っ子か……兄弟仲は?」
『最悪…………ってか俺がめちゃくちゃ嫌い。1番上の兄は別にだけど、真ん中の奴はぶん殴りたいくらい嫌い』
憎悪を感じる………
これは相当嫌いだな………
「お前が大学3年生だよな………2人の兄貴はまだこの家にいんのか?」
『1番上はいない。真ん中はいる』
隣の部屋から聞こえる物音は真ん中の兄貴か。
それにしても家族のことはあまり話したくないスタンスかと思ったら、案外聞いたら答えてくれるな。
『おっさんの死ぬ前はどんな感じだったの?』
「んあ?俺?俺のことはいいんだよ!今回はお前の回なんだから」
『お前の回?』
「いや……まぁ……あれだ………お前明日バイトか?」
『明日も休み』
「じゃあ、俺のことは明日聞けや。とりあえず今日はお前の話」
『ふーん……まぁいいけど』
ふぅ……危ねえ。
有限不実行になるところだった。
『何でそんな俺のこと聞きたいのさ』
「そりゃお前、上の奴らの不備でこんな形になったけど、こうなっちまったからには楽しくやっていかんとな!お互いのことを知るのはいいことだ!」
『楽しくって………ここまで何回か脅されてるんだけど……』
「細かいことは気にすんな!」
なるほどな〜。
ここまでのこいつの状況を整理すると……
母親 → 嫌い
父親 → 嫌い
長男 → 別に
次男 → 憎悪
基本的に家族とは話さない。
スーパーインドアで家にいる時は自分の部屋にずっといる。
たまに友達に遊びに誘われて家を出る。
結論 : 家族の中では浮いている存在
ってなわけだな……
段々と分かってきたぜ。
『ゲームしてていい?』
「おっ?何のゲームだ?ちゃんと俺に見えるようにやってくれよ」
『ウイニングイレボン』
「サッカーゲームか!俺がお前のゲーム技術見てやるよ!」
『黙って見てて』
「おい。今のパスは何だ」
『…………』
「点取られたぞ」
『うるさい』
「時間ないぞ。パワープレーを仕掛けろ」
『うるっさいな!集中して出来ないだろ!』
「ガハハハ!こんな小言で惑わされてるようじゃお主もまだまだよの‼︎」
『うるせえ!パンツジジイ!』
「パンツはお前のだ」
『あんまりうるさいと衣装ケースの奥にしまい込むぞ!』
「そうなったら、夜中にずっと騒ぎ続けてやる!貴様を寝かしてなるものか!」
『じゃあ、捨ててやる‼︎』
「ハッハッハッ!どうなっても知らんぞ?罪人扱いであの世でこき使われるかもな!」
「……っっ‼︎何だこのクソジジイ‼︎」
ところどころ穴が空いてボロボロ、生地も透けて肌が見えるくらいペラペラ……
こんないつゴミになってもおかしくないパンツに魂宿した時はどうなるかと思ったが、ひとまずは楽しめそうということで良いだろう。
持ち主は一癖二癖ありそうなガキだが、まぁ話せばそんな悪いやつでもない。
第2の人生とやらも少しは楽しめそうか。
どうだ?お前達も少しずつボロペラボーイについて分かってきただろ?
ここからどんどん引き出して伝えてやるから安心しな。
残りはまだ6500字くらい残ってっからよ。まだまだ………………何っ?
2話目から4000字までだと?
おい‼︎待て‼︎そんなこと聞いてないぞ‼︎
1話目は10000字なのに、何故2話目は4000字なんだ‼︎
めちゃくちゃ不公平じゃないか‼︎
序盤に両方の側からお前達に公平に伝えてやるとか言った俺がアホみたいだ‼︎
なにぃ?読む側はそんな長いこと読んでられんだとぉ…………
知るかそんなもん‼︎
くそ‼︎………騙したな………
あのボロペラクソガキボーイも………1話目でのびのびと話しやがって………
しかも次回はまた立場が入れ替わってポロペラボーイ主体だと?
俺の見せ場は?
せっかく魂宿したのに?
あんまりだ‼︎
こんなことがあっていいのか‼︎
お前達も罪人になってあの世で閻魔にこき使わっ………………
怒号が止まらないのでひとまず2話目はここまでとさせて頂きます。
次回3話は再びボロペラボーイ主体で話が進みますのでお楽しみに………………
またいつかおっさん主体の話がくるかも……?
いずれにせよ乞うご期待‼︎
