声が出なくなる前に。大人には「声を出す場所」が必要だと思った話
声が出なくなる前に。大人には「声を出す場所」が必要だと思った話
面接をしていた日のことです。 4人の応募者と話し終えたあと、ふと気づきました。
「あれ、声がかすれている……?」
最近はデスクワークに集中して、 文章を書いたり、資料を整えたり、 頭はずっと動いていたのに、 声を出す時間はほとんどありませんでした。
その瞬間、昔、生徒さんから聞いた話がよみがえりました。
声を出さない生活は、気づかないうちに身体に現れる
デスクワークに没頭していた数週間。 気づけば、誰かと長く話す時間がほとんどなかった。
家でも静か
仕事もオンライン中心
声を出す必要がない
文章だけで完結する日々
そんな生活が続くと、 声は思った以上に弱ってしまう。
面接で久しぶりに長く話したら、 声がかさかさになってしまった。
「これはいけないな」と、素直に思いました。
生徒さんの言葉が、今になって深く響く
以前、歌のコースの生徒さんが話してくれたことがあります。
「子供も独立して、夫も出かけて、 一日誰とも話さずに過ごしていたら、 電話が鳴って出たときに声が出なかったんです。」
その方は折込みチラシで歌のレッスンを見つけ、 すぐに教室に来てくれました。
今では、教室で歌う時間だけでなく、 家でも鼻歌が自然と出るようになった。
その話を聞いたときは 「そういうこともあるんだな」 くらいに思っていました。
でも今回、自分の声がかすれたことで、 その言葉の意味がようやく身体で理解できた気がします。
音楽は、声と心を取り戻すための“入口”
ピアノを弾くこと。 歌ってみること。 先生と話すこと。
どれも「声を出す」「呼吸をする」「自分を外に出す」行為。
大人になると、 意外とこれができなくなる。
だからこそ、音楽教室は ただ技術を学ぶ場所ではなく、
人が人らしく戻る場所 なのだと思います。
音楽を通して素敵な時間を
今回の気づきで、私は思いました。
音楽を楽しむ時間、 ピアノを弾く時間、 先生と話す時間。
それは、 「上達のため」だけではなく、 リズムを感じ、声を出し、先生との会話を楽しみ、 音楽を通して素敵な時間を過ごし、健康になるためのものでもある。
そしてその価値を、 私はもっと伝えていきたい。
声が出なくなる前に。
大人には、声を出せる場所が必要です。 音楽は、そのためのいちばんやさしい入口です。
