無修正も生成可能なVenice AIを久しぶりに開いたら、別物になっていた
半年前、わたしはVenice AIという「検閲なしのプライバシー重視AI」を記事で紹介しました。
そのまま、正直ずっと放置していました。宣伝も追加でしていません。
ところが先日、久しぶりに管理画面を開いてみたら、紹介リンク経由の登録が、この半年のあいだもぽつぽつと続いていたんです。わたしが何もしていない間も、です。
「放置してたのに、それだけ今も人が入ってきてるツールなんだ」と、逆に驚きました。
そこで改めて中を見にいったらわたしが紹介したころのVenice AIとは、もう別物になっていたんです。
この記事は、その「別物になったVenice AI」を、半年前の記事のアップデート版としてまとめたものです。前回読んでくれた人も、今回初めての人も、これ1本で最新の全体像がつかめるようにしています。
前回の記事はこちら↓
Venice AIは「チャット」から「制作ハブ」になった

半年でいちばん変わったのは、ここです。
前回のVenice AIは、ざっくり言えば「検閲のないチャットAI+画像生成」でした。
今のVenice AIは、チャットの中で検索・画像・動画・音声・ファイル解析までを自動でつなぐ、エージェント型のAI制作ハブになっています。
「ただのチャットAIではなくなった」というのが、半年ぶりに触ったわたしの率直な感想です。
何が増えたのか、ひとつずつ見ていきます。
Veniceの「規制がゆるい」という根っこは今も健在
機能はどんどん増えましたが、Veniceの出発点は変わっていません。
他の大手AIより、表現の規制がゆるい。 これがVeniceの出自であり、いちばんの売りです。前回の記事でも、ここに惹かれて読んでくれた人が多かったはずです。

特に強いのが画像生成です。用途に合わせて、規制の少ないオープンソース系の画像モデルを自分で選べます。Z-Image Turbo、Chroma、Flux系といった汎用モデルに加えて、NSFW(成人向け)に対応したモデル(Lustify など)まで用意されています。大手ツールだと入り口で弾かれる表現でも、Veniceならモデル次第で通ります。「規制のゆるい画像生成を目的に来る人」にとっては、ここが最大の理由でしょう。
ただし、誤解してほしくない点が3つあります。
「何でもアリ」ではない:違法なもの(実在の児童に関する表現など)は規約で当然禁止。あくまで法令と利用規約の範囲内です
モデル次第:全部のモデルが無修正なわけではなく、規制のゆるいモデルを自分で選ぶ必要があります
動画はまだ過渡期:動画生成そのものはあります(Sora 2、Veo 3、Kling、Wan など)。ただし「無修正の動画」は現状まだ安定して作れず、今後の対応待ちという段階です。動画に画像と同じ期待をすると、たぶんガッカリします
ざっくり言うと、画像は規制ゆるめ/動画はこれから。ここを正しく押さえておくと、登録後に「思ってたのと違う」となりにくいです。
変化①:チャットが「エージェント」になった(Agentic Chat)
いちばん大きいのがこれです。
2026年5月、Veniceのデフォルトのチャットが「Agentic Chat(エージェント型チャット)」に切り替わりました。
何が違うか。
前は、画像が欲しければ「画像モードに切り替える」、検索したければ「検索をオンにする」と、こちらが手動で使い分けていました。
今は、複雑な依頼を投げると、Venice側が勝手にステップに分解して、必要な道具を自分で選んで使うんです。
Web検索が必要だと判断すれば、検索する
画像が必要なら、画像を生成する
動画が必要なら、動画を作る
ファイルを渡せば、中身を解析する
これを、ぜんぶ1つの会話の中でやります。
要するに、「指示を出す相手」から「仕事を任せる相手」に近づいた、という感じです。
下のリンクから登録すると、お互いに特典クレジットが入ります(条件は後述します)。
細かく指定したいなら「Classic Chat」も残っている
ここは公平に書いておきます。
エージェント化したからといって、前のチャットが消えたわけではありません。
従来の「Classic Chat」もちゃんと残っていて、こちらには200以上のモデル、動画生成(Reference-to-Video)、カスタムキャラクター、画像編集、音楽・音声生成などがそろっています。
ざっくり任せたい → Agentic Chat
モデルや設定を自分で細かく指定したい → Classic Chat
この使い分けでOKです。
変化②:料金とクレジットの仕組みが変わった
ここはお金の話なので、丁寧にいきます。
現在のプランはこの4つです(2026年6月時点)。
Free($0):テキスト10回/日、画像15回/日、API利用も可
Pro($18):テキスト無制限、画像1,000枚/日、月100クレジット
Pro+($68):月7,500クレジット、2か月分のクレジット繰り越し
Max($200):月22,500クレジット、3か月分のクレジット繰り越し
クレジットの換算は、100クレジット=1ドルです。
無料プランでも普通に試せますし、APIまで使えるのは地味にうれしいポイントです。
注意:「画像1,000枚/日」と「クレジット消費モデル」は別物

