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piccolotakamura
お題【ファースト奇襲】
最後のキスはタバコのflavorがした。でも、最初のキスには、味も香りも感じる余裕などなかった。あまりにも突然で、偶発的な事故のような奇襲だったから。
「振り子の等時性っていうのは…」
僕がそう話し始めた瞬間に、彼女の唇が僕の頬をかすめた。
放課後の教室の中で、黒板に書き残された数式が妙に鮮明に目に焼き付いていた。
振り子の話がどうでもよくなったわけじゃない。ただ、頭の中が一瞬で空白になった。 彼女はすぐに身体を引いて、いたずらっぽく笑った。
「ごめん、なんか急にキスしたくなっただけなの」
まるで軽い冗談のような口調で言った。でも、彼女の目には一瞬、計算しきれなかった何かが揺れていた。
僕は言葉を探した。喉の奥で何か詰まったような感覚があった。だけど、「…等時性、って何だったっけ?」と、間の抜けた声で返してしまった。彼女はくすくす笑いながら、教科書を閉じた。
「もう!、集中力ゼロじゃん。続きはまた明日ね」
そう言い残して、足早に教室を出て行った。
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