クラシックとオーディオの日々1年の感謝
いつもブログ「クラシックとオーディオの日々」と picolist の note をご覧いただき、誠にありがとうございます。
このブログは本年1月31日で1年を迎えました(note は4月からスタート)。この1年間、雨の日も風の日も、盆暮れ正月も、ひたすらクラシックのアルバムを聴き続けました。最初は好きなアルバムを気ままに綴るつもりでしたが、次第に新譜を書くようになり、気づけば新しいアルバムが毎週リリースされるたびに Apple Music Classical で探し、Qobuz で再生するという日々になりました。
「毎日続けよう」と意識したことはなく、ただ音楽のない人生が考えられず、聴いたことを記録することがいつの間にか日常となり、習慣となり、今では書かないと落ち着いて眠れなくなってしまいました。
これは多くの方に読んでいただいたことが大きな励みになりました。今日現在 note はもうすぐ18万ビュー、スキも12000近くもいただきました。心より御礼申し上げます。人付き合いが得意ではなく、コメントを返せなかったこともしばしばありました。この場を借りてお詫びいたします。
今日は音楽を聴くのを少しやめて、1年間毎日クラシックを聴き、その感想を書き続けてきて感じたことについて書いてみたいと思います。
■「聴く」という行為の変化
今はサブスクでほとんどの音楽が安価で聴けます。
1900年代半ば生まれの私にとっては夢の未来です。
若い頃は LP をやっとの思いで月に1枚買い、擦り切れるまで聴きました。初めてのボーナスではオーディオセットを買い、LP から CD の時代へ、そして NML、Spotify、Amazon Music、Apple Music と広がり、今やほとんどの音楽が“聴き放題”。
しかし、その便利さが本当に「聴く」という行為の質を上げたのかと自問すると、むしろ逆ではないかと思う瞬間が増えました。気づけば音楽がただ流れていき、自分もその流れに漂っている。そこで聴いた音楽の記録を残すために始めたのがこのブログであり note です。
■ストリーミングと「音楽の手触り」
音楽とは本来つかみどころのないものです。空気の振動にすぎず、目にも触れられません。LP や CD に音を詰め込んでも、それ自体は音楽ではない。ストリーミングはそれにさらに近い形で、手に取ることも集めることもできず、突然配信が終わることもある。
人間はそれを掴むために LP や CD という“物体”を作り、収集してきた。しかしストリーミングの登場で“音の缶詰”を集める意味は希薄になりました。LP は再び売れていますが、これも一過性かもしれません。
では音楽はどこに残るのか。
私にとってはそれがブログと note でした。
1年で365枚のコレクション。それぞれには聴いた瞬間の感覚が記録され、複数リンクを貼ることでどれかが配信終了しても辿れるようにしている。それは同時に私自身の内面の記録でもあります。
■録音という行為について
1年間、新譜のライナーノートを365冊読みましたが、録音という行為は演奏家にとってコンサートとは全く別の世界です。
チェンバロ奏者ジャン・ロンドーは、ルイ・クープラン全集のノートにこう書きました。
「コンサートは共同体の儀式であり、集団で音楽を生きる。
録音はまったく別の世界である。
録音は、孤独で、秘められた瞬間だ。」
録音は孤独に自分と向き合い、膨大なテイクを聴き、理想の音楽像を編集し、仕上げる作業。時間を止め、戻し、その瞬間の最良を記録する行為。
そしてそれは演奏家にとって“通過点”に過ぎず、次に同じ曲を録音すれば全く違うものになる。
■聴く側も常に変化している
それは聴く側も同じです。
人間は瞬間瞬間に変化し続ける。
同じアルバムでも
聴く日、時間、季節、気分、そしてオーディオ環境で全く違う体験になる。
だからこそアルバムを再生している瞬間は二度と再現されない。
■ブログを書くという行為
このブログ・noteを書くということは、演奏家が録音に臨むのと同じように、その瞬間を記録すること。稚拙でも、その時の唯一無二の音楽体験が残っていく。
それを私は“新しいコレクション”と考えています。
365枚のコレクション。時に昔の文章を読みリンクを開き聴いてみると、当時とは全く違う体験が生まれ、同時に過去の自分と現在の自分の変化に気づく。
その繰り返しこそ“音楽を聴く”という行為なのかもしれません。
■これから
この先どこまでコレクションが増えるかはわかりません。しかし仕事が一区切りつき、これからは自由な時間も少し増えるため、おそらく音楽を聴き、記録することも増えていくでしょう。
駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
音楽を聴き、書くことが自分の生き甲斐になりつつあります。
まだまだ続けていくつもりですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