ここ、外部レビューでも不満が出ているところなので先に書きます。
「Proは画像1,000枚/日」と聞くと無制限みたいに感じますが、高度なモデル(最新の画像・動画モデルなど)はクレジットを別途消費します。
画像の枚数枠=基本モデル、クレジット=高度モデル、と分けて考えると分かりやすいです。
「1,000枚撮れるのに、すぐクレジットが減る」と感じる人がいるのは、この二階建ての仕組みが分かりにくいからです。
このクレジット制の分かりにくさは、正直Veniceの弱点です。あとの「注意点」でもう一度触れます。
変化③:紹介プログラムが、記事の導線として機能する
「放置していたのに登録が続いていた」と冒頭で書きましたが、その仕組みがこれです。
Veniceには紹介プログラムがあって、仕組みはこうです。
自分の紹介リンク経由で登録した人がProにアップグレードすると、紹介した側に10ドル分のAPIクレジットが入る
紹介された側にも10ドル分のクレジットが入る
紹介リンクはプロフィール設定の中で確認できる
匿名の訪問者を含め、全ユーザーに開放されている
つまり、登録してくれた人とわたし、両方にメリットがある設計です。
補足:登録した「全員」が報酬になるわけではない
ここは正直に書いておきます。
報酬のクレジットが入るのは、紹介した相手がProに転換したときだけです。無料のまま使う人や、登録しただけの人は対象になりません。
なので「リンクを貼れば登録数ぶんお金がもらえる」みたいな美味しい話ではないし、わたしもそういう書き方はしません。あくまで「気に入って使い続ける人がいたら、お互いに少しだけ得をする」くらいの仕組みだと思ってください。
無料プランは登録だけならすぐ始められます。Proにする場合は、お互いに10ドル分のクレジットが入ります。
変化④:プライバシーが「4段階」に整理された

前回も「プライバシー重視」が売りでしたが、今は中身がきれいに整理されています。
Anonymous(匿名):Veniceが外部モデルへ匿名化して中継する。ただし外部プロバイダ側での保存は前提に考えるべき
Private(プライベート):Venice管理のGPU、またはデータを残さない契約をしたパートナー上で処理
TEE:隔離された実行環境(Trusted Execution Environment)の中で処理
E2EE(端末間暗号化):端末で暗号化し、検証済みのTEE内でだけ復号。いちばん強いが、その代わりWeb検索やメモリ機能は使えない
ここで大事な注意をひとつ。
Veniceは「完全に匿名の魔法」ではありません。
プライバシーポリシーを読むと、IP・端末情報・利用状況・購入情報などは収集されます。ただし、プロンプトや出力の中身は保存しない設計で、TEE/E2EEのような検証できる保護を打ち出している、という整理です。
「アカウントや決済の情報は扱うけど、会話の中身は残さない」。ここを正しく理解しておくと、過度な期待も過度な不安もせずに使えます。
変化⑤:AIエージェント・APIの基盤になろうとしている

ここは中〜上級者向けですが、Veniceの方向性がよく出ているので入れておきます。
VeniceはOpenAI互換のAPIを提供していて、1つのAPIキーで、チャット・画像・音声・動画を扱えます。Web検索、ファイル入力、MCPツール、ウォレット決済にも対応しています。
さらに、
Claude Code / Cursor / Codex CLI といった開発ツールとの連携
Venice MCP Server、Venice Skills
OpenClaw、Hermes Agent、NanoClaw などのエージェント
ウォレットでAIエージェントが自分でAPIキーを発行する仕組み(Autonomous API Key)
このあたりまで用意されています。
ひとことで言うと、「人間が使うAIアプリ」であると同時に、「AIエージェントが使う推論インフラ」になろうとしている、ということです。
変化⑥:VVV / DIEM で「AI利用料の別設計」をやっている
これは賛否が分かれるところなので、慎重に書きます。
Veniceには「VVV」というトークンと、「DIEM」という仕組みがあります。
VVV:Base上のトークン。100 VVVを預ける(ステークする)と、Venice Proが使える
DIEM:1 DIEMが「1日あたり1ドル分のAPIクレジット」として使える設計。DIEMはVVV保有者だけが発行できる
ざっくり言うと、AIの利用料をサブスク以外の形で持つ試みです。
ただし、これははっきり書きます。投資のおすすめではありません。
トークンの価格は変動しますし、流動性や規制のリスクもあります。「AI利用料の別の設計があるんだな」くらいの距離感で見るのが安全です。気になる人だけ、公式情報を自分で確認してください。
正直な注意点(ここまで読んでくれた人へ)
宣伝だけで終わらせると信用されないので、弱点もちゃんと書きます。
クレジット制が分かりにくい:「画像1,000枚/日」と「クレジット消費モデル」が別、という二階建てがつまずきポイント
外部レビューは賛否が割れている:Trustpilotでは評価が低め(2点台)で、クレジット制・画像制限・サポート・検閲への不満が出ている。一方でアプリストアでは「匿名で多モデルを使える」点が高評価
新しいAgentic Chatは障害がゼロではない:稼働率自体は高い(直近90日で99.99%)が、2026年6月9日には外部パートナー起因でAgentic Chatが一時停止したことがある
スマホアプリは“補助”くらいで:モバイルにもAgentic Chatは来ているが、アプリのエラー報告もある。まずはPCのブラウザで試すのがおすすめ
「無検閲で完全プライベートな夢のAI」みたいに過剰に期待すると、たぶんズレます。
「複数のAIモデルを横断したい」「会話の中身は残されたくない」「画像・動画・エージェントをまとめて触りたい」 ——こういう人には、今のVeniceはかなり面白い選択肢です。
まとめ
半年放置していたVenice AIは、こうなっていました。
チャット → エージェント型の制作ハブに進化(検索・画像・動画・ファイル解析を自動でつなぐ)
料金は Free / Pro / Pro+ / Max の4段階、100クレジット=1ドル
プライバシーは Anonymous / Private / TEE / E2EE の4段階に整理
API・エージェント基盤としての顔も持ち始めた
ただしクレジット制の分かりにくさとレビューの賛否は事実としてある
まず無料プランで、Agentic Chatに何か一つ仕事を丸ごと任せてみてください。「指示する」より「任せる」感覚の違いが、いちばん分かりやすいと思います。
そして、前回の記事もよければあわせてどうぞ。Veniceがこの半年でどれだけ変わったか、比べると面白いはずです。
前回の記事↓
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