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歯医者に行けないのは本人の問題ではなかった!世界で始まっている感覚に配慮した歯科の最前線 | 子育て | 子育ての悩み | 特別支援教育 | 療育 | 放課後デイサービス | 放デイ | 学校 | 支援級 | 発達障害 | ASD | ADHD | 自閉症 |

こんにちは!春乃ひかりです。
今日は6月4日で「虫歯予防デー」です。
厚生労働省や日本歯科医師会が主導する「歯と口の健康週間」の初日でもあり、歯や口の健康を見直すための大切な啓発活動が行われています。

美容室の記事が沢山スキを頂いた時に思いつき、
凸凹キッズの「安心プレイス」プロジェクト!
というマガジンを立ち上げました。

これは何かというと
発達障害の子でも少しでも安心してあらゆる場所に行ける事を目的としたプロジェクトです!
発達障害の当事者や、介護者(保護者)、事業者の方に読んでいただく事で双方安心してお出かけできる記事を不定期で執筆していこうと思っています。

第1弾が前回の美容室の記事という事で、
今回は第2弾、『歯医者』のお話です。
歯医者さんはどの子でも行かなければならないハードルの高い場所の一つではないでしょうか。
そして、noteで発信している現役の歯科医の方にインタビューを敢行させていただきました。
すごくドキドキしましたが、突然の提案にも誠実にお答えいただいてとてもありがたかったです。

次回の明日の記事は発達障害の2児を抱える私が疑問に感じた事や気になる事を現役の歯医者さんに対して直球で質問をぶつけた記事になります!
明日も是非ご覧ください。

発達障害児や感覚過敏の子、歯医者に行く

「歯医者に連れていくだけで毎回ぐったり…」
「泣き叫んでしまい、治療どころではない」
「周囲の目も気になって、通院そのものが苦痛」

そんな経験をしたことはありませんか?
発達障害や自閉スペクトラム症(ASD)の子どもにとって、歯科医院は非常に刺激の強い空間です。

強い光。
独特のにおい。
突然鳴る機械音。
口の中を触られる感覚。

感覚過敏を持つ子どもにとって、歯科治療は「怖がり」ではなく、身体レベルでつらい体験になっていることがあります。
しかし今、海外では「本人を慣れさせる」のではなく、「環境のほうを変える」という発想が急速に広がっています。

今回は、イギリス、オーストラリア、サウジアラビア、デンマークなどで進む発達障害に配慮した歯科支援の最前線を紹介しながら、日本の家庭でも取り入れられるヒントを解説していきます。

1. 世界は「発達障害児が通える歯医者」を本気で作り始めている

海外の研究では、通常の歯科環境では自閉症の子どもの約40%しか治療を成功できなかった一方、感覚に配慮した歯科環境では約68%が成功したという報告があります。

つまり、同じ歯科医師でも
「環境」を変えるだけで成功率が大きく上がるのです。

ここで重要なのは、

「発達障害だから歯医者に行けない」

ではなく、

「発達障害の人が通いやすい設計になっていない」

という視点です。

この環境側の問題に向き合い始めた国々では、
さまざまな実践が生まれています。

2. 各国で進む「歯科の合理的配慮」

① イギリス:「Dental Passport」で情報共有を標準化

イギリスでは、国民医療制度NHSの中「Special Care Dentistry(特別歯科サービス)」という専門分野があります。

これは、自閉症や知的障害、精神疾患などを持つ人が安心して歯科を受けられるよう支援する仕組みです。

特に注目されているのが「Dental Passport(歯科パスポート)」です。

これは、

・苦手な刺激
・安心できる声かけ
・好きな説明方法
・過去に成功した対応

などを記録し、どの歯科医院でも共有できる仕組みです。

つまり、「前の病院で毎回説明したことを、また最初から説明し直す」という負担を減らしているのです。

この発想のすごいところは、本人の努力ではなく、医療側の連携を改善している点にあります。

② オーストラリア:「Social Story」で不安を事前に減らす

オーストラリアでは、「Social Story(ソーシャルストーリー)」の活用が広がっています。
ソーシャルストーリーとは、これから起きる流れを、写真やイラストを使って事前説明する方法です。

