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オジサンとオバサンは、いつからこんなに若くなったのか。

子供の頃に見たドラマで、妙に印象に残っているものがある。

『男女7人夏物語』だ。

当時の自分は、そのドラマに出てくる男女を見て、正直こう思っていた。

オジサン、オバサンの恋愛って気持ち悪いな。

今思えば、かなり失礼な感想だ。

でも、子供の頃の感覚なんてそんなものだと思う。

大人が恋愛している。
しかも、若者のキラキラした恋愛ではない。
何となく生々しくて、面倒くさそうで、妙に湿度がある。

子供の目には、それが「オジサン、オバサンの恋愛」に見えた。

ところが、あとになって調べてみると驚いた。

出演していた男性陣は30代。
女性陣は20代だったらしい。

今の感覚で言えば、全然若い。

むしろ、普通に恋愛ドラマの中心にいて何の違和感もない年齢だ。

でも、子供の頃の自分には、それが完全に「大人の世界」に見えていた。

子供から見た30代は、完全に大人だった

子供にとって、30代はかなり遠い存在だ。

20代後半でも十分大人に見える。
30代なんて、もう完全にオジサン、オバサンだ。

それは仕方ない。

小学生や中学生から見れば、大学生ですら大人に見える。
ましてや社会人で、酒を飲んで、恋愛して、仕事で悩んでいる人たちなど、完全に別世界の住人だ。

だから当時の自分が『男女7人夏物語』を見て、「うわ、大人の恋愛って気持ち悪いな」と思ったのは、ある意味では自然だったのかもしれない。

ただ、今になって考えると面白い。

自分が「オジサン、オバサン」だと思っていた人たちは、実は今の感覚ではかなり若かった。

これは単に、自分が子供だったからそう見えたというだけではない気がする。

時代そのものの年齢感覚が変わっている。

昔の30代は、今の40代くらいに見えた

昔のドラマや映画を見ると、30代がやけに大人に見えることがある。

顔つき。
服装。
話し方。
髪型。
背負っている空気。

全部が今よりも落ち着いている。

悪く言えば老けている。
良く言えば大人の貫禄がある。

今の30代とは明らかに雰囲気が違う。

昔の30代は、もう家庭を持っていて、会社でも中堅で、人生の方向性がかなり固まっている感じがあった。

一方で、今の30代はまだ若い。

恋愛もする。
転職もする。
起業もする。
趣味にもお金を使う。
見た目も若い。
価値観も柔らかい。

昔の30代と今の30代では、同じ年齢でも中身の印象がまったく違う。

これはかなり大きな変化だと思う。

最近のドラマは、もっと上の世代が主役になる

最近のドラマを見ていると、昔よりも明らかに上の世代が幅を効かせているように感じる。

40代、50代、場合によっては60代でも、普通に恋愛や人生の中心にいる。

昔なら脇役だった年齢の人たちが、今は堂々と主役を張っている。

これは単なるキャスティングの問題だけではないと思う。

社会全体が高齢化している。

視聴者の年齢層も上がっている。
テレビを見る中心世代も若者だけではない。
お金を持っているのも中高年。
人生に悩みを抱えているのも中高年。
恋愛や家族や仕事について、まだまだ語ることがあるのも中高年。

だから、ドラマの中でオジサンやオバサンが存在感を持つのは自然な流れなのだと思う。

若者だけの物語では、もう社会全体を描けない。

高齢化社会は、ドラマの世界にも出る

高齢化社会というと、年金や医療や介護の話になりがちだ。

もちろん、それは重要だ。

でも、高齢化の影響はもっと日常的なところにも出ている。

たとえば、ドラマの登場人物。
バラエティ番組の出演者。
CMに出てくる俳優。
映画の主人公。
雑誌の特集。
SNSで影響力を持つ人。

あらゆるところで、中高年の存在感が増している。

昔なら「若者向け」とされていたものにも、普通に40代、50代が入ってくる。

そして、それがそれほど違和感なく受け入れられている。

これは、社会の年齢構成が変わったからだと思う。

若者が多かった時代には、若者の物語が中心だった。
中高年が多い時代には、中高年の物語が増える。

当然といえば当然だ。

オジサンもオバサンも若くなった

ただ、それだけではない。

高齢化社会になったから中高年が増えた、というだけなら少し暗い話になる。

でも、最近の中高年を見ていると、単純に若い。

見た目も若い。
服装も若い。
趣味も若い。
恋愛感覚も若い。
働き方も若い。
新しいものへの反応も、昔ほど鈍くない。

もちろん人による。

でも全体として、昔の40代、50代と今の40代、50代はかなり違う。

昔なら「もう落ち着く年齢」とされていた年代でも、今は普通に挑戦する。
転職する。
起業する。
恋愛する。
推し活する。
ジムに行く。
SNSをやる。
動画を作る。
新しいサービスを使う。

