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空と海の映画館 - Chiba, Haraoka Pier -

千葉県にある「原岡桟橋(岡本桟橋)」は、富士山を望む絶景スポットとしてCMやドラマのロケ地に選ばれ、今や多くの人々が訪れる聖地となっている。

数年前、12月のある晴れた日に思い立ち、この地を訪れた。

東京から電車や車で約2時間、無人駅のような趣のある富浦駅から歩くこと20分ほど。

何の変哲もないのどかな浜辺に、木造の古びた桟橋が静かに佇んでいる。視線を外に向ければ、少し離れた場所に漁港の姿も見える。

幕が上がる前の静けさ

日中、富士山はまだうっすらと輪郭を見せている程度だった。日没の「ゴールデンタイム」まで時間があったため、近くの大房岬自然公園へ足を延ばすことにした。

起伏のある道のりは徒歩では50分ほどかかったが、たどり着いた展望台からは、疲れを忘れるほど眺望が良く、歩いた甲斐はあった。

寄り道で見つけた青空

公園からの帰り道、富浦漁港の向こうに、先ほどまでいた原岡桟橋が遠く小さく見えた。

俯瞰する旅の足跡

桟橋に戻るとちょうど日暮れ時、富士山を拝もうと集まった人々で活気づいていた。

黄昏のスクリーン

夕凪の中、空が赤く染まり、やがて深い紫のグラデーションへと移ろうさまを、三脚を立ててカメラに収める。

桟橋の夕べ

暗くなるにつれ、富士山のシルエットはより大きく、鮮明に浮かび上がってきた。行き交う人々は皆、どこか楽しげだ。

「聖地」といえば厳かな響きがあるが、こうして人々が笑顔で集うことこそが、この場所の本来の姿なのかもしれない。

茜空のフィナーレ

日が落ちると普通は心細さを感じるものだが、この場所は違っていた。街灯の柔らかな光に照らされ、富士山に見守られているような安心感があるからだろうか。

漁村特有の穏やかさとノスタルジーが混じり合い、いつまでも身を置いていたくなるようなロマンチックな空気が流れていた。ここは、訪れる多くの人々に「ロマン」を抱かせる場所なのだ。

終幕を惜しむように

暗くなってからやってきたと思われる女性は、この光景を見た瞬間「わあ、何これすごい!」と思わず声を上げていた。

近くの波打ち際からは、穏やかな波の音と共に「お父さん、連れてきてくれてありがとう」という声も聞こえてきた。

アンコールは煌めく光

ここは、一日の終わりを告げ、リセットして、また明日への活力につなげてくれる場所だった。

時代が移ろい、訪れる人々が変わっても、ここは変わらずに人々を包み込み続けてきたのだろう。そんな普遍的な優しさが、この桟橋には流れている。

【撮影:Sony α7R III, Sigma 28-70mm, Tamron 70-180mm】

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