五輪前のバルセロナで、値切り初体験|1990年ヨーロッパひとり旅
※これは1990年のヨーロッパひとり旅のお話です(第28話)。
3月14日 バルセロナ
「バルセロナには、少なくとも2日は滞在すべき」
とガイドブックには書かれていた。
それでもやっぱり私は1日しか滞在しなかった。本当に駆け足の旅だ。
(*せっかくバルセロナへ行ったのに、サグラダ・ファミリアは遠目に見るだけ、グエル公園にも行かなかったなんて、当時の私はいったい何を考えていたのかわかりません)

モンジュイックの丘に登り、オリンピック(1992年開催のバルセロナ五輪)の舞台となる競技場を見た。
カタルーニャ美術館、ミロ美術館も見学する。
ミロ美術館はとても面白く興味深かった。
絵葉書を買って、親にも感動を伝えたほどだ。
それからロープウェイに乗り、港へ下りる。
ロープウェイのゴンドラには、係員のおじさん以外は私しか乗っておらず、ゆっくりと下りる間、なんとなく気まずかった。

コロンブス像やサンタマリア号を眺め、ランブラス通りを歩く。

ランブラス通りの土産物屋さんは、みな商売熱心で、盛んに声を掛けてくる。
1295ペセタ(1ペセタが1.37円くらい)のTシャツを1200ペセタで買ったり、ふと入った店でよく選べないままピアスを買う羽目になったりもした(1590ペセタを1400ペセタにしてくれたけれど)。
私はピアスホールを開けていないので、友人へのお土産にする。
また別の店では、主人が日本語で迫ってきた。
「トモダチ!オマケシマス!ヤスイネ!」
連発するので、私もつい面白がって長居してしまった。
店の主人、ローレンツォさんは、他にイタリア語、英語を話せると胸を張った。
見かけは30歳を超えていそうなのに、自称25歳だ。
(*失礼だな)
しまいには
「今夜、ディスコに行こう!車で迎えに行くよ」
などと言い出す始末である。
「今夜はもう、グラナダへ行く列車に乗るから」
「なんだって?!バルセロナを十分見たのかい?もう少しこの街にいるべきだ。ここは素晴らしいところなんだよ」
(*ローマでも似たようなことを言われてましたね…)
結局、2190ペセタ(約3000円)のペーパーナイフを1400ペセタ(約1930円)に値切って2本買い、絵葉書を1枚おまけしてもらって、やっと私はローレンツォさんの店を出た。
値切って買い物をしたなんて、生まれて初めてだ。

花屋の並ぶランブラス通りをぶらぶら歩き、途中で食事をして、19:45発の列車に乗る。
もう少しゆっくりしたいなと思いながら、残された旅の時間を考えると気持ちが焦った。
【2026年の私から】
1990年は、2年後にオリンピックを控えていたバルセロナ。いつも以上に活気があったのかもしれません。
1990年当時のサグラダ・ファミリアは、中央の身廊内部も完成していなかったとのこと。この時、遠目にしか見なかったサグラダ・ファミリアには、2025年に訪れることができました。
2025年の旅のハイライトにもなり、35年前、近くに行って写真を撮ておかなかったことが悔やまれます。
140年もの時をかけて少しずつ建設されてきたサグラダ・ファミリアも、今年2026年、イエス・キリストの塔の完成をもっておおむね完成形と言える形になるそうです。
2025年に歩いたランブラス通りもにぎやかでした。他の大都市と同じ、都会の雰囲気が漂っていました。
観光客が非常に多く、オーバーツーリズムが取り沙汰されるバルセロナ。
地下鉄では私も一瞬、怖いと思う場面がありました。
でもたくさんの人が訪れる魅力が、確かにこの街にはあります。
私も、再度この街を訪れ、もっとよく見たいと思っています。
※1990年、2025年の旅の記事は、それぞれマガジン▼にまとめています。
