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視線が語るもの

エミは付き合っているタカシを信じていないわけではない。
ないのだけれど…あることないことがとめどなく浮かんでくる。

気が付くとエミは右斜め上を見ていた。

何かの本で見たことを思い出す。

人は想像や創造をイメージするとき 右斜め上に視線を向けるという心理学的な意味合いがあるということを…

こうなるとエミの潜在意識はタカシが浮気をしていたかもしれないということで頭が一杯になり 思考が停止してしまう。

エミはすぐにタカシをいつものコメダに呼び出し 質問攻めにしたのだが
タカシの無罪は確定する。

エミの執拗な取り調べに対し アリバイを語るタカシは終始 エミの目を直視していたし 動く視線は左斜め上だったのだ。

エミは何かの本で見たことを思い出す。

人は過去を想起するとき 左斜め上に視線を向けるという心理的な意味合いがあるということを…

タカシは無罪釈放となったのだった。そして エミは安心し帰路に着いた。


安心したのも束の間だった。

今度は彼氏のサトウに対する疑念がわいてきた。
一度湧いてきた疑念は留まることを知らない。

この時 エミは自分が右斜め上を見ていることに気付いた。

そして 何かの本で見たことを思い出す。

人は想像や創造をイメージするとき 右斜め上に視線を向けるという心理学的な意味合いがあるということを…

サトウには疑わしいことが山ほどあるという記憶が蘇ってきた。あんなことやこんなこと この時 エミは自分が左斜め上を見ていることに気付いた。

また 何かの本で見たことを思い出す。

人は過去を想起するとき 左斜め上に視線を向けるという心理的な意味合いがあるということ…

こうなるとエミの潜在意識はサトウが浮気をしていたに違いないということで頭が一杯になり 思考が停止してしまう。

エミはすぐにサトウをコメダに呼び出し 質問攻めにしたのだが
サトウの有罪は濃厚となった。

エミの執拗な取り調べに対し サトウは終始 エミと目を合すことはなく
動く視線は右斜め上だったのだ。

再び 何かの本で見たことを思い出す。

人は嘘をつくとき 実際に起きていないことを頭の中で構築する。
これは脳が創造をイメージしているのと同じことなのである。

怒り露わにエミがサトウに浮気をしたことを認めさせようとした時だった。

「そう言えば エミ いつもスタバなのに なんで今日はコメダ?」

サトウがそうつぶやいた時

エミは斜め右上を見ていた。




最後までお読みいただき ありがとうございました。

では 素敵な1日を✨



#なんのはなしですか
#ショートショート


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