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1万以上のスキを集めたnoteから選り抜いて、創作のヒントをまとめた3冊のZINEができるまでの全記録

「パーソナル編集者®︎」は、サービス開始から4周年を迎え、累計500人以上の個人の発信に伴走してきました。

「書きたいけれど、何を書けばいいかわからない」「もっと読まれる文章にしたい」。そんな創作の悩みに寄り添いながら、一人ひとりが自分らしく書きつづけるためのサポートを行っています。

2025年1月に公式noteを開設し、書けるようになるコツや読まれるようになるコツ、パーソナル編集者の活用方法など、創作のヒントを発信してきました。公開記事は100本を超え、これまで1万以上のスキをいただくなど、たくさんの方に読んでいただいています。

そして今回、創作に悩んだときに何度でも立ち返れるように、公式noteで届けてきた記事に新規コンテンツを加え、3冊のZINEとして編み直しました。紙の本ならではの魅力を楽しめるよう、デザインや構成を一から見直しています。

3冊のZINEには、どんな想いと工夫が込められているのでしょうか。主宰のみずのけいすけ、ZINEの編集を担当した三浦えりさん、森岡まこぱさんに語ってもらいました。

左からみずのけいすけ、森岡まこぱさん、三浦えりさん

みずのけいすけ
goodbuff inc. 代表。「パーソナル編集者®」主宰。企業と個人のブランディング支援に従事している。ZINEプロジェクトの発起人。
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森岡まこぱ
編集者、ライター、私設図書館「みんなの一箱図書館さかいめ」館長、パーソナル編集者。ZINE『noteが書けるようになる本』『noteが読まれるようになる本』の編集を担当。
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三浦えり
フォトグラファー、ライター、パーソナル編集者。パーソナル編集者を紹介するZINE『私だけの編集者、つけてみました』の編集を担当。
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届けてきたnoteを「紙の本」にした理由。ふたりの編集者と始まったZINE制作

── まずは、「パーソナル編集者」でZINE制作プロジェクトがはじまった背景を教えてください。

みずの:明確に「やるぞ!」と決めたのは、去年の秋ごろ。2026年5月4日(月)に東京ビッグサイトで開催される「文学フリマ東京42」申し込みのタイミングです。もともと文学フリマが好きで、足しげく通っているうちに、「いつか自分も出展してみたい」と漠然と憧れがあったんです。

なかなかきっかけがなかったのですが、長くご一緒している受講者さんと雑談していたときに「出しちゃいましょう」と逆に背中を押してもらって、「パーソナル編集者」のセッション中に申請フォームを送りました。すごく高揚感があったのを覚えています。

また、2025年からふたり広報さんと一緒につくりあげてきたこの「パーソナル編集者」公式noteを、ZINEとしてまとめたい想いもあって。

ちょくちょく編集部として振り返りをするなかで、「受講者×編集者対談」や「書けるようになるコツ」など、いい記事がたくさんストックされてきたことを実感していて、これを活かさない手はないとずっと思っていたんです。

そこで、「パーソナル編集者」のチームメンバーでもある、三浦えりさんと森岡まこぱさんに編集をお願いして、ZINE制作を本格的にスタートすることにしました。おふたりとも紙媒体の編集経験があって、それぞれに強みがあるので、ぼくは中身には口を挟まず、すべてお任せしています。

今回のZINEは、この二人がそれぞれ向き合ったプロジェクトでもあるんで、今日はいろいろお話を聞きたいですね。

── 今回は制作が「すべてお任せ」ということで、創作パートナーとなるブックデザイナーもおふたりそれぞれで選ばれているんですよね。

えり:私はふたり広報でもご一緒しているデザイナーの小井詰さちよさんにお願いしました。企業の冊子制作などで何度か一緒に仕事をしたことがあって信頼していたのと、ブックデザインの経験も豊富なので頼りにさせてもらいたいなと。

実際にデザイン面だけでなく、進め方などプロジェクトのあらゆる面でアドバイスをしてくれて、本当に助かりました。

まこぱ:私は20年来の友人で、私が本を出したときにもお願いしたことがあるエディトリアルデザイナーの松川祐子さんに本文デザインと装丁をお願いしました。

私が担当するZINEには写真がないので、文字だけの動きのないZINEに見えてしまう懸念があって。ビジュアル要素を入れて、おもしろく読めるZINEにするには本のことを知り尽くした専門家が必要だったんです。

私のやりたいイメージをすぐに汲み取ってくれる松川さんとならきっといいものになると思い、オファーさせていただきました。

単なるnoteの総集編ではなく、「紙の本」として楽しめるデザインに

── さっそく、それぞれのZINEのご紹介をお願いします!

