私のささやかな「推し活」 —フランスと日本をつなぐ赤と白
まさか、ここまで夢中になるなんて思わなかった…。
フランスに暮らして十数年。
パン屋の香ばしい匂い、マルシェの活気ある喧騒、石畳に響く足音。
それらは、もはや特別なものではなくなっていた。
驚きや新鮮さは、いつの間にか日常に溶け込み、見えなくなっていたのだ。
けれど、今年は違った。
ふとした瞬間から、私の心を熱くする何かが生まれていた。
そのきっかけは、スタッド・ド・ランスの快進撃だった。
48年ぶりのカップ戦決勝進出——まさか、こんなにも心を動かされるとは思わなかった。
気づけば私は彼らを応援し、まるで「推し活」をするように試合を追いかけていた。
「お母さん、それって完全に推し活だね」
成人して遠くで暮らす我が子が、電話越しに笑う。
確かに、私はすっかり彼らを“推して”いた。
リーグ戦では下位に沈むことも多いチームが、フランス杯では快進撃を見せた。
カンヌとの準決勝には、伊東純也選手、中村敬斗選手、そして最近チームに加わった関根大輝選手という日本人選手3人が揃って先発。
見事に決勝進出を果たした。
【スタッドランスが決勝へ🏆】
— 日本サッカーファン (@jpnfoottoto) April 2, 2025
48年ぶりにフランス国王杯で決勝進出を果たした、スタッドランス💥💥
決勝は5/24にパリSGと対決し、勝利すればヨーロッパリーグの出場権が付与🇫🇷✈️🌍 pic.twitter.com/tHfXp2cxNp
サッカーとの縁は、アメリカに住んでいた頃から始まっていた。
我が子が地元のチームに所属し、毎週末、他の親御さんたちと共に声を枯らして応援していたあの頃。
それでも、日本代表の試合を観る程度で、特定のクラブチームにここまで心を奪われることはなかった。
しかし今、スタッド・ド・ランスには3人の日本人選手がいる。
異国の地で必死に走る彼らの姿を見ていると、どこか我が子を見守るような気持ちになる。
そう、我が子もまた、異国の地フランスで懸命に自分の道を歩んでいる。
スタッド・ド・ランスは、かつて欧州を席巻した名門でありながら、長い低迷期を経て再び光を目指している。
そんな彼らの姿に、私も何か新しいものを見つけた気がした。
スタッド・ド・ランスの公式サイトを開くと、トップページには伊東純也選手と中村敬斗選手の姿、そしてサポーターが誇らしげに掲げる日の丸が映っている。
その光景が、どれほど私の心を熱くすることか。
彼らの戦いは、フランスの地に確かに日本の誇りを刻んでいるのだ。
4️⃣8️⃣ ans après, le 𝐒𝐭𝐚𝐝𝐞 𝐝𝐞 𝐑𝐞𝐢𝐦𝐬 retrouve une finale de @coupedefrance ! 🔴⚪🍾#ASCSDR #CoupeDeFrance pic.twitter.com/kFAlRy5DJh
— Stade de Reims (@StadeDeReims) April 2, 2025
決勝は2025年5月24日。
対戦相手は強豪パリ・サンジェルマン。
残念ながら、シーズンチケット保持者や常連サポーター優先の販売条件で、私はチケットを購入することが出来ない。
それでも、テレビの前で、心臓が飛び出しそうになりながら、彼らを応援するだろう。
応援するという行為は、単なる勝敗だけの問題ではない。
彼らの頑張る姿に自分や我が子の日常が照らされ、小さな刺激と勇気をもらう。
ただその存在を祝福し応援する気持ち。
スタッド・ド・ランスと共に駆け抜ける日々——これが、私のささやかな「推し活」だ。
