「ワンチャン」の英語定義:英検1級単語(tenuous, eventualization, plausible, irrevocably, forlorn)で概念解剖してみた
最近よく聞く言葉を、難単語で盛って高級化していくこのシリーズ、今回は「ワンチャン」を解剖してみようと思います。
英語の「one chance」の略ですが、元々は麻雀が語源だったそうです。
私は麻雀をやらないので詳しいことはわからないのですが、「4つある牌のうちの3つの行方を自分が知っている時、可能性があと一個だから比較的安全だろう」というような意味だったそうで、いまでは、「もしかしたら」というような意味で使われるようになっています。
それでは早速!(例によって、実験&ネタ的な企画になります。難単語で遊ぶことを目的としております)
◆ ワンチャン
Indicating a tenuous possibility of eventualization which is by no means plausible, but not necessarily irrevocably forlorn either
結果の具現化の希薄な可能性を示唆しており、それは決して妥当なものではないが、かといって必ずしも不可逆的に絶望的というわけでもない状態
◇ 単語の意味と解説
まず、この言葉は、希薄な可能性を示唆する副詞的な言葉ですので、「Indicating a tenuous possibility」とします。
(1)tenuous [ténjuəs]
【形】希薄な、薄い、中身のない
語源は、ラテン語の(tenuis:薄い)
「extenuate:罪などを軽減する = 薄くする」と同語源です。
何の可能性かというと、「具現化、事象化」の可能性ですので「eventualization」を持ってきます。
(2)eventualization [ɪvèntʃuəlaɪzéɪʃən]
【名】結果の具現化、最終的な発生、事象化
語源は、ラテン語の(ex-:外へ + venire:来る)
隠れていたものが最終的に「event」として現れることが原義です。
※ この単語は、哲学用語で、一般的な単語ではありません。「結果の具現化」というよりは「必然が偶然の積み重ねだった」というのが本来の使われ方のようです。
そして、「ワンチャン、いけるかも」などと言われる時、大体「妥当性の低い」ことを言っているケースが多いので、「which is by no means plausible:全くもって妥当性がない」とつなげます。
(3)plausible [plɔ́ːzəbl]
【形】もっともらしい、妥当な、説得力のある
語源は、ラテン語の(plaudere:拍手を送る、称賛する)
「観客から拍手喝采を浴びるほど、説得力があって納得できること」が原義です。
「applause:拍手、喝采」と同語源です。
しかし、その可能性は、「もう既に失われ、取り消せないほどか」というと、「必ずしも」そうでもないことも少なくないので、「but not necessarily irrevocably forlorn either」と締めます。
(4) irrevocably [ɪrévəkəbli]
【副】不可逆的に、取り消せないほどに、決定的に
語源は、ラテン語の(in-:否定 + re-:再び + vocare:呼ぶ)
「一度発した声を、再び呼び戻すことはできない」が原義です。
「revoke:取り消す」「voice」などと同語源です。
(5) forlorn [fərlɔ́ːrn]
【形】見捨てられた、孤独な、希望のない、(可能性が)絶望的な
語源は、古英語の(forleosan:完全に失う)
「完全に置いてきぼりにされて、途方に暮れる」という悲壮なイメージの単語です。
ドイツ語の「verloren:失われた、迷子になった」も同語源(ゲルマン語由来)です。
そこで、できたのが、以下です。
(「tenuous」「plausible」は、Google Geminiの提案を受けました)
Indicating a tenuous possibility of eventualization which is by no means plausible, but not necessarily irrevocably forlorn either
結果の具現化の希薄な可能性を示唆しており、それは決して妥当なものではないが、かといって必ずしも不可逆的に絶望的というわけでもない状態
→「ワンチャン」
どうでしょうか?(と聞かれても・・・という感じかもしれませんが笑)
ただ、よく聞いていると、かなり意味が広がっており、「自分にとって好ましいことが、もしかしたら叶うかも」という文脈だけでなく、「ワンチャン、無理っぽいな」のように、ほとんど意味を成していないケースも多いようです。
これは、英語の「literally」にも似ていて、私自身最近知ったのですが、「literally」は本来「比喩ではなく、文字通りに」という意味の副詞ですが、これが、英語圏の若者言葉で「マジで」という意味で乱用されているとのことです。
しかし、言葉は生き物で、これから定着していき、スラングに近かった言葉がフォーマルな場でも普通に使われるようになることもありますので、面白いですね。
例えば、「contact」を動詞のように使うのも、元々は、誤用とされていたようです。
あと、「eventualization」は、言語学や哲学などの専門用語に近く、英検1級レベルかというと、狭義(語彙問題に出る)では外れそうですが、広義(長文問題に出る)では可能性がゼロとは言い切れないくらいの位置付けだと思います。
それでは、今回は以上です!
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