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努力すれば必ず報われる世の中は、良い世の中ではない。


 あなたは、努力すれば報われる世の中を良い世界だと思いますか?

 あなたは、悪いことをすれば必ず罰せられる世の中を良い世界だと思いますか?


 上の2つの質問に対して、「Yes」と答える人が多いだろうと思います。

 けれども、「一生懸命に努力したら、報われる」ということは、裏を返せば、「報われていない人は努力が足りない」という考え方に陥る危険がありますね。

 また、「悪いことをすれば必ず罰せられる」というのは、「罰せられていない人は悪いことをしていない人だ」ということになりかねません。


 実際には、努力しても報われない人がいることは、誰でも知っているはずです。

 「努力は必ず報われる」と願うことは悪いことではありませんが、それが「信念」あるいは「信仰」のようになってしまうと、成功していない人は努力していない人だ!、という差別になりかねませんね。

 また、悪いことをしても罰せられない人がいることは現実にあることであり、罰せられていないからといって、善人であると言い切ることはできません。


 最近、「公正世界仮説」という言葉を知りました。
 努力しているのに報われないことはあります。けれども、「努力は必ず報われるのが世の中だ」という思いが強すぎると、「うまくいかないのは、努力していない私がすべて悪い」あるいは「あの人が成功しないのは何も努力していないからだ」という間違った結論を出す可能性があります。

 現実世界は良くも悪くも、成功するかどうかは、努力だけでなく、環境や運に左右されるものです。
 それを忘れてしまうと、成果を出せていない人は卑下しすぎたり、成果を出せた人は、成果を出せていない人のことを「怠け者だ!」と思ってしまうかもしれません。


 努力すれば報われる世の中を理想とする考え方は、一見、励ましになるように思えます。しかし、実際には現実の複雑さを無視した危うい幻想です。

 私たちは、努力だけではどうにもならない運や環境の影響を認める必要があります。

 報われない人々を責めたり卑下したりする考え方から脱却したほうがいい。

 むしろ、努力が報われるような社会を築くためには、機会の平等やセーフティネットを強化することが不可欠です。

 誰もが運に左右されすぎない仕組みを整えることが、真に良い世の中への道筋となるでしょう。

 努力は「義務」ではなく「選択」であるような世の中になっていけばよいな、と思います。




https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%BB%AE%E8%AA%AC


#公正世界仮説
#哲学
#努力

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山根あきら | 哲学者 記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします