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【多言語読書】京極夏彦:百鬼夜行シリーズ、アガサ・クリスティ『無実はさいなむ』など、日・英・仏・独で楽しむ本格読書

2020年に私が読んだ本リストです。

この年、読書で一番印象に残っている作品群の一つが、京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズです。ずっと気になっていたのですが、手を出せておらず、この年に初めて読み、その面白さにどハマりしました!
あの独特の現実と非現実の狭間のような世界、中禅寺、関口、木場、榎木津、などなどの魅力にあふれる登場人物たち(みんな大好きですが、私は特に木場が好きです!)、多くは中禅寺の語りで記される妖怪とそれに纏わる民俗学的記述、綿密に練られたプロットと続きが気になって仕方なくなるストーリー、どれをとっても絶品です!

また、埴谷雄高「死霊」もずっと気になっていて読んでみたかった作品で、この年に初めて読み、引き込まれました。
難解な思想が語られますが、私が好きなのは夜の描写です。
この作品の夜のシーンはなぜかその世界に浸っていたくなる独特の魅力があったと記憶しています。
「ぷふい!」も印象に残っています笑

英語で一番印象に残っているのは「The Rising Sun: The Decline and Fall of the Japanese Empire, 1936-1945」です。著者の、John Toland氏は、アメリカ人ですが、約500人もの人にインタビューして書き上げたと言われる本作、満州事変あたりからポツダム宣言あたりまで、日本の視点で描かれたノンフィクション歴史書です。(1971年、ピューリッツァー賞 一般ノンフィクション部門受賞作品です)
戦時中の話で非常に重い内容ですが、感動したシーンもあり、これを読めば、当時のことの多くが分かるのではないでしょうか?

フランス語はほとんど読めなかったのですが、「La Symphonie Pastorale」は何回も読んでいる作品です。
短編〜中編くらいのボリュームなので読みやすく、それでいて中身は濃く、中級者がフランス語の小説に辞書ありで挑戦するのに最適な一冊の一つではないかと思います。

ドイツ語もほとんど読めなかったのですが、「Der Steppenwolf:荒野のおおかみ」は私の思い出の一冊です。
というのも、私がドイツ語を勉強し始めた1番の動機の一つが、「ヘッセを原書で読みたい!」ということだったからです。
特にこの作品は、ヘッセの分身?と思われるようなハリー・ハラーとヘルミーネ、ゲーテやモーツァルトが語る言葉などなど、折に触れて読み返したい、何度も読みたくなる不思議な魅力があります!(揺らぎを固定化することを正解であるかのように提示するのではなく、揺らぎそのものを描いているところに、実存への誠実さのようなものを感じるからかもしれません)


◆ 初読

01月27日 The Devils of Loudun ― Aldous Huxley
04月16日 The Murder at the Vicarage ― Agatha Christie
04月18日 竜が最後に帰る場所 ― 恒川光太郎
04月22日 東洋哲学覚書 意識の形而上学『大乗起信論』の哲学 ― 井筒俊彦
04月27日 壁 ― 安部公房

05月04日 われらの狂気を生き延びる道を教えよ ― 大江健三郎
05月08日 残り全部バケーション ― 伊坂幸太郎
05月16日 The Pale Horse ― Agatha Christie
06月08日 真夜中のマーチ ― 奥田英朗
06月13日 Ordeal by Innocence ― Agatha Christie

06月25日 姑獲鳥の夏 ― 京極夏彦
07月06日 魍魎の匣 ― 京極夏彦
07月17日 Absalom, Absalom! ― William Faulkner
07月25日 オーデュボンの祈り ― 伊坂幸太郎
07月28日 Le Spleen de Paris ― Charles Baudelaire

08月01日 絹と明察 ― 三島由紀夫
08月03日 川あかり ― 葉室麟
08月11日 A Caribbean Mystery ― Agatha Christie
08月19日 Evil Under the Sun ― Agatha Christie
09月12日 死霊 I ― 埴谷雄高

10月01日 死霊 II ― 埴谷雄高
10月06日 死霊 III ― 埴谷雄高
10月12日 陽気なギャングが地球を回す ― 伊坂幸太郎
10月14日 The Mirror Crack'd from Side to Side ― Agatha Christie
11月01日 Sad Cypress ― Agatha Christie

11月24日 Glück ― Hermann Hesse
12月03日 The Rising Sun: The Decline and Fall of the Japanese Empire, 1936-1945 ― John Toland
12月11日 We Have Always Lived in the Castle ― Shirley Jackson
12月23日 Fahrenheit 451 ― Ray Bradbury

◇ 再読

01月31日 La Symphonie Pastorale ― André Gide
02月12日 Murder on the Orient Express ― Agatha Christie
02月27日 Der Steppenwolf ― Hermann Hesse
04月10日 イン・ザ・プール ― 奥田英朗
05月26日 草枕 ― 夏目漱石

08月12日 レヴォリューション No.3 ― 金城一紀
09月14日 南の島のティオ ― 池澤夏樹
10月29日 三四郎 ― 夏目漱石
11月11日 硝子戸の中 ― 夏目漱石
11月13日 And Then There Were None ― Agatha Christie

◆ 参考書

11月06日 耳が喜ぶドイツ語 改訂版

◇ 再読

11月09日 耳が喜ぶドイツ語 改訂版

◆ 漫画

04月16日 名探偵コナン 98 ― 青山剛昌


◆ 最後に

以上、2020年に読んだ本リストでした。

こうして振り返ってみると、この年は、アガサ・クリスティをよく読んだ年でした。
どの作品も素晴らしかったのですが、特に「Ordeal by Innocence:無実はさいなむ」は、ポアロもミス・マープルも出てこない作品で、そしてミステリー色より文学色が濃い作品だったように記憶していますが、クリスティ本人もお気に入りだったのが納得の一作でした。

あと私は、その季節にはその季節の話を読んでその世界に浸るのが大好きなのですが、「南の島のティオ」は「私の夏本!」の常連で、舞台はミクロネシアの島のようですが、南国の描写に夏の空気感を味わえる素晴らしい作品です。

また、経済至上主義のような世の中とはまるで違う世界が描かれ、読むと大切なことを教わっているような気分になります!
現代の「SNSのバズり」や「感情煽りマーケティング」のようなものに疲れてしまっている方は、特に刺さるのではないでしょうか?
連作短編で、一つ一つの話がそんなに長くはないので読みやすいことも魅力です!
私は、あんな貝があること、この作品で初めて知りました。


また、毎度のことですが、上に詳しく書かなかっただけで、素敵な作品が他にもたくさんありました。

それでは、今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


記事のヘッダーは「みんなのフォトギャラリー」からお借りしています。制作者様へ、素敵な画像ありがとうございます!

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