【今日の1問】palpable vs. unimpeachable【英検1級とその先へ:単語クイズ!】
◆ 次の空欄に入る最も適切な選択肢を選んでください。
His devotion to the field of science is _____ from the fact that he has been working for over forty years on minimum wage just to pursue his research.
(1)palpable (2)unimpeachable (3)bellicose (4)prurient
◇ 単語の意味と解説
His devotion to the field of science is palpable from the fact that he has been working for over forty years on minimum wage just to pursue his research.
(1)palpable [pǽlpəbl]
【形】(緊張などが)手に取るようにわかる、明白な、触れられるほどの
語源は、ラテン語の(palpare:優しく触れる)
極めて格調高い言葉です。
「palpable tension:張り詰めた空気、明白な緊張感」
「palpable lie:見え透いた嘘」
(2)unimpeachable [ʌ̀nimpíːtʃəbl]
【形】非の打ちどころがない、疑う余地のない
語源は(un-:ない + impeach:告発する + -able:できる)
ラテン語の(pedica:足枷が)が由来です。
「impeachment:大統領の弾劾」などでニュースに登場する「impeach」の否定形です。
「告発する理由がどこにもないほど、誠実で完璧な」というイメージです。
「unimpeachable character:非の打ち所のない人格」
「unimpeachable evidence:疑う余地のない証拠」
(3)bellicose [bélikòus]
【形】好戦的な、けんか腰の
語源は、ラテン語の(bellum:戦争)
「bellicose attitude:好戦的な態度」
「bellicose rhetoric:好戦的なレトリック、挑発的な言動」
「bellum」派生の単語は他にも以下のようなものがあります。
「rebel:反逆する」(re:再び + bellum:戦う)
「rebellion:反乱」
「belligerent:好戦的な、喧嘩っ早い」(bellum:戦う + ger:導く)
フランス語の「guerre:戦争」はラテン語の「werra」が由来のようで、英語の「war」もここから来ています。
フランス語の「g」と英語の「w」は親戚関係にあることが多いですね。
(「guaranteeとwarrant」「guardとward」など)
これは、ノルマン・コンクエスト以降、貴族階級の間にフランス語の語彙が大量に流入したことから来ているようで、ドストエフスキーやトルストイの小説を読んでいても貴族階級が好んでフランス語を使っていますが、イギリスだけでなくロシアでも、貴族はフランス語が好きなのでしょうか?
(4)prurient [prúəriənt]
【形】(性的な事柄に対して)異常な関心を持つ、好色な
語源は、ラテン語の(prurire:かゆい)
フォーマルな言葉ですが、「こそこそした下劣な好奇心」「病的なまでの執着」という非常にネガティブなニュアンスがあります。
「prurient interest:好色な関心(特に法的なわいせつ性の定義で頻出)」
「prurient curiosity:下劣な好奇心」
◎ なぜ正解?
40年以上も最低賃金で研究に人生を捧げてきた彼の献身は?
「palpable:明白な、手にとるように分かる」が正解です。
「unimpeachable」も日本語だと「疑う余地がない」と訳され、入りそうな気がしますが、この単語は、証拠・実績・人格などが「疑う余地がない(ほど誠実・確実である)」ことを表します。
彼の献身は事実から「unimpeachable」というのは、この文脈には適しません。
コロケーション的にも、Googleで全文一致検索をかけると「palpable from the fact」はたくさんヒットしますが、「unimpeachable from the fact」はほとんど出てこず、「palpable」が正解として圧倒的に優勢です。
¶ 編集記
最初は「His devotion to the scientific field is palpable from the fact that he has been working for over forty years with a minimum wage just to pursue his research.」と書いていましたが、AIに添削してもらったところ、「palpable」は「(その場の空気や感情が)肌で感じられるほど明白な」という意味であり、通常は単体で「His devotion is palpable.」と使い、「in:~において明白である」に変えれば、自然で格調高い英文になりますと言われましたが、Googleの全文一致検索では「”palpable from the fact”」の方が「”palpable in the fact”」より多く出てくるのです!
