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山田和樹さん指揮、バーミンガム市交響楽団演奏会(2025年6月30日東京オペラシティ コンサートホール)

今晩は、山田和樹さん指揮、バーミンガム市交響楽団の演奏会に行って参りました(東京オペラシティ コンサートホール)。
二日続けて海外のオケに行くのは、私としては珍しい。基本的に部屋に籠もってオーディオで聴くタイプなので、もしかしたら初めてかな?

プログラムは
ショスタコーヴィチ:祝典序曲 イ長調 作品96
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
チェロ:シェク・カネー=メイソン
ムソルグスキー:展覧会の絵(ヘンリー・ウッド編)

山田和樹さん、すごいですね。この前のベルリン・フィルも素晴らしかったし、サントリー賞受賞、ベルリン・ドイツ交響楽団就任、他にもまだありそう…今最もホットな指揮者。バーミンガム市交響楽団は、サイモン・ラトルが育て上げたオケというイメージが強いです。ラトル指揮の同オケのディスクも何枚か持っていますね。最近はあまり聴いていないけれど、ラトルの後もいい指揮者が続いて、山田さんは2028/29のシーズンまで契約したとか。オケにも大人気です。

演奏に先立って山田さんの明るい解説。とにかくバーミンガム響の人たちはあったかい人が多いそうで、それが演奏に表れているとか。それからチェロのシェク・カネー=メイソンもとても人柄が良いと。イギリスでは大人気なので日本でももっと知ってもらいたいと彼をソリストに選んだそうです。

まずはショスタコーヴィチの祝典序曲。元気のいい始まり、金管がバリバリ系ですね。オケの配置は普通、結構大人数。16型かな? 山田さんはベルリン・フィルの時よりずっとリラックスしていますね。もうオケに任せているという感じ。最後は幕張総合高校の生徒がバンダで加わって華やかに終わりました。こういう試みは海外オケだとかなり珍しい。乗れた子たちは嬉しかったでしょう。集客にも貢献できますしね、高校生の団体さんが来ていました。

続いてエルガーのチェロ協奏曲。この曲は大好きなんですが、どうも今まで生演奏で聴くとバランスが悪い…これは結構大きなオーケストレーションにチェロ一人が立ち向かうから、気をつけないと独奏がかき消されがち。今日は後ろの方で聴いたので、予想通りチェロのソロがかなり小さく聞こえます。ただ、音色は今まで録音で聴いてきたシェクの音そのまま。彼は髭を生やしてたかな、それでもまだたったの26歳! 少しラフなステージ衣装で、まだまだ子供っぽく見えますし、はにかみながら出てくるのは微笑ましい。演奏はあの音色とともに、エルガーの慟哭…までは行かなかったけれど、溢れ出る情感をよく表現していました。オケの方もこの曲は慣れているのでしょうか、要所要所でピシッと決めるのはさすが。ただバランスはいかんともしがたい…前の方で聴けばまた違ってくるのかも。もう少し近くで聴きたかった。アンコールはボブ・マーリーの「She used to call me dada」っていう曲ですが、ピチカートだけでノリのいい曲でした。レゲエ系かな。

さて、今晩のもう1つの聴き物は展覧会の絵。私は最初ラヴェル版だとばかり思っていて、展覧会の絵は新世界同様食傷気味だったので、あまり期待していなかったのですが…当日になって今日の演奏がラヴェル編曲じゃなくて、ヘンリー・ウッド卿版であることを知りました。びっくりしたな。

ヘンリー・ウッドは英国の夏の風物詩、プロムスの創設者。イギリス音楽のことをいろいろ読むと、あらゆるところで顔を出します。英国音楽の父、かな。ストコフスキーみたいにいろいろな楽曲をアレンジしていて、展覧会の絵もその1つ。山田さんも解説していましたが、実はラヴェルよりも前に管弦楽版をアレンジしているとのこと。

冒頭はトランペットのソロではなくて、ブラスアンサンブルで始まります。このオケのブラスセクションは、よく言えば輝かしい、悪く言えば少々荒っぽい。ただ、これはラヴェルの編曲とは違って、ムソルグスキーの原曲にある、ちょっと土俗的な、あるいは原始的な響きをウッドが再現しようとしている意図と合わせているのでしょう。ノコギリの音のようなトロンボーンのグリッサンドやら、思わぬところでムチがパシッとなったり、打楽器がダンッとなったり、ラヴェルに聴き慣れている身には奇想天外。しかし案外ラヴェルと同じ楽器を使っている部分もあるから、山田さんも言っていたけれど、もしかしたらラヴェルがちょっとパクったかも? テナーテューバかな? バルコニー席でソロを吹いたりいろいろ面白い仕掛け。ラヴェルと違ってプロムナードは途中入りません。「殻をつけたヒナの踊り」はヴァイオリンソロ、「ザムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」はラヴェルと一緒でミュート付きトランペットをフィーチャー。次に何が起こるかわからない面白さ。山田さんと言えば挙句に指揮台から降りて弦楽器を煽り立てたり。「キエフの大門」の前は突然静まり返り、遠くに鐘の音。これはどうもシンセサイザーかな? そして突然爆音で「キエフの大門」。途中のコラールはパイプオルガン。そして最後はもうオルガンもフルで鳴って大音響で終わります。

まぁちょっとゲテモノ料理を食べたっていう感じがしないでもないけれど、面白かったですね。山田さんは本当に楽しそうに振っていましたし、オケのメンバーもすごく楽しんで弾いているのが伝わってきます。確かに暖かい雰囲気がそのまま音になったオーケストラですね。

アンコールのウォルトンの「宝玉と王の杖」はとても良かった、まさにイギリスっていう感じでイキイキとオーケストラが鳴っていました。
最後は指揮者と一緒に手を振って終了。あったかいオケですね。昨日のロッテルダム・フィルとは対照的。市民に親しまれ、愛されてるオーケストラっていう感じ。

ということで、昨日から続けての海外オケ、全く雰囲気の異なる演奏が聴けて面白い二日間でありました。

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