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[洋楽紹介] The Meters

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「ソウルやファンクを聴いてみたいけれど、何から入ればいいか分からない」

そんな洋楽初心者の方にこそ聴いてほしいのが、アメリカ南部の音楽都市ニューオーリンズの伝説、ザ・ミーターズです。

派手な熱狂とは一味違う、聴くほどに身体が勝手に揺れ出す「本物のグルーヴ」の世界へ、ようこそ。


ザ・ミーターズとは?「引き算の美学」が生んだグルーヴ

アメリカ南部、豊かな音楽文化が息づく街ニューオーリンズ。この地で1960年代半ばに結成された4人組バンドがザ・ミーターズ(The Meters)です。

彼らのサウンドの核にあるのは、ニューオーリンズの伝統的なパレードリズム「セカンドライン」。この独特な躍動感をベースに、ファンク史に燦然と輝く独自のグルーヴを作り上げました。

出典: Deezer

初心者も一聴でハマる!3つの注目ポイント

・音を詰めて「引く」カッコよさ

音をぎっしり敷き詰めるのではなく、あえて楽器同士の「隙間(スパイシーな間合い)」を残すことで、心地よいグルーヴを生み出しています。

・ジガブーの不規則なドラム

「ジガブー」ことジョセフ・モデリストのドラムは、タメとキレが抜群。一見不規則に聴こえながらも、完璧なリズムで体を揺らします。

・ジョージ・ポーターJr.のうねるベース

太くしなやかなベースラインがドラムと絡み合い、一度ハマると抜け出せない極上の土台を作り上げています。

「ド派手な熱狂」とは一味違う、聴けば聴くほど癖になる「引き算の美学」。それこそが、彼らが“ファンクの最高峰”と称される理由です。

名盤レコード解説①:全てはここから始まった『The Meters』(1969年)

針を落とした瞬間、湿り気のあるニューオーリンズのスタジオの空気が部屋いっぱいに広がります。

記念すべきデビュー作『The Meters』は、過剰な装飾をすべて削ぎ落とし、バンドの生の演奏だけをそのままパッケージングしたような無骨で圧倒的な一枚です。

「ニューオーリンズ・ファンク」というジャンルの産声とも言えるこの作品は、全曲がボーカルなしのインストゥルメンタル。

言葉がないからこそ、楽器同士の会話がダイレクトに胸に響きます。

アルバムの聴きどころ・名曲ガイド

  • 「Cissy Strut」

    • ファンク史上、最も有名で幾度となくカバーされてきた金字塔的トラック。印象的なギターリフから始まり、たった3分弱の中にファンクの魅力と快感が凝縮されています。

  • 「Sophisticated Cissy」

    • どこか哀愁を帯びたオルガンの音色と、小気味よくハネるリズムが心地よい一曲。深夜のドライブや静かな部屋によく似合います。

  • 「Ease Back」

    • タイトなドラムとうねるベースラインが絶妙なタメを生み出し、自然と足先でリズムを刻みたくなる隠れた名曲です。

「スピーカーの前に立つと、まるでスモーキーで湿度のある地元のクラブで最前列に陣取っているかのような生々しさを感じます。

無駄な音は一つもない。シンプルだからこそ普遍的な、ファンクの原点がここにあります」

名盤レコード解説②:初期インスト・ファンクの頂点『Look-Ka Py Py』(1969年)

デビュー作の鮮烈な衝撃からわずか数ヶ月後、彼らが勢いそのままにリリースした2ndアルバムが『Look-Ka Py Py』です。

初期のインストゥルメンタル路線における「最高傑作」との呼び声も高く、4人の阿吽の呼吸(アンサンブル)が極限にまで達した一枚と言えます。

「引き算の美学」はより洗練され、もはや「音の隙間」そのものがリズムとして機能しているかのような、驚異的なグルーヴを体感できます。

出典: Amazon

アルバムの聴きどころ・名曲ガイド

  • 「Look-Ka Py Py」

    • タイトルの不思議な擬音そのままのパーカッシブなギターリフと、印象的な「ルッカ・パイ・パイ」という掛け声。言葉の意味を超えて、音そのものが身体を揺らす快感に溢れています。

