サグラダ・ファミリア、同じ日に2回入ってわかったこと|塔より印象に残ったのは光だった
今年2026年、イエス・キリストの塔の完成により大きな節目を迎えたサグラダ・ファミリア。
全体の完全な完成は、2035年頃を見込んでいるという。
建設が始まったのは1882年というから、実に150年以上の歳月を費やすことになる。
1990年に初めてヨーロッパを訪れた際、私はなぜかサグラダ・ファミリアを素通りした(なぜだ?)。
しかしその35年後の2025年、再びヨーロッパをバックパックで旅すると決めた時、サグラダ・ファミリアは私にとって「絶対に外せない目的地」のひとつになっていた。
なぜこうも変化したのか自分でもわからないが、とにかく自分の目で見たかったのだ。
実際に行ってみて、2025年の旅で「行ってよかった場所」トップ5に入る。

計画中に一番悩んだのは、「生誕の塔」と「受難の塔」のどちらにのぼるべきかだった。ネットで調べると「見える景色が違う」とか「見える(塔の)パーツが違う」という比較情報が出てくる。
散々迷ったが決められず、結局私は、2回行くことにした。
(そのおかげで、強く印象に残る経験ができた)
私が訪れた日時は以下のとおり。
【日付】
2025年3月10日
【時間】
1回目 09:30予約(受難の塔 入場 09:45)曇り
2回目 15:45予約(生誕の塔 入場 16:00)晴れ
私が事前にネットで調べたところでは、サグラダ・ファミリア観光を計画している読者向けの記事には、「どちらの塔を選ぶか」を解説しているものも多かった。
生誕の塔からは海側の景色が見え、受難の塔からは市街地が見えるなどだ。
だが、2回行ってみたら、塔は実際のところどっちでもよかった(個人的感想)。
なぜなら、どちらの塔も、ゆっくり景色を鑑賞している余裕はあまりないから。

エレベーターで上にあがった後、長い螺旋階段で降りてくるのだが、階段の幅は人ひとり分ほどで狭い。
そして自分の後ろにも、降りてくる人たちは続いている。
(観光客の多いバルセロナで、サグラダ・ファミリアは最も人気の観光スポットのひとつだ。塔への入場は時間予約制だが、すべての枠が売り切れになるのが常)
だから、自分だけのペースでのんびり降りるのは難しかった。

そんなわけで、塔から見える景色は、後ろを気にしながら、ササッと写真を撮るくらい。
景色よりも私の印象に残ったのは、むしろ聖堂内の光だった。
2回のうち1回目、午前中ももちろん美しかった。
しかし、同じ日の午後、生誕の塔に上った後、再び聖堂内に戻った時、私はそこに溢れる光に目を奪われた。
「さっきと全然違う」
だから、私は「サグラダ・ファミリアは何時に行くかが大事なんだ」と思っていた。
この記事を書くまでは。
ところが、記憶とは曖昧なものだ。
この記事を書くにあたり、撮影した写真を改めて見返してみた。
各写真のプロパティから撮影時刻も確認した。
すると、意外にも(?)午前中にも、十分美しい光が差し込む聖堂内を撮影できていた。
以下▼は、午前中に撮影した画像だ。

じゅうぶん光に溢れて美しい。
しかしその1時間後が次の画像▼。1時間の違いで、まったく違って見える。

東側も比べてみよう。


30分の差で、色合いも光の差し方も全く違う。
そして今度は午後、生誕の塔に上った後、戻った聖堂内▼

この光に圧倒されたのだ。画像では1枚目とあまり違いがわからないかもしれないが、まるで夕焼けのような光が聖堂内を満たしていた。


画像に記録された時刻を見ると、この時、少なくとも1時間半は聖堂内で過ごしている(それだけ私は、この光と聖堂に魅了されたのだ)。
撮影時刻を見返し画像を比較しているうちに、「光が斜めに差し込む時間帯ならよい」と単純に言いきれなくなってしまった。
もちろん、訪れる時間帯は重要だと思う。
午前10時頃と午後4時頃では、光の差し込む方向も角度も違う。
さらには、画像に写っている空を見ると、2回目の方が晴れていた。
サグラダ・ファミリアを設計したアントニ・ガウディは、自然をお手本にして、東側には寒色(青や緑)のステンドグラス、西側には暖色(オレンジや赤)のステンドグラスを配置した。
そして実際に2回訪れたことにより、そのステンドグラスを通る光の角度や差し込む方角、光量によって、聖堂内を満たす光の色は常に移り変わることがわかった。
当初の私は、「生誕の塔か、受難の塔か」ばかりを気にしていた。
でも実際に2回入ってみると、塔からの景色にはそこまで感銘を受けなかった。
それよりも、あの光。
オンライン英会話の先生たちにも、冗談めかして話したものだ。
「天国にはまだ行ったことがないけど、たぶん天国ってあんな感じなんだと思う」
もしあなたがこれからサグラダ・ファミリアを訪れるなら、「どちらの塔か」だけでなく「何時に行くか」も考慮してみることを、私はおすすめする。
ただし、相手は自然だ。
ガウディは自然を尊敬しそれに倣った。私たちの思い通りには、ならないものに。
サグラダ・ファミリアは、自然の力を借りてこそ、最高の姿を現すようにできているようだ。
あの日の光に出会えたこと自体が、旅の幸運だったのかもしれない。
長い記事を、ここまで読んでくださりありがとうございます!
よろしければ、スキやフォローいただけると、とても嬉しいです。
喜んでもっと書きます(笑)。
※2025年の47日間ヨーロッパひとり旅のエピソードは、マガジンにまとめています。
ちなみに私は、聴覚障害者である。47日間の旅の間、サグラダ・ファミリアをはじめ10の観光施設で、障害者割引を利用させていただいた。
それについては「実体験【ヨーロッパ旅行】日本の障害者手帳で障害者割引を使えた観光スポット10か所」に書いています。