その旨を伝えると、今回はAIのミスとのことでした笑
「よかったー、気づけて」という感じで、AIが間違えなくなる日が来るのが待ち遠しいですね苦笑
AIで調べ、Google全文検索で調べ、Wiktionaryで調べ、それでも時に、間違っていたり、間違いとまではいかなくても、自然でもないという内容になってしまうことがあるので、言葉というものは難しいです。
あと、「scientific field」は、1人の科学者が「自分の研究分野」に人生を捧げている文脈であれば、「the field of science」とする方が、フォーマルな英文として非常に引き締まり、「最低賃金で働く」と言う場合、前置詞は「with」よりも「on」を使い、冠詞の「a」を外して「on minimum wage」とするのがネイティブの絶対的な日常・ビジネス表現ですとのことで(これはAIの正解のようです)、これらを修正したのが問題文です。
【※ 追記 2026年6月15日】
後日、問題文「His devotion to the field of science is palpable from the fact that he has been working for over forty years on minimum wage just to pursue his research.」を、再チェックしたところ、「devotion」「palpable」という硬い言葉に対して、「working for over forty years on minimum wage」というカジュアルな表現が続いているので、若干チグハグな印象もなくはないが、決して間違いでもないとのことで、今回は修正を見送り、このままにしておきます。
「格式高い言葉と即物的な事実が同じ文の中に同居している」ので「現代の話し言葉としては若干チグハグな響きがあるが、書き言葉ならレトリックとして十分自然とも言える」というのが今のこの文の実態のようです。
◇ 正解
(1)
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本コンテンツは一個人である著者独自の制作物であり、各種検定試験から公式に承認を受けたものではありません。特定の試験の合格を保証するものでもありませんが、学習の補助教材として本気で内容を磨き上げています。
※ 出題範囲について
特定の試験の頻出順ではありません。英検1級レベルと思われるものを中心としていますが、さらにニッチ・マニアックな単語、また、英語の小説を楽しむのに役立つ語彙などなど、幅広く選定しています。
※ 問題文について
問題文は、かつて私が作った英単語リストを眺めながら「この単語はこういう文で使えそうだな」と自分で思いつくままに書いた英文を、AI(ブラウザ版GoogleのAIモードGemini)にネイティブチェックしてもらい、吟味し微調整をしてから、最終的に記事に仕上げています。
※ 選択肢について
選択肢の中には、注意が必要な単語が含まれている場合もあります。ただ、文学作品等の理解のため、自分で間違って使ってしまわないためにも、そういった単語もしっかり知っておくことが大切だと考えているため、このシリーズでは敢えて要注意な単語も扱っています。
※ 内容と語義について
内容は、英語学習を目的としたものであり、特定の思想を広めたり、特定の個人・団体を批評したりする意図は一切ありません。解説に記載している意味は、問題文の文脈に合わせた代表的なものなどが中心ですが、文芸作品等の理解のため、現代では古風になっている語義や意訳に近いものをあえて載せている場合もあります。多義語や細かいニュアンスや語法については、辞書を参照してください。
※ 語源に関して
語源は、諸説ある場合や定説が覆る可能性もあります。辞書や専門家の間でも意見が分かれることがありますので、このシリーズではそういった厳密な語源学ではなく、あくまで「一つの説」として、直接の語源ではなく、そのコアイメージとなるようなものを、広義での「語源」として紹介させていただいている場合があります。これは、英単語を効率よく覚えるための「記憶の一助」にすることを目的としているためで、元を辿って行った時に一つの言葉に行き着く場合には「同語源です」という言葉で説明させていただいております。
※ 正確性について
全例文・全選択肢、AI(ブラウザ版GoogleのAIモードGemini)による校閲を経ていますが、AIの精度も完璧ではありません。AIの助言、Google検索、Wiktionary、そして私の学習・読書経験(2009年英検1級合格、英語の小説を中心に約20年で約300冊読了)を照らし合わせ、精査・修正していますが、内容の正確性を絶対的に保証するものではありませんので、本コンテンツの利用によって生じた、いかなる損害についても、著者は一切の責任を負いかねます。あくまで、学習の参考としてご活用ください。
【主な参照リファレンス】
Google検索(フレーズ一致確認)
Google Gemini(英文校閲・語源確認)
Wiktionary(https://en.wiktionary.org)
アルク『標準語彙水準SVL12000』Vol.3 / Vol.4(語彙レベルの指標として)
私自身の読書(英語約300冊)における語彙リスト(小説に出てきた、私が気になった単語たち)
