【本要約】部下をもったら一番最初に読む本【部下がいなくても必見】
お疲れ様です。
最近地元に帰省したと思ったらゲリラ豪雨で立ち往生してしまっています。
英知 契(えいちけい)です。
最近、私や私の周りで「初めて直属の後輩を抱えるようになった」「部下をたくさん持つようになった」という人がかなり増えてきているような気がします。
いわゆる、世間でいう「マネジメント」っていうヤツです。
私自身も、最近思い当たる経験をしたことがあるので、「ああ、これはちゃんと自分で研鑽しないといかんな」と、ふと思ったわけです。
そんな感情の中、書店をぶらついていたときに見つけた本が、コチラ。
ああ、これ今の自分にぴったりだ。
と、迷わず購入(私(筆者)がビジネス本を買うときはいつも大体こんな感じです)。
そして、実際に読んでみた結果、案の定ドンピシャな内容の本だったわけです。
そこで今回は、「マネジメント」「後輩や部下との関わり方」への解像度がびっくりするほどクリアになる本書を、本要約する形で皆さんにお届けできればと思います。
それでは、スタートです。
1:マネジメントは「才能」ではない。いつでも、誰でも、訓練して身につけられるものだ。
こちらは、本書冒頭箇所で繰り返し書かれていたフレーズです。
「マネジメント」や「リーダーシップ」と聞くと、誰しも「特別な才能が必要」だとか、「マネージャーはマネージャーの能力がある人だけがやればいい」だとか考えてしまいがちです。
かくいう筆者の私も、「マネジメント」とか「リーダーシップ」って聞くと、中学時代とか高校時代とかに生徒会長とか部活のキャプテンをやっていた人が社会でもやっていくものなのかなーと思っていました。
が、現実は違います。
仕事に慣れてきて後輩や部下をそこそこ抱えるようになってくると、否応なしにマネジメントの機会が巡ってきてしまいます。
まさに、身構えてないのに立たされる打席。
著者は、マネジメントは優秀なプレーヤーが出世として次のステージで挑戦せざるを得ないポジションであることと、優秀なプレーヤーが優秀なマネージャーであるとは必ずしもそうだとは言えない、と述べています。
特に、後者は結構ありがちな事象です。
優秀なプレーヤーが我流でマネジメントをゴリゴリ推し進めた結果、起きてしまうのはマネジメントの失敗。
なぜ失敗が起きてしまうのか。
なぜ優秀なプレーヤーがマネジメントとなると上手くいかないケースがあるのか。
その理由は1つです。
それは……。
マネジメントの「無免許運転」状態が起こっている。
この1点です。
本書を読んで「なるほど」と思った表現なのですが、マネジメントは車の運転と同じで、しっかりしたマニュアルと教習を受けて能力(ライセンス、免許)を獲得してからじゃないと、マネジメントの失敗(事故)が起きてしまうのは仕方がない、というメタファーが書かれていました。
確かに、「それはそうだ」といったところです。
皆さんご存知の通り、車の運転は自動車学校に通って座学と実技をしっかり習ってから、路上運転を開始しますよね。もしこれを破ってしまったなら警察のお世話になるのは火を見るよりも明らかです(免許不携帯など)。
しかし、マネジメントとなると、たいした研修も受けないまま、与えられた「役職」として全うしてとりあえずガムシャラにやってみる。その結果、プロジェクトの炎上やマネジメントの失敗に繋がってしまう。場合によっては警察のお世話どころじゃ済まなさそうなことも…。
ただ、逆に捉えると、マネジメントには特別な才能やカリスマ性も必要なく、体系的に学んで実践していく(まさに自動車学校の例えそのままですね)ことで、誰しもが獲得できるスキルであることも示しています。
つまり、マネジメントは才能ではなく「努力」で獲得できるスキルである、ということ。
これを知っているか知らないかだけでも、差はかなりデカいんじゃないかなと思っています。
2:リードマネジメントを制する者は、部下育成を制す。
前章で、「マネジメントは才能ではなく努力で獲得できる技術だ」とズバッと言い切ってしまったかと思います。
そして、当然以下のような疑問が脳裏に浮かんでくるわけです。
じゃあ、具体的にどんな努力をすればいいの?
そもそも、どんな技術なの?