昔の感覚で言えば、かなり若い。

つまり、今のオジサン、オバサンは、昔のオジサン、オバサンではない。

年齢の意味が変わっている

結局、年齢の意味そのものが変わっているのだと思う。

昔の40歳は、かなり大人だった。
今の40歳は、まだまだ途中という感じがある。

昔の50歳は、人生の後半に完全に入っている印象だった。
今の50歳は、まだ何か始められる感じがある。

昔の60歳は、引退が見えている年齢だった。
今の60歳は、普通に現役感がある。

もちろん、身体は確実に歳を取る。

若いつもりでも、無理はきかなくなる。
体力も落ちる。
健康の問題も出てくる。
人生の残り時間も考えるようになる。

でも、社会的な年齢感覚は確実に後ろへずれている。

30代はまだ若い。
40代もまだ若い。
50代でもまだ動ける。
60代でもまだ主役になれる。

そういう時代になっている。

子供の頃の「大人」は、今見ると若者だった

振り返ると不思議だ。

子供の頃に「オジサン、オバサンの恋愛」と思って見ていたドラマの登場人物たちは、今見ると全然若い。

むしろ、まだまだ人生に迷い、恋愛に振り回され、仕事で悩み、人間関係で揺れる年齢だった。

それを当時の自分は、ずいぶん遠い世界として見ていた。

でも今なら分かる。

大人になったからといって、人はそんなに完成しない。

30代でも迷う。
40代でも揺れる。
50代でも恋をする。
60代でも承認欲求はある。
何歳になっても、人間はそれなりに面倒くさい。

それが分かるようになった。

だから、今のドラマでオジサンやオバサンが恋愛していても、昔ほど違和感はない。

むしろ、そちらの方がリアルに見えることさえある。

若者だけが恋愛するわけではない

よく考えれば当たり前だ。

恋愛は若者だけのものではない。

悩みも若者だけのものではない。
仕事の葛藤も若者だけのものではない。
人生の迷いも若者だけのものではない。

むしろ、歳を取ったからこそ複雑になる感情もある。

家庭。
離婚。
親の介護。
子供との関係。
仕事の限界。
老いへの不安。
過去への後悔。
まだ残っている欲望。

中高年の物語には、中高年にしか出せない深さがある。

子供の頃には、それが分からなかった。

だから「気持ち悪い」と感じた。

でも今は、そこに人間のリアルがあることが分かる。

まとめ

子供の頃、『男女7人夏物語』を見て、オジサン、オバサンの恋愛は気持ち悪いと思っていた。

でも、調べてみると、男性陣は30代、女性陣は20代だったらしい。

今の感覚では、全然若い。

それなのに当時の自分には、完全に大人の恋愛に見えていた。

それは自分が子供だったからでもある。

でも、それだけではない。

時代全体の年齢感覚が変わったのだと思う。

最近のドラマでは、もっと上の世代が主役として存在感を持っている。
40代、50代、60代でも普通に物語の中心にいる。
それは高齢化社会の影響でもあるし、実際にオジサンもオバサンも若くなっているからでもある。

昔のオジサン、オバサンと、今のオジサン、オバサンは違う。

年齢は同じでも、社会の中での見え方が変わった。

そして何より、人は何歳になっても完成しない。

恋愛もする。
迷いもする。
見栄も張る。
傷つく。
嫉妬もする。
それでも、まだ何かを求める。

子供の頃には気持ち悪く見えた大人の恋愛も、今になれば少し分かる。

結局、オジサンもオバサンも、内側にはまだ終わっていない何かを抱えている。

そして、そういう人間の未完成さこそ、ドラマになるのだと思う。

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