【今日の1問】ラテン語「latus:運ばれた」「ferre:運ぶ」【英検1級とその先へ:単語クイズ!】
◆ 次の空欄に入る最も適切な選択肢を選んでください。
Her business is still in a rather _____ state; however, it already shows promising signs.
(1)quixotic (2)thespian (3)elated (4)inchoate
◇ 単語の意味と解説
Her business is still in a rather inchoate state; however, it already shows promising signs.
(1) quixotic [kwiksάtik]
【形】非現実的な、空想的な、理想主義的な、ドン・キホーテ的な
語源は、セルバンテスの小説『Don Quixote』
騎士道にハマり、突拍子もないことをする姿から、「達成不可能な、非現実的な」という意味になりました。
「a quixotic quest:無謀な探求」
「a quixotic enterprise:非現実的な事業、冒険的試み」
(2)thespian [θéspiən]
【形】演劇の、俳優の
語源は、史上初の役者と言われるギリシャの(Thespis:テスピス:紀元前6世紀のギリシャの悲劇詩人)
名詞だと非常に古風な「俳優」という意味になり、少し気取った、または、おどけた響きになります。
「thespian talents:演劇の才能」
(3)elated [iléitid]
【形】大喜びした、意気揚々とした
語源は、ラテン語の(ex:外へ + latus:運ばれた)
「感情が外へ運び出される」イメージです。
「very happy」の難しいバージョンです。
「be elated by the news:そのニュースを聞いて飛び上がらんばかりに喜ぶ」
ラテン語の「latus:運ばれた」派生の単語には以下のようなものがあります。
(「←」に書いていることは、ざっくりとしたイメージで、厳密な語源学とは異なるかもしれません)
「superlative:最上級」(super:上に)
「dilatory:時間稼ぎの」(dis-:あちこちに)← 直進しないから、遅らせる
「collate:照合する」(con-:共に)← 比較のために一箇所に運ぶ
「prelate:高位聖職者」(pre-:前に)← 人々の前に置かれた(選ばれた)者
「ablative :切除の」(ab-:離れて)← 運び去る
「legislation:法律、立法」(lex:法)← 法として(議会に)運ばれ提出されたもの
不規則動詞「ferre:運ぶ」派生の単語は以下のようなものがあります。
(上述の「latus」は「ferre」の完了受動分詞形です)
「infer:〜を推論する」(in-:中へ)← 事実の中に自分の考えを運び入れる
「inference:推論」
「defer:敬意を払って従う」(de-:下へ)← 自分の意見を相手の下に運ぶ
「proliferate:急増する、増殖する」(proles:子孫)← 次々と子孫を運んでくる
「vociferous:(意見などが)やかましい、大声で叫ぶ」(voci:声)← 声を外へ運び出す
「somniferous:眠気を誘う、催眠性の」(somni:眠り)
「soporiferous:眠気を催させる、退屈な」(sopor:深い眠り)これはほぼ古語のようです
(4)inchoate [inkóueit]
【形】始まったばかりの、不完全な、未整備の、初期段階なので混沌とした
語源は、ラテン語の(inchoare:始める)
「inchoate crime:未完成犯罪」
類義語は、「incipient」「nascent」
◎ なぜ正解?
彼女のビジネスはまだかなり〜な状態だが、すでに前途有望な兆しを見せている、という文脈から、「inchoate:始まったばかりの」が正解です。
¶ 編集記
最初は「Her business is still in a simple inchoate state; however, it already shows promising signs.」と書いていまして、AIに添削してもらったところ、「simple」は少し軽い響きがあるのと「inchoate」の「混沌とした」と言うニュアンスからズレるので不自然で、「in an inchoate state」 とするのが最も洗練されたフォーマルな形ですとのことでした。
私も、最初はそう書こうと思ったのですが、そうすると「an」の次に来るのは母音のみなので、「gaunt」と「thespian」が正解でないことがすぐにわかってしまうので(「gaunt」を「quixotic」に後で変えました)、なにか「simple」に変わるいい言葉はないかとAIに相談したところ、「rather」が適していると教えてもらい、「simple」を「rather」に変えました。
この「母音で始まる言葉はちょっと厄介問題?」は、こう言う単語問題を作っているとあるあるです笑
◇ 正解
(4)
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特定の試験の頻出順ではありません。英検1級レベルと思われるものを中心としていますが、さらにニッチ・マニアックな単語、また、英語の小説を楽しむのに役立つ語彙などなど、幅広く選定しています。
※ 問題文について
問題文は、かつて私が作った英単語リストを眺めながら「この単語はこういう文で使えそうだな」と自分で思いつくままに書いた英文を、AI(ブラウザ版GoogleのAIモードGemini)にネイティブチェックしてもらい、吟味し微調整をしてから、最終的に記事に仕上げています。
※ 選択肢について
選択肢の中には、注意が必要な単語が含まれている場合もあります。ただ、文学作品等の理解のため、自分で間違って使ってしまわないためにも、そういった単語もしっかり知っておくことが大切だと考えているため、このシリーズでは敢えて要注意な単語も扱っています。
※ 内容と語義について
内容は、英語学習を目的としたものであり、特定の思想を広めたり、特定の個人・団体を批評したりする意図は一切ありません。解説に記載している意味は、問題文の文脈に合わせた代表的なものなどが中心ですが、文芸作品等の理解のため、現代では古風になっている語義や意訳に近いものをあえて載せている場合もあります。多義語や細かいニュアンスや語法については、辞書を参照してください。
※ 語源に関して
語源は、諸説ある場合や定説が覆る可能性もあります。辞書や専門家の間でも意見が分かれることがありますので、このシリーズではそういった厳密な語源学ではなく、あくまで「一つの説」として、直接の語源ではなく、そのコアイメージとなるようなものを、広義での「語源」として紹介させていただいている場合があります。これは、英単語を効率よく覚えるための「記憶の一助」にすることを目的としているためで、元を辿って行った時に一つの言葉に行き着く場合には「同語源です」という言葉で説明させていただいております。
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全例文・全選択肢、AI(ブラウザ版GoogleのAIモードGemini)による校閲を経ていますが、AIの精度も完璧ではありません。AIの助言、Google検索、Wiktionary、そして私の学習・読書経験(2009年英検1級合格、英語の小説を中心に約20年で約300冊読了)を照らし合わせ、精査・修正していますが、内容の正確性を絶対的に保証するものではありませんので、本コンテンツの利用によって生じた、いかなる損害についても、著者は一切の責任を負いかねます。あくまで、学習の参考としてご活用ください。
【主な参照リファレンス】
Google検索(フレーズ一致確認)
Google Gemini(英文校閲・語源確認)
Wiktionary(https://en.wiktionary.org)
アルク『標準語彙水準SVL12000』Vol.3 / Vol.4(語彙レベルの指標として)
私自身の読書(英語約300冊)における語彙リスト(小説に出てきた、私が気になった単語たち)