本書では、しっかりその答えも提起されています。
それは、「リードマネジメント」です。
聞き馴染みがなく、何それ美味しいの?という方も多いかと思いますが、もうしばらくお付き合いください。
本書によると、リードマネジメントとは「選択理論(選択理論心理学)」をベースとしたマネジメント手法で、「全ての行動およびその結果は自分自身の行動で決まる」という考えをベースにしています。
平たく説明すると、「人を変えようとする(コントロールしようとする)」のではなく、「自分の行動1つでで周りや他人にプラス/マイナスの影響/動機を与える」と考えることです。
本書でも
「人は変えられない。でも人は変われる」
という端的な言葉で、リードマネジメントの本質が表現されています。
従来のボス・マネジメントや信賞必罰スタイルのマネジメント手法ではなく、部下やメンバーの「内的動機づけ」をいかに適切に行なっていくか。
これが「リードマネジメント」に基づく部下育成では大切になっていきます。
じゃあ、どうやってその「リードマネジメント」とやらを実践するの?
ということで、以下からは本書で紹介されている「リードマネジメント実践のための5つの技術」をざっくりと紹介したいと思います。
3:「リーダーシップの技術」を磨いてメンバーからの信頼を集める。
1つ目の技術は、「リーダーシップ」の技術です。
この記事でも意図的にそうしていましたが、「リードマネジメント」では「リーダーシップ」と「マネジメント」をセットで考えることを何より重要としています。
リーダーシップ = 未来を示す力
マネジメント = 未来に向けたプロセスをコントロールする力
上記のように考えたとき、リーダーシップとマネジメントは車のタイヤの両輪のような関係性みたいなものだな〜、と、なんとなく伝わってくるはずです。
個人的に共感したのは、「リーダーシップ」は、「何のため」という目的感、ゴールをずばっと明確に示していくことだ、ということです。
私は漫画「キングダム」が好きなのですが、キングダムに出てくる優秀な将軍やキャラクターも、たとえば主人公の1人である嬴政(後の始皇帝)の「中華統一のための戦い」のように、「何のため」というビジョンを持って戦っているキャラクターが多いです。
同じように、今自分がやっている仕事や任務の「ゴール」も知らないまま突き進んでしまうと、それは非常に危険な兆候。
加えて、マネージャーはメンバーの「上質世界(=好きなことや固有の考え、願望など)」をちゃんと理解することが大切だと本書で述べられています。
上質世界は、リードマネジメントの根幹をなす考えの一つで、以下のプロセスでメンバーの上質世界にアクセスしていくことが大切だと述べられています。
メンバーの上質世界(=願望、ゴール、人生観など)を理解
↓
メンバーの上質世界に自分を入れてもらう
↓
仕事や環境など、より大きなフィールドが上質世界に入れるように拡張する
上記のプロセスを達成するには、メンバーからの尊敬と信頼が必要不可欠。
私の高校時代の先輩が、座右の銘として「建設は死闘、破壊は一瞬」という言葉を教えてくれたのですがこれは「他者との信頼関係の構築」というシチュエーションにもピッタリ当てはまると思っています。
以下は、メンバーから「信頼」と「尊敬」を集めるために重要となる「7つの習慣」です。実践してみるとよいでしょう。
傾聴する:相手の話を遮らず、きちんと聞いてあげる
支援する:相手の目的・目標を達成するためにサポートする
励ます:相手が上手く立ち回れていないとき、激励してあげてポジティブな影響を与える
尊敬する:相手を「自分より有能」だと考える
信頼する:「この分野なら貴方に任せられます」という信頼をきちんと言葉で伝え、任せていく。
受容する:自分と意見や立場が違う場合でも、相手を否定せずに受け入れること
違いを交渉する:上記を踏まえた発言を、自分の言葉(Iメッセージ)で伝える
また、大前提として、「まずはマネージャーがメンバーを自分の上質世界に案内する」ことが大切だとも述べられています。
これはマネージャー自身の上質世界、すなわち「何のため」というビジョンや展望をしっかり持たないとできない芸当です。
7つの習慣を意識的に実践しながらも、「自分って何を目指しているんだっけ」「この仕事の目的は何だったけ」という自分の上質世界(=ビジョンや考え)も同時並行で磨いていくと、「リーダーシップの技術」を磨くことにおいてかなりプラスの結果が期待できそうです。
4:「個人の成長支援の技術」を磨いてメンバーの自立を促す。
2つ目の技術は「個人の成長支援の技術」です。