  • 「9 'Til 5」

    • 軽快なキーボードとタイトなリズム隊が織りなす、洗練された都会的なファンク・ナンバー。日常のBGMとしてもすんなり溶け込むポップさを持っています。

  • 「Pungee」

    • ベースラインとドラムの掛け合いがとにかく秀逸。シンプル極まりない構成でありながら、最後まで全く飽きさせない展開力に驚かされます。

「部屋の明かりを少し落として、お気に入りのドリンクを片手に針を落としてみてください。

言葉はいらない。ただ身を委ねているだけで、頭の先からつま先まで、心地よいリズムの波に包まれていくのを感じるはずです」

名盤レコード解説③:ボーカルと熱気を加えた最高峰『Rejuvenation』(1974年)

初期のストイックなインスト路線から一転、メンバー自身のボーカルと煌びやかなホーンセクションを大胆に取り入れ、華やかに進化を遂げた5thアルバム『Rejuvenation』。

名プロデューサー、アレン・トゥーサンとのタッグによって生まれた、サザン・ソウル/ファンクの金字塔です。

「引き算」の鋭さに「加算」のポップさが加わり、バンドの成熟と熱気が最高潮に達した、まさに文字通り「若返り・再生(Rejuvenation)」を告げる傑作です。

アルバムの聴きどころ・名曲ガイド

  • 「People Say」

    • 太くうねるベースと、ソウルフルな歌声が絶妙に絡み合うメーターズ流ファンクの完成形。一度聴けばサビのフレーズが頭から離れなくなります。

  • 「Hey Pocky A-Way」

    • ニューオーリンズの伝統的なお祭り「マルディグラ」の熱狂をそのまま封じ込めたような陽気なナンバー。身体が自然と動き出すハッピーなフィーリングに満ちています。

  • 「Just Kissed My Baby」

    • ヘヴィーでスモーキーなドラムとギターリフが強烈な一曲。後に多くのヒップホップ・アーティストにサンプリングされることになる、極上の重低音グルーヴです。

「鮮やかなジャケットを眺めながら針を落とせば、一瞬でそこは湿り気と熱気あふれるニューオーリンズの街角。

タフでポップ、そしてどこまでもグルーヴィー。日常にエネルギーを注入してくれる、人生のバイブルにしたい一枚です」

現代の音楽とのつながり(サンプリングと影響)

「70年代のファンク」と聞くと少し遠い存在に思えるかもしれませんが、実は私たちが日頃親しんでいる現代の音楽の中に、ザ・メーターズのDNAは深く息づいています。

彼らが生み出したタイトで隙間のあるグルーヴは、多くの名曲の「骨組み」として時代を超えて愛され続けています。

出典: Last.fm

現代シーンに息づくメーターズの遺伝子

  • 90sヒップホップを支えたサンプル源

    • Run-D.M.C.、A Tribe Called Quest、N.W.A.など、90年代ヒップホップのレジェンドたちが彼らの楽曲(特に「Just Kissed My Baby」や「Handclapping Song」)のドラムやベースを積極的にサンプリングしました。

  • ロックやR&Bアーティストへの絶大な影響

    • レッド・ホット・チリ・ペッパーズは彼らを敬愛し、カバーやライブ演出でもリスペクトを表明。また、ブルーノ・マーズをはじめとする現代のR&B/ポップスにおけるノスタルジックで生々しいファンクサウンドのルーツも、ここにあります。

一見難しそうに思えるレジェンド・バンドですが、実は「あなたが好きなあの曲」のルーツを辿ると、必ずと言っていいほどザ・メーターズに行き着くのです。

まとめ

時代を超えて愛されるザ・メーターズの魅力は、理屈抜きで身体が動き出す心地よいグルーヴにあります。

本当はヴィンテージ盤に針を落としてほしいところですが、現代ならもっと手軽に最高の音質で楽しめます。

Amazon Musicなどの高音質ストリーミングなら、今回紹介した名盤たちを当時の生の空気感そのままに体験できます。

夜のリラックスタイムやドライブのBGMに流せば、いつもの風景が少しスモーキーでクールに変わるはず。

まずは1曲、あなたのお気に入りとなるリズムを探しに出かけてみませんか?

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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