きゃらぶき(伽羅蕗)の語源とは?
きゃらぶきはフキを醤油で煮詰めた料理である。
厳密に言えば漬け物ではないが、役割やポジションはほぼ同じ。
とにかく味が濃い。

「伽羅蕗の滅法辛きお寺かな」
とは、高浜虚子に師事した東京の俳人、川端芧舎が読んだ句である。
俳句のトーンだと、なんとも言えない哀愁を感じさせる。
真面目で不器用な人物が、寺の味付けに不満を抱いたものの、「作り手に直接は言えないから句を詠もう」と思い立ったような印象だ。
ちなみに、きゃらぶきは初夏(5月ごろ)の季語だそうだ。
きゃらぶきのきゃらとは、「伽羅」という名の香木に由来する。
東南アジアで採れる香り高い樹脂、「沈香(じんこう)」の中でも、特に色が濃く黒っぽい「黒沈香」を古代インド語で「kālāguru(カーラーグル)」と言う。
そのカーラーグルが伽羅に転じ、伽羅に見た目が似たフキということで、きゃらぶきの名がついたそうだ。
なんというオシャレなネーミング。
確かに、味が染み込んだきゃらぶきは、「黒色無双」を塗り込んであるかのごとく漆黒だ。
てっきり味が濃すぎて、「辛いフキ」からきゃらぶきになったのかと思いきや、まさかの見た目由来であった。