えり:私が編集したZINEは『私だけの編集者、つけてみました』。取材と撮影を担当している公式noteの連載「受講者×編集者対談」を特集として取り上げ、編集者のプロフィール帳、受講者アンケート、みずのさんのコラムとともにまとめました。

『私だけの編集者、つけてみました』(A5 / 78P)

このZINEでは「編集者をつけると、こんないい変化が起こる」ということを伝えたくて。

「編集者が必要なのはプロの作家だけ」というイメージを抱くひとも多いかもしれません。でも、そもそも編集者の仕事は、文章を整えるだけでなく、書き手の中にある想いや言葉を引き出し、より届くかたちを一緒に探っていくこと。「書きたい」と思うすべてのひとに価値がある存在なんです。

「パーソナル編集者」って受講者のバディとして寄り添い、創作の後押しをする存在なんですよね。そんな編集者との関係性を、作家や著名人だけに閉じた特別なものではなく、もっとひらかれたものとして捉え直してほしいと思っています。

現在「パーソナル編集者」には、18名の編集者がいますが、寄り添い方やフィードバックのスタイルはまったく違うんです。「受講者×編集者対談」のコンテンツは、過去に7本、収録したのですが、このZINEには、すべて掲載することにしました。

『私だけの編集者、つけてみました』より、受講者×編集者対談(左)&アンケート(右)

受講者アンケートでは「受講して叶ったこと」「月に1度のセッションを一言で表すと?」など、7つの質問を投げかけています。

なかにはジーンとする回答もあって、コンテンツとしても楽しみながら、サービスや編集者のことを立体的に捉えられるページになっています。

まこぱ:私が担当したのは、コラムとnoteコンサル会の記事をベースにした『書けるようになるZINE』『読まれるようになるZINE』です。

2025年に公式noteで書かれた記事の中から厳選した、書けるようになるコツ、読まれるようになるコツが詰まったZINEとなっています。

『noteが書けるようになる本』( A5 / 52P)/ 『noteが読まれるようになる本』(A5 / 52P)

ちなみに、もともとは1冊の予定だったのですが、noteをピックアップしてシートにまとめているうちに、みずのさんから「せっかくなので、2冊に分けませんか?」と言われて(笑)。

みずの:コラムとnoteコンサル会だけでも100本近くあって、1冊にまとめようとすると漏れてしまう記事があまりにも多かったんです。2冊に分けても泣く泣く入れられなかった記事は山ほどありますが…。

あと、「書けるようになる」と「読まれるようになる」のどちらか片方だけが欲しい方もいるんじゃないかとも思ったんです。このふたつは似ているようで、じつはそれぞれ違うフェーズの悩みなので、分けたほうが読者像がはっきりしそうだなと。

まこぱ:聞いたときは「これは大変なことになるぞ(笑)」とも思いましたが、今となっては2冊で大正解だったと思っています!

── えりさんとまこぱさんは普段Web媒体の記事に携わることも多いですが、紙媒体の本づくりだからこそ意識したことはありますか?

まこぱ:読みやすさとデザインの遊びで、Webに負けないZINEを意識しました。

noteの記事をそのまま紙でまとめようとすると、どうしても機能面でWebを超えることはむずかしいんですよね。たとえば、Webなら他の方のnoteの引用も簡単に挿入できるし、読者も挿入されたURLを見たいときに見られる。

一方で紙媒体の魅力はデザイン面でたくさん遊べることです。今回はnoteの総集編としてそのまま誌面化するのではなく、「紙の本」だからこその魅力が伝わるように設計しました。

本文や見出し、背景のあしらいの細部までこだわり、ページをめくる楽しさも感じてもらえるZINEを目指しています。

『読まれるようになるZINE』より、コラム(左)とnoteコンサル会(右)

コラムパートの本文は明朝体を使って落ち着いた印象で説得力を持たせ、後半のnoteコンサル会パートはライブ感のある雰囲気を表現しています。全体的には2000年代初頭のサブカル系を意識して、背景にあしらいを置いたり、見出しにかわいらしいフォントを使ったりしています。

『私だけの編集者、つけてみました』より、受講者×編集者対談

えり:私も読みやすさは意識しましたね。対談記事では別のnoteの話が多く出てくるのですが、対談に集中してもらうためにあえてQRコードやURLなどは貼らないようにしています。

途中で写真が挟まることも踏まえて、横書き・2段で組んで、ストレスなく読めるようにしました。

── ZINEで注目してほしいポイントはありますか?

まこぱ:タイトルロゴです。デザイナーの小野寺美穂さんに初版を見せていただいたとき、なんとなく「顔」に見えたんですよね。「note」の「o」と「e」が目で、2段目が口のような。

タイトルロゴ、初版

これだと真顔に見えるので、もう少しかわいい印象を出したいと、2段目にアールをかけてもらって…。

タイトルロゴ、最終版

笑顔になりました!「パーソナル編集者」のサービスが持つやわらかい雰囲気を、ひと目で伝えられるすてきなロゴになったと思います。

えり:ユウコチカさんのイラストに注目していただきたいです。ユウコチカさんは「パーソナル編集者」の告知バナーやポスターなどを手がけてきたイラストレーターです。彼女のイラストのおかげで、「パーソナル編集者」らしい世界観を表現したデザインに仕上がったと思います。

パーソナル編集者それぞれの人柄や編集の仕事に対する考え方が伝わる個性豊かで遊び心のあるプロフィール帳もお気に入りです。

ユウコチカさん作のプロフィール帳

みずの:制作チームのLINEグループで、皆さんずっと話し合っているんですよね。ぼくはやりとりを眺めているだけでしたが、チームワークのよさがZINEにも反映されていると感じています。

えり:イラストやデザインに関わらないことでも、制作のことならなんでもグループで共有していて。だからこそ、制作への想いや意図をていねいに汲み取ってくれて、デザインやイラストにもそれが表現されているんだと思います。

文学フリマをきっかけに、創作に向き合う人へZINEを届けていく

── まずは「文学フリマ東京42」で初お披露目となりますが、今後どのように展開していきたいと考えていますか?

みずの:おふたりからバトンを受け取って、ここからは「売るぞ!」と気合いが入っているところです。

「文学フリマ東京42」当日の様子
完成したZINEを直接お渡しすることができました!

文学フリマのあとは、「書けるようになるnote勉強会」という全国を回るイベントで手に取っていただける予定です。直近では5月15日(金)に奈良県奈良市にて開催します。

また、受講者さんから「うちの書店に置きます」と言っていただけたときには、本当に、涙がでるかと思いました。しだいに、書店での展開も徐々に広げていきたいですね。もし、気になる書店さんがいらしたら、みずのまでDMをいただきたいです。

東京だけでなく、各地から届いている「読みたい!」の声に応えられるよう、まずは初お披露目で精一杯魅力をアピールします。

── 最後に、今回のZINEを通して伝えたいこと・期待することを教えてください!

まこぱ:タイトルに「note」と入っていますが、「note」や「書くこと」に限らず、創作に関わるすべてのひとに読んでいただきたいです。

ベースとなったnoteの書き手の個性や視点もすてきなので、「こんなにおもしろい書き手がいるんだ」と多くの方に知ってもらえたらうれしいです。

えり:私は「パーソナル編集者」公式note編集部のメンバーでもあって、定例ミーティングで毎回「今月もいい発信ができているね」とみんなで共有してきたものが、ZINEというかたちあるものにまとまったことが、まずうれしいです。

書くことに少しでも興味がある方に届いてほしいですし、「パーソナル編集者」がWebの世界を飛び出すきっかけになったらいいなと思っています。

みずの:まずは一つひとつの記事に関わってくれているライターや編集者、インタビュイーの皆さんに「これは自分の本だ」って思ってほしいです。自分が関わったコンテンツがZINEになったことを誇らしく思ってもらえたらうれしいです。

また、紙の本だからこそ読みたいと思ってくれる方もたくさんいると思います。文学フリマは「パーソナル編集者」がこれまで出会えていないひとと出会うチャンスだと思っているので、たくさんの方と会えることを楽しみにしています。

制作:ふたり広報(執筆:水元琴美 / 編集:金井みほ)、撮影:横田裕市