親友へのカミングアウト
タイトルのとおり、私のカミングアウトの経験です。
カミングアウトといっても、もちろん私自身のことではなく我が子のこと。これってアウティングになるの?と思ったけれど、ペコが生まれた時から知っている人達にとってはペコは男の子。相手によっては何も伝えない方が違和感がある。そこで私は友人達との今後の人間関係をグループ分けをした。
①人間関係を切る。
②関係は続けるが、ペコと一緒には会わずにペコは男の子として話す。
③カミングアウトをする。
私は昔から友達との友人関係を継続するのがとても苦手だった。小学校、中学、高校、大学、社会人、転職、転居、、自分の状況が変わると共に新たな人間関係が生まれ、それによって過去の人間関係は自然消滅していくことが多かった。私がSNSが苦手でマメに連絡を取るタイプではないというのが大きいが、親が転勤族で昔から引越しが多かったため、人間関係は変わるもの、と小さい時から割り切っていたので、特に気にならなかったことも大きいかもしれない。そんなドライな私なので、ほとんどの友人が①か②に当てはまった。
しかしそんな私にも、一生付き合っていきたいと思っている友人達がいる。大学時代の友人達だ。今やみんな住むところはバラバラ、私は海外。それでもグループLINEでマメに近況報告をしたり、しょうもないことで笑ったりしている大切な友人達だ。もちろん一時帰国のたびに会っている。そのグループの友人達だけ、私の中で③に入った。
そんな気のおけない友人達にもペコのセクシャリティのことはずっと言えずにいた。子どもの写真を送る際も、スカートが見えないものを送ったり、帽子を被って伸びた髪が隠れているものを送ったりしていた。この友人達にはペコのことをわかってもらいたいという思いはずっとあった。みんななら絶対否定的に思わないし、絶対に受け入れてくれる。そんな確信はあったが、それでも伝えられずにいた。常にLINEでのやり取りだったので、文章で伝えることは、相手の反応、表情が直接見えない怖さがあった。例え信頼している友人であっても。
ペコの誕生日、新年、私の誕生日、、節目節目で伝えようと思って文章を作っては送れないという日々を送っていた。
気づけばペコが女の子の格好をするようになってから1年半ほど経っていた。夏には2年ぶりに一時帰国の予定。それまでに伝えるか、もう今回は子連れでは会わないでおこうか。。私が悩める日々を送っていたある日、突然友人の一人から「明日の朝みんな暇?久々にzoomで話さない?」と連絡が来た。
ここしかない!私は瞬時にここでカミングアウトをする決断した。直接話すのは前回一時帰国をした一年半ぶり、一通りみんなが近況報告をした後に私は話を切り出した。「みんなに伝えておきたいことがあって。」
ペコはトランスジェンダーの可能性が高いということ、気づいたきっかけ、今は女の子として学校に通っていること、名前を変えようと思っていること、みんなには知っておいて欲しいということ、、今まで溜め込んできたことをゆっくり話していった。途中、友人が涙しているのを見て、私も耐えきれず途中からは泣きながら話していた。
一通り話した私に対して「話してくれてありがとう。ペコ母はめちゃくちゃ素敵な母親だと思う。子どもってちゃんと空気を読むから、そういうことを親にも言えずに我慢する子って絶対多いよ。自分を素直に出していいっていう環境を作ってあげられていることがすごく素敵。」と友人の一人が温かい肯定の言葉をかけてくれた。
話し始めた時から、みんなの肯定の空気を感じてどんどん体がほぐれて緩んでいる感覚を感じていたが、この言葉で一気に体が緩んで、それと共にまた涙が溢れていった。自分では意識していなかったけれど、私は長い間、ずっと一人で戦っている感覚で体が緊張していたんだろうなぁ。トランスキッズを持つ母親はきっとこんな感覚を持つ方が多いのではないかと思う。
その後も話が進んでいくなかで、友人の1人が「そもそも『受け入れる』っていう言葉がおかしいと思う。」と言っていたのも印象的だった。その友人は「もしも自分の子どもがLGBTQだったらどうやって声をかけようか考えたことがある。」と言っていた。全ての人に、彼女のような多様性を自分ごととして考えてみる感覚があれば、もっと周りを思いやれる優しい世の中になるのにな、と強く思った。
今回のカミングアウトに限らず、どんなことであれ、自分を理解して応援してくれる人がいるって本当に心の持ち様も身体も全然違う。私自身も、子どものことはもちろん、周りの大切な人に対してそういう姿勢を忘れずに持っていきたいと思った。