個人の成長、すなわちメンバーのレベルアップ、より強固なメンバー各々の自立性を育成していく技術もリードマネジメントでは重要になってます。
本書では、組織には「達成型組織」と「未達成型組織」の2パターンがあると述べられています。
「達成型組織」と「未達成型組織」の最大の違いは、個々のメンバーの目標が明確にあるかどうかです。当然、明確にある方が前者でない方が後者になります。
明確な目標がないと、曖昧に打った弓矢と同じく的にヒットしないのは、火を見るよりも明らかだと思います(そもそも的(=目標)がないから無意味ですが……)。
そして、リードマネジメントではメンバーの「左手(=目標、目的)」と「右手(=実際の行動、アクション)」をマッチさせていくことが重要だと述べられています。文字通り、両手のバランスが重要ということですね。
メンバーの「目標、目的」についてはマネージャー自身が積極的にメンバーの上質世界を知っていこうとする姿勢も大切ですが、メンバー自身が「目標、目的」について考えなければならないタイミングも当然あります。
だからこそ、マネージャーはメンバーの話を傾聴しながらも、「質問のレパートリー」を充実させつつマネージャー自身の「手のひら(=目標、目的)」を見せながら、個々のメンバーの「左手」をハッキリさせることが大切です。
「質問のレパートリーを増やす」のは、例えば「これまでの人生で一番充実していたことは?」「なぜそれが一番充実していたのか?」「もしそれが職場でも得られるとしたら?」と言ったように、オープンなトピックから関連付けてエピソードを深掘っていくのも一例です。
そして、「左手(=目標や理念、願望)」が見えてきたのなら次は「右手(=行動)」です。
マネージャーからも、メンバーには「期待値」「理想像」を見せつつも、メンバーの「行動の結果」に対して適切な「フィードバック」を伝えてあげることも大切です。
フィードバックは、本書でも説明あるように「メンバーの理想像と現在地の比較、ギャップ」を伝えることなので、そこをブラさないようにしましょう。
例えば、今後の改善点を伝える「ギャップ・フィードバック」でメンバーの遅刻癖を指摘するときに、マネージャーも遅刻癖があったら「お前には言われたくないわ」と思われてメンバーからの信頼は無くなってしまいますし、感情論に任せたフィードバックやメンバーの性格・性質(=上質世界)を頭ごなしに批判するフィードバックを受けると、メンバーとの人間関係は破綻まっしぐら。
筆者の私自身もADHD的な特性がある(職場ではオープンにしていません)ので「ギャップ・フィードバック」をたくさん受けてきましたが、「自己否定」や「性質の否定」につながるフィードバックを受けた時は流石にグサっときました。
自分や自分を取り巻く環境の経験談をモデルにしたり、反面教師にすることでも、「個人の成長支援の技術」はさらに磨きがかかったものになると思います。
5:「水質管理の技術」を磨いて組織運営を効率化する。
3つ目の技術は「水質管理の技術」です。
水質管理と聞くと、実家で飼っていたメダカやタニシを入れておいた水槽や、水族館の巨大水槽など色々あると思いますが、それの組織バージョン、マネジメントバージョンだと思っていただければ結構です。
組織の「水質」は、組織そのものの「文化や風土、当たり前の基準」であると言い換えられ、それをコントロールする技術が「水質管理の技術」になります。
そして、どのような「水質」がメンバーの育成にとって重要か、というお話しですが、ここまで読んでいただいた皆さんは薄々気づかれていると思います。
それは、当然といえば当然ですが「メンバーが安心して伸び伸びと成長していける、ポジティブな文化」です。
水質、すなわち組織の文化や風土も、メンバーやマネージャーといった「人」の単位とと同様に、定期的な水質検査(点検)と改善が必要です。
そのためには、組織の現状の水質と理想とのギャップをマネージャー自身が知っておかねばならず、そのギャップを率先して解消して状況を改善すること(改善の体現者となること)が求められます。
そして、理想と現実のギャップを埋める行動、ここでは「水質の改善」も慎重に行なって行かねばなりません。
組織の水質を変えなきゃ、という焦りで大規模なルール変更や体制変更を行うとメンバーが疲弊してしまいます。
そこで、本書では「半分ずつ、少しずつ改善していくソフトランディングの水質改善法を取るべき」だと明記されています。
例えば、上記「リーダーシップの技術」で述べた「7つの習慣」を1つでも習慣的に実践していく組織にしていくのも水質改善に大いに役立つことでしょう。
