【エッセイ】出会いと別れのあいだに
出会いがあれば、必ず別れがやってくる。
それはもう何度も経験してきたはずなのに
なぜだろう。
いつまでたっても、慣れることができない。
出会いがあれば、いつか別れがやってくる。
そんなの、わかってる。
だけど、いざその瞬間が近づくと
心のどこかがざわついて
どうしようもなく切なくなる。
今日、
ふと立ち寄ったお店で話しかけてくれた店員さん。
たった数分のやりとりだったけど
優しい声と笑顔が、なんとなく心に残った。
もう二度と会わないかもしれないけれど
それでも、確かに「出会い」だった。
それがたとえ一瞬の関わりだったとしても
心が少しでも動いたなら、それはもう出会いで。
そして、
静かに去っていくなら、それはもう、ひとつの別れだと思う。
誰かと心を通わせるたび
いつかこの関係にも終わりが来るんだろうな
と思ってしまう自分がいる。
だからこそ
今が愛おしくて、今がちょっとだけこわい。
人との関係に限った話じゃない。
ふと目を留めた街路樹や、毎週楽しみにしていたアニメの最終回。
あっけないほど静かに終わっていくものにも、私は勝手に出会いと別れを重ねてしまう。
出会いと別れを繰り返して
私たちは少しずつ、深くなっていく。
思いやりが、情が、ぬくもりが
そんなふうにして育っていくんだと思う。
歳を重ねるごとに、そういった経験を多く重ねた人は、不思議と穏やかだ。
焦らず、騒がず、ただ静かにそこにいる感じ。
何も言わなくても、
わかってくれそうな、あの包容力。
そういう人に、いつかなれたらいい。
私はどちらかといえば行動的で、いろんな場所へ行き、いろんな人と出会ってきた。
そのぶん、別れも多かった。
今はまだ、社会に揉まれてばかりで、情けないくらい未熟だけれど
それでも、いつか私にも
「ああ、この人にはちゃんと人生があるんだな」って思ってもらえるような、そんな深みが宿る日が来るのだろうか。
そんなことを、夜の帰り道でふと思った。
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