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【読書感想文】『アメリカの巨大軍需産業』広瀬隆

 初読は2003年でこれも実に20年ぶりの再読。個人的に決定的影響を受けた一冊。当時は情報収集の方法すら知らなかった為にアメリカのプロパガンダを疑えなかった。しかし本書を読んでいた為に完全には洗脳されなかった。
 他に船戸与一『猛き箱船』はフィクションながらマグレブにおける紛争の原因がEUの軍需産業にあると教えてくれた。
 アメリカ軍需産業史。そしてそれに巣食う救う連中。20年後の現在でも大勢は変わらない。つまり四大メーカーはボーイング、レイセオン、ロッキードー・マーチン、ノースロップ・グラマン。これらがウクライナ戦争で途方も無い利益を上げた。
 ロシアを打ち負かせとウクライナを応援した皆様方のお陰です
 さて、ここまで来る際の複雑さたるや。特に冷戦終結後に激しい変化が続いた。
 巻末の折込は表がアメリカの基地地図、裏が軍事カンパニーツリー。文字だけだと極めて分かりにくい各社の離合集散が一目瞭然に分かる様になっている。
 ホワイトハウスとペンタゴンを中心に、アメリカの国家機構が軍需産業に乗っ取られていると言うのは正しくなく、国家建設から軍需関係者が関わっていて、最初から「軍事国家」「戦争国家」、それがアメリカ。
 何故アメリカがこうなったのか。それは近代ドイツと日本との戦争がそうさせた。著者の戦争責任論は明快で、日本の否は弁解できない、戦後のGHQの改革は素晴らしかったと言う。しかしそのGHQにも二重性があり、日本を再軍備させた。
 アメリカはユーゴ空爆でも嘘や誇張を広めてそれを正当化して多数の民間人を虐殺した。その際の責任者は正副大統領にあり、ゴアなどはどれほど恥知らずなのか。そしてそんなヤツのスピーチに感動する人も。
 政治に詳しくない人でも名前くらい知っているアメリカの政治家の名前が続々出てくるが、まともなヤツはいない。皆戦争屋。例えばオルブライトは中東で武器を売っていた死の商人。
 ミロシェビッチやセルビア人を悪魔化した事が指摘されているが、これは「カダフィが!」「アサドが!」「プーチンが!」「ハマスが!←New」と続いている。いい加減ウソ八百に気付こう。共感の危険性はここに極まる
 戦争や紛争は民族や宗教やテロが原因で起こるのではなく、アメリカの軍需産業のご都合で引き起こされ、その際に上記の要素が利用されるだけ。民族が捏造される事すらある。東ティモールの独立運動もアメリカの謀略。もちろん石油利権。オイルメジャー、   CIA、FBI、CFR(外交関係評議会)、全米ライフル協会、NASA…どこもかしこも軍需産業利権絡み。正にアメリカは「戦争屋の、戦争屋による、戦争屋の為の国家」だ。所で、「ロシアはKGB国家」と言う人がいるけど、それなら「アメリカはCIA国家」だ。パパ・ブッシュは元CIA長官
 反ワクチンの起源は1.宗教、2.過去の黒人への人体実験。しかし陰謀論界隈のそれはどちらでもなさそうなのでなぜかと思っていたら本書に答えらしい物があった。
3.現代の人体実験だった。湾岸戦争時に毒ガス兵器対策としてワクチン接種が強制されたが、未知の毒性を含んでおり、案の定重篤な有害事象が出た。コロナワクチンはmRNAタイプで治験の段階で毒性があったので、陰謀論者さんが騒ぐのも無理はなかった。
 本書を読んで思うに、アメリカの犯罪を指摘せずに反米勢力を批難する人々(特にアカデミズムとジャーナリズム)は一体どうしてか。
1.米帝の狗
2.洗脳済み
3.無知
4.バカ
 さてどれだろう。更に、この軍事費の巨額さを見れば財政破綻論や貨幣数量説の不自然さにも気が付くはずだ。なぜこの点を指摘しない?
 本書は2003年刊ながら非常に密度の高い内容で大変オススメできる内容になっている。広瀬隆は素晴らしい作家だ。もっと早くに再読すればよかったが「読んだ気」になってしまっていた。それ以外でも今ほど知恵も知識もなかったから今再読して正解だったかもしれない。

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