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測ったあと、PFASはどこへ行くのか——クラレと活性炭という地味な主役の話

ここ最近、「測る」会社ばかり追いかけていました。
どれだけ含まれているかを明らかにする、分析や調査の人たち。

でも、ふと思ったんです。 測って「ありました」とわかったあと、そのPFASは——どこへ行くんだろう、と。

ニュースは「検出」で盛り上がって、そこで止まりがちです。 けれど本当の勝負は、検出されたPFASを実際に水から「取り除く」ところから始まります。

今日は、その「取り除く」を支える、とても地味で、とても大事な素材の話です。

■ 黒い粒が、静かに仕事をしている

主役は、活性炭です。
あの、浄水器の中にも入っている黒い粒。 無数の小さな孔(あな)に有機物を吸着して、水をきれいにする素材です。

調べていて意外だったのは、この活性炭の世界で、販売量ベースで世界シェアNo.1とされているのが、日本のクラレだったこと。

クラレといえば、私の中では「エバール」や「クラリーノ」の会社でした。 それが、2018年に米国の活性炭大手カルゴンカーボンを買収して、 いまでは、米国をはじめとする水処理の現場で、PFAS対策を支える存在の一つになっています。

米国では20年以上、たくさんの水処理施設でPFAS対策に活性炭が使われていて、 EPA(米国環境保護庁)も、粒状活性炭をPFAS除去に使える最善技術の一つに挙げています。
ただし、米国のPFAS規制は2026年時点でも一部見直しの動きがあり、制度の細部は今後も変わっていく可能性があります。

派手さはないけれど、黒い粒が静かに、確実に仕事をしている。 そういう技術なんだと、あらためて知りました。

■ でも、「取り除いて終わり」じゃない

ここで、私がいちばん考えさせられたことを書きます。
活性炭は、PFASを「吸着して取り除く」素材です。 ということは——取り除いたPFASは、活性炭の中に溜まっていく。

つまり、PFASを吸い込んだ使用済みの活性炭を、 最後にどう処理・管理するか、という宿題が必ず残るんです。

2023年に明らかになった岡山・吉備中央町の水道水汚染は、まさにそこを考えさせられる出来事でした。報道では、使用済みの活性炭が水源の近くに長く置かれ、そこから流出したPFOAが水道水に影響した可能性が指摘されています。

活性炭の取引や管理に関わった企業についても報じられましたが、関係者ごとに見解があり、責任の所在は単純ではありません。

でも、私が受け取った教訓はシンプルでした。
「取り除く」は、ゴールではなくて、バトンなんだ、と。
吸着させたPFASを、最後まできちんと見届ける。 そこまで含めて、はじめて「対策」になる。

■ 測る・取り除く・そのあとまで

PFASの全体像を地図にすると、「測る」「取り除く」「使わない」の層があります。
今日はそのうち「取り除く」の層を、活性炭という主役で見てきました。

派手な検出のニュースの裏側で、黒い粒が淡々と水をきれいにしている。 そして、その粒の「その後」まで考えることが、これからますます大事になる。
地味だけど、いちばん現場に近い仕事だなと、静かに感心した夜でした。


※クラレの活性炭とPFAS除去について、もう少しきちんと整理した記事を、公式サイト(pfasreach.jp)にも書きました。Calgon Carbonや「クラレコール®」、使用済み活性炭の論点まで知りたい方は、詳しくは、文末のリンクから読めるようにしておきます。

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