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展覧会「華やかなうつわたち -伊万里・柿右衛門・鍋島-」(根津美術館・2005年2月)

※過去のレビューです

2005.2.5 Saturday

チラシがなかったので、ポスターの写真を撮ってきました

2/5(土)は学芸員さんによる解説があるというので、それを目的に、ひとり休日の表参道から南青山へ。以下、解説で聞いたことを、まとめておきたいと思います。

タイル研究者の陶磁器コレクション


今回の展示は、世界のタイル研究者・山本正之氏の肥前磁器コレクション。氏の収集したタイルは、愛知県常滑市にある「世界のタイル博物館」で見られます。

山本さんの功績は、暮らしの中にある建築材料のたった一片のタイルが、各国の風土や歴史を語り、人間の暮らしや文化を示すことを教えてくれたことでした。    ――――――――― 中略 ――――――――――
生きること全てがタイルに繋がっていた山本正之さんは平成12年(2000)に亡くなられ、ここ常滑に「世界のタイル博物館」という貴重な宝を残しました。大好きなタイルに捧げられた山本さんの生涯は、期せずして日本の暮らしのなかにタイルが普及していく"タイルの近代史"としても読み解くことができます。

この博物館、今度開港する中部国際空港(セントレア)の近く。今度帰省するときにでも、セントレアのついでに足を伸ばしてみようかと思いました。

普段使いからコレクターズアイテムへ


もともと根津美術館には、肥前の焼き物は少なかったのだそうです。というのも、長くこれらの磁器は「普段使いの食器」として実際に使用されており、コレクションとしての価値は認められていなかったのです。

肥前の焼き物収集が始まったのは、大正時代にさかのぼりますが、初期は非常にマニアックな趣味だとみなされていました。本格的に収集が盛んになったのは戦後。進駐軍の影響に寄るところが大きく、山本氏が収集を始めたのもちょうどこの頃。

《山本氏のコレクション》
江戸初期のの1650~1660年代に輸出用に作られたものの中で
・日本に残っていたもの
・海外に輸出後に買い付けられて、日本に戻ってきたもの
を中心に集められました。

山本氏は、バブル期の1990年頃まで磁器収集を続け、以後はタイルに転向します。

肥前磁器の歴史


肥前の焼き物(いわゆる古伊万里)の輸出が始まったのは、3代将軍家光の時代・1640年代頃だと言われています。初期のものはろくろで作られていたのですが、ろくろ一台につき税金がかかるようになります。そこで何とかろくろを使わずに生成ができないものかを知恵を絞った結果、ひも作りが考えだされました。

1660年頃には技術が安定し、職人が全員、同じものを同レベルで作ることができるようになりました。1680年代後半からは、元禄文化華やかなりし頃。ハレの日を彩る日本人好みの中国風や京風の絵付けのなされた華やかなものが、盛んに作られるようになります。

伊万里がすべて手描きで、自由に伸び伸びと描かれているのに対して、鍋島はあたりをつけ、転写を使用し、型通りに丁寧に描かれているのが特徴。

伊万里はセットでも少しずつ絵柄が違うため、バラバラになっても使いやすいのですが、鍋島は、大名などに献上されたということもあり、セットで残っているものが多いのだそうです。

確かに鍋島は、本当に美しく精魂込めて作られており、裏側まで丁寧に絵付けがされています。また、上質な釉薬が使用されたため素地が美しく、青磁も非常に美しいのが特徴です。そうした贅を尽くした陶磁器を、大名は、10枚、20枚というセットで買い付けたのだそうです。

災害を乗り越えて古い磁器が残された理由


こうした贅沢な陶磁器は、大名家でも大切に使われていました。しかし、この地震大国日本でこれほどの数の磁器が残っているのは、日本人の風習が強く影響していると考えられています。

欧米人にとっては、磁器は使用するものであると同時に、室内を飾るものでもありました。しかし、日本人は、磁器を普段は大切に箱に入れてしまっていました。季節ごとに使う食器を変えたり、奥方に指定されたものを、その都度女中が出してきて使用したりしていたのです。

そうした慣習のお陰で、我々は当時の素晴らしい作品を目にすることができます。この話を聞いて、食器をしまってしまおうと思ったのは、わたしだけではないはずだ(笑)

作品数はあまり多くなかったものの、ひげ剃りに使ったものや、日本の磁器をコンポート風にアレンジされたものなど、いろいろ面白いものが見られました。

休日ということもあり、ものすごい人で、お話が聞き取りにくい部分もあったのが、少し残念でした。

学芸員さんのお話がはじまる時間に合わせて14時に美術館着。我が家から青山まで1時間半以上かかることもあり、休日で起きるのが遅かったので、お昼を食べ損ねてしまいました。

見終わってから、庭園内に併設されているカフェで遅いランチ・・・のつもりが、もう4時を過ぎていて、できるのは地鶏卵を使ったフレンチトーストだけということ。(今思えば「地鶏卵を使ってる」だけでもすごいパワーワード。これ一択しかないですよね!)

トッピングが日替わりというのも楽しみで、フレンチトーストに決定。
それがね、とーってもおいしかったのでした。
自分で作るフレンチトーストとは全然違うし(当たり前)
トッピングも、チョコレートソースとアイスとバナナと手前のあずきの豪華な組み合わせ。

このカフェ、美術館での展覧会を利用しないと入ることができないそうです。きっと、庭園のみの利用も禁止しているためで、このカフェに入って
そのままお庭も見ちゃったり・・・ということが多かったのかな。
でも、入るときにチケットのチェックなどはありませんでした。

門から見た美術館。
お庭も、もっと違う季節にくると、いろいろ楽しめるかもしれません。
次は春に来てみたいなぁ。


チラシがなかったので、2011年のこのチラシをTOP画像に使わせていただきました。

現在、有田焼の産地として知られている佐賀県有田町は、17世紀初頭に我が国で初めて白磁の製法が完成した磁器発祥の地です。江戸時代にはさまざまな種類の磁器を作り、伊万里の港から国内各地や東南アジア諸国は勿論のこと、はるばるヨーロッパ諸国へも送られ、市場を拡大してゆきました。

これらの品々は伊万里や肥前磁器と呼ばれ、明治になってからは柿右衛門、九谷、鍋島などさまざまに分類されました。根津美術館では、もともと肥前磁器の蔵品が少なかったため、まとまった展示を行うことが出来なかったのですが、平成10年に世界のタイル研究者、山本正之氏の肥前磁器コレクションの御寄贈を受けてからは、いろいろな視点から御紹介出来るようになりました。今回は初春にふさわしく、伊万里、柿右衛門そして鍋島のうつわたちの鮮やかな色彩、そして華やかな文様を御覧頂きます。

スケジュール 2005年1月8日(土)〜2005年2月13日(日)
開館情報
時間 10:00 〜 17:00
休館日 月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
展示替期間・年末年始休館
入場料
[企画展] オンライン日時指定:一般 1300円、大学生・高校生 1000円 / 当日券:一般1400円、学生 1100円
[特別展] オンライン日時指定:一般 1500円、学生 1200円 / 当日券:一般 1600円、学生 1300円
展覧会URL http://www.nezu-muse.or.jp/tenrankai/tenrankai.html
会場根津美術館  http://www.nezu-muse.or.jp/
住所〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1

https://www.tokyoartbeat.com/events/-/2005%2F64C9

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