例えば、

「今日は歯医者へ行きます」
「椅子に座ります」
「ライトが光ります」
「先生がお口を見ます」

という流れを、視覚的に予告します。
発達障害の子どもは、「何が起きるかわからないこと」に強い不安を感じやすい傾向があります。

逆に言えば、見通しがあるだけで安心できるケースも多いのです。

海外の専門家調査では、多くの歯科医師が「ソーシャルストーリーは有効」と回答しています。
最近では紙の絵本だけでなく、スマホアプリ版も増えています。
これは家庭でも比較的取り入れやすい方法です。

③ サウジアラビア:VRで「歯医者の予行練習」をする

サウジアラビアでは、VR(仮想現実)を活用した歯科支援が注目されています。
自閉症の子どもたちに、事前にVRで歯科空間を体験してもらうことで、不安を軽減できるかを調べた研究では、
VRを使用したグループのほうが不安が低く、治療への協力度も高かったという結果が報告されています。

これは「段階的暴露(少しずつ慣れていく支援)」という考え方に近いアプローチです。
いきなり本番に挑むのではなく、

まず映像で見る

短時間だけ体験する

成功体験を積む

という流れで、脳の警戒を少しずつ下げていきます。
特別な大規模設備ではなく、VRヘッドセット1台から始められる点も注目されています。

④ デンマーク:「来られない人を待たない」

デンマークでは、さらに興味深い発想があります。それは、

「通えない人を、支援側から探しに行く」

という考え方です。

コペンハーゲンでは、ソーシャルワーカーと歯科が連携し、支援が必要な人を地域から発見し、歯科につなげる仕組みが整えられています。

日本では、

「予約できなかった」
「暴れてしまった」
「迷惑をかけそう」

という理由で受診が途切れてしまうケースも少なくありません。

しかしデンマークでは、「来ない=困っていない」ではなく、「来られない理由があるかもしれない」と考えるのです。
これは発達障害支援全体にも通じる重要な視点です。

3. 日本の家庭でも今日からできる工夫

① 「予告」を増やす

突然連れて行くより、

・写真を見る
・動画を見る
・順番を説明する

だけでも不安は減りやすくなります。
「終わりが見える」ことも安心につながるため、

「今日は3つ終わったら帰るよ」

など回数を見える化するのも効果的です。

② 感覚対策グッズを使う

感覚過敏が強い子どもには、

・ノイズキャンセリングヘッドホン
・サングラス
・好きなタオル
・重みのあるブランケット

などが安心材料になることがあります。

「わがまま」ではなく、感覚を調整する道具として考えることが大切です。

③ 小さな成功体験を積む

最初から治療成功を目指さなくても大丈夫です。

最初は、

「建物に入れた」
「椅子に座れた」
「口を少し開けられた」

だけでも立派な前進です。
発達障害支援では、成功体験の積み重ねがとても重要です。
一度の成功が、「次もできるかもしれない」という安心につながっていきます。

4. 「治療」ではなく、「環境調整」という視点へ

海外の先進的な取り組みに共通しているのは、

「本人を変える」

ではなく、

「環境を調整する」

という発想です。

これはニューロダイバーシティ(脳の多様性を尊重する考え方)の視点とも深くつながっています。

子どもたちは、できないのではありません。
その子に合わない環境の中で、必死に耐えていることがあるのです。

だからこそ、

・見通しを作る
・刺激を減らす
・安心できる手順を共有する

という支援が、大きな意味を持ちます。

まとめ:「安心できた経験」は、子どもの未来を変える

歯科恐怖は、一度のつらい経験から始まることがあります。
そして逆に、一度の「安心できた経験」が、その後の人生を大きく変えることもあります。
海外では今、「どうすれば我慢できるか」ではなく、

「どうすれば安心できるか」

という方向へ支援が進み始めています。

歯科医院と患者さん、そのご家族が互いに理解し合いながら安心して通院できる環境が、日本でも少しずつ広がっていくことを願っています。
そしてこの記事が、その一歩につながれば幸いです。

もし今、お子さんの歯科受診で悩んでいるなら、「通えないのは本人の努力不足ではない」という視点を、ぜひ思い出してみてください。

環境が変わるだけで、子どもが見せる力は本当に変わることがあります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよければ、「歯医者でこんな工夫がうまくいった」「こんな場面で困ったことがある」などがあれば、ぜひコメントで教えてください。

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