私自身もこれまでの人生で何度も感じたことですが、「個人」ですら習慣化や改革に時間がかかるのですから、集合体である「組織」は尚更です。
このことを踏まえておくだけでも、組織の「水質」は徐々に良くなっていくのではないかなと思います。
6:「委任する技術」を磨いて自分のタスクに全集中する。
4つ目の技術は「委任する技術」です。
砕いた言葉で表現すると、「タスクを振る、任せる技術」ともいえるかもしれません。
まず、押さえておきたいのは「委任」と「放任」の違いです。
本書では端的に、「放任」とは「任せっぱなし」のことで、「委任」とは「メンバーにタスクは任せつつも、適切な報連相(報告・連絡・相談)を行いマネージャーも状況をトラッキングし、適宜サポートや助言も行う」ことだと指しています。
すなわち、「委任」とは「任せて任せず」の状態です。
そして、メンバーにタスクを「委任」している間のマネージャーのタスクとしては、「重要度が高いタスク」を消化していくことが重要だと述べられています。
こちらは、著者の橋本拓也さんが取締役営業本部長を務められているアチーブメント株式会社様のホームページを参考資料として引用したものですが、タスクの「重要度」と「緊急度」の4象限をベースにした「L字型行動」と「Z字型行動」の2パターンが存在しています。
「L字型行動」とは、タスクの「緊急度」をベースに行動することで、「Z字型行動」とは、タスクの「重要度」をベースとした行動になっています。
つまり、「緊急度は低いが重要度が高いタスク」を優先的にこなしていく(=Z字型行動)か、「緊急度は高いが重要度は低いタスク」を優先的にこなしていく(=L字型行動)かの違いです。
本書では、「Z字型行動」を積極的に取っていくことが推奨されています。
なぜなら、「緊急度は低いが重要度が高いタスク」には、例えば上記で述べたような「組織の水質改善」であったり、「メンバーへのフィードバック方法の改善」「7つの習慣の実践および組織の文化としての定着化」であったりが含まれており、リードマネジメントを基底とした技術の定着化に直結するからです。
少なくとも、「自分の組織とメンバーの未来、理想」について考えられるように思索を深める時間(本書ではプライムタイムと言ってます)を持つことが大切になってくるでしょう。
そして、タスクを委任する時には「なぜそのメンバーに委任するのか」を明確に伝えつつ、「アチーブメントゾーン」の最適勾配に則ったタスクを与えることが何より重要です(無理なく、かつ甘やかしにならないようなタスクを与える)。
タスクの委任について、メンバーとしっかりコミュニケーションをとりながら、重要度の高いタスクについて考える「プライムタイム」を持って日々過ごして行きたいものです。
5:「仕組み化する技術」を磨いて組織のプラス循環を確固たるものにする。
ラスト5つ目の技術は「仕組み化する技術」です。
これまでの内容は、どちらかというと「現状改善」に重きを置いてきましたが、こちらの内容は「状況改善の継続」を重きにおいています。
私もこれまで何度も経験してきましたが、「組織」というものは人の入れ替わりが絶え間なく行われていくものです。
職場のエースだった先輩社員がいなくなったと思ったら、新米社員が入ってくる、といった事象もザラにあります。
だからこそ、これまで説明されてきたような「リードマネジメント」に基づいた技術の効果を永続的に持続させられるような工夫が必要になってくるわけです。
本書で紹介されているような「組織の目的/目標を共通言語として浸透させる」ことも重要ですし、「朝礼や朝会で各メンバーの目的やゴールを言語化する時間を持つ」ことも1つの選択肢として述べられていました。
どの内容が最適解でベストアンサーかは業界や企業によって異なるかと思いますが、「仕組み化できるもの=誰がやってもそれなりの成果が担保できるもの」は、少しでも多く組織やチームに残していきたいものです。
まとめ
ということで、「リードマネジメント」に基づいた部下育成、後輩育成、そして「マネージャーとしてのあり方」について説明された本書を自分なりにまとめてみました。
非常に具体例が多く、明日から実行できそうな内容や知見に溢れていましたので、気になった方は是非とも読んでみていただけると嬉しいです!
それでは、また次の記事で!
PS.最近、本業でもマネジメント系の仕事が始まったのですが、なかなか大変な日々が続いています。私自身も、マネージャーとしてもプレーヤーとしても模範を示せるように頑張っていきたいです